国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2017年7月)、低位安定で推移
水瀬ケンイチ

個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。
海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2017年7月の状況をチェックしてみます。

日興 上場MSCIコク株 (1680) -0.76%
日興 上場MSCIエマ株 (1681) -0.59%
MAXIS 海外株ETF (1550) -0.52%
野村 NYダウ30種ETF (1546) -0.02%
7月はウォッチ銘柄の乖離率がまずまず小さく、個人的許容範囲の±1.0%以内におさまっています。まずまずの低位安定だと思います。
これに東証の「マーケットメイク制度」(取引所がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度)が導入されれば(2018年予定とのこと)、国内ETFの乖離状況がさらに良くなるのではと期待します。
また、先日7/26に開催された金融庁の第4回目となる「個人投資家との意見交換会」では、つみたてNISAにおいて、大和証券のかたがETFの「るいとう」に対応すると明言していました。他の証券会社も追随する可能性はあります。
もし、国内ETFを20年という長期にわたって積み立てることになるのであれば、なおさらのこと、国内ETF市場は「買う時も売る時も適正価格」であってほしいと切に願います。
<ご参考その1>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するなら、「フリーETF」対象商品はいくら売買しても売買手数料無料のカブドットコム証券がおすすめです。以下から口座開設できます(無料)
・カブドットコム証券
<ご参考その2>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。
2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
2017/07/29 金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと
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