国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2017年8月)、低位安定で推移。SBI証券と楽天証券の売買手数料無料プランも追い風へ?
水瀬ケンイチ

個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。
海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2017年8月の状況をチェックしてみます。

日興 上場MSCIコク株 (1680) -0.26%
日興 上場MSCIエマ株 (1681) -0.61%
MAXIS 海外株ETF (1550) -0.23%
野村 NYダウ30種ETF (1546) -0.14%
8月もウォッチ銘柄の乖離率が小さく、個人的許容範囲の±1.0%以内におさまっています。まずまずの低位安定だと思います。
これに東証の「マーケットメイク制度」(取引所がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度)が導入されれば(2018年予定とのこと)、国内ETFの乖離状況がさらに良くなるのではと期待します。ここ2~3か月、非常に良いので、もしかしたら先行して試行に入っているのかな?
また、今月2017年9月より、国内ETFを含めた国内株式について、1日10万円以内なら売買手数料無料の料金プランを、SBI証券と楽天証券が出してきました。国内ETF積み立て用なら十分に事足りるケースが多いのでは。(開始日等詳細は各社のWEBサイトでご確認ください)
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通常、買ったものはいつか売ります。売買が活発化すれば国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」も改善する方向に向かうでしょう。
国内ETF市場は、買う時も売る時も適正価格であってほしいと切に願います。
<ご参考その1>
上記のネット証券会社は、以下から口座開設できます(無料)
・SBI証券
・楽天証券
<ご参考その2>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するなら、「フリーETF」対象商品はいくら売買しても売買手数料無料のカブドットコム証券がおすすめです。以下から口座開設できます(無料)
・カブドットコム証券
<ご参考その3>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。
2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
2017/07/29 金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと
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