国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2017年9月)、低位安定で推移。一方で、iシェアーズの主要国内ETFが上場廃止へ

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個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。

海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2017年9月の状況をチェックしてみます。

海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2017年9月の状況

日興 上場MSCIコク株 (1680) -0.40%
日興 上場MSCIエマ株 (1681) -0.22%
MAXIS 海外株ETF (1550) -0.37%
野村 NYダウ30種ETF (1546) -0.23%

9月もウォッチ銘柄の乖離率が小さく、個人的許容範囲の±1.0%以内におさまっています。まずまずの低位安定だと思います。

これに東証の「マーケットメイク制度」(取引所がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度)が導入されれば(2018年予定とのこと)、国内ETFの乖離状況がさらに良くなるのではと期待します。ここ3~4か月、非常に良いので、もしかしたら先行して試行に入っているのかもしれません。

また、2017年9月より、国内ETFを含めた国内株式について、1日10万円以内なら売買手数料無料の料金プランを、SBI証券と楽天証券が出してきました。国内ETF積み立て用なら十分に事足りるケースが多いのでは。(開始日等詳細は各社のWEBサイトでご確認ください)

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通常、買ったものはいつか売ります。売買が活発化すれば国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」も改善する方向に向かうでしょう。

しかし一方で、来年1月から始まる「つみたてNISA」に向けて、国内ETFよりもさらに低コストなインデックスファンドが続々登場しています。海外資産クラスの国内ETFは、インデックスファンドにコスト水準で追い抜かれつつあります。しかも、東京証券取引所は、iシェアーズのETF10本が2018年1月22日に上場廃止となる予定と発表しています。

iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF-JDR(iBoxxドル建てLHYC)(証券コード1361)
iシェアーズ 新興国債券ETF-JDR(自国通貨建)(証券コード1362)
iシェアーズ 米国債ETF-JDR(米7-10年国債)(証券コード1363)
iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)(証券コード1581)
iシェアーズ エマージング株ETF-JDR(MSCIエマージングIMI)(証券コード1582)
iシェアーズ フロンティア株ETF-JDR(MSCIフロンティア100)(証券コード1583)
iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)(証券コード1587、略称iS米国超大型株)
iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル2000)(証券コード1588、略称iS米国小型株)
iシェアーズ 米国高配当株ETF-JDR(モーニングスター配当フォーカス)(証券コード1589、略称iS米国高配当株)
iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF-JDR(ダウ・ジョーンズ米国不動産)(証券コード1590、略称iS米国リート)
(出所:監理銘柄(確認中)の指定:iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF-JDR(iBoxxドル建てLHYC)ほか9銘柄 | 日本取引所グループ

上記のうち、1581、1582、1583 はそれぞれ海外ETFの TOK・IEMG・FM と連動する商品で、海外資産クラスに投資する主要国内ETFとして、3年前まで当ブログでも乖離率のウォッチ対象ETFでした。運用会社であるブラックロックのWEBサイトの改悪で、月間平均乖離率のデータが取得できなくなったことで、無念の掲載終了をしていました。

国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2014年10月末時点) iSharesの掲載無念の終了。そしてMSCIコクサイ連動ETFに何が? - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

それが今回、ついに上場廃止になるということです。1581、1582、1583 は、そのポテンシャルが高かっただけに上場廃止は非常に残念です。

インデックスファンドでは、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が、それぞれ海外ETFのVTとVTIに、「ファミリーファンド方式」で投資するインデックスファンドとして新登場しています。

国内ETFの中での競争とインデックスファンドの中での競争に加えて、今は、国内ETFとインデックスファンドの間でも競争になっています。

金融庁の肝いりで来年1月から始まる「つみたてNISA」は少額投資非課税制度のひとつで、投資未経験者や初心者をターゲットにしており、少額からの「積み立て」に力点が置かれています。おのずと、ETFよりもインデックスファンドが投資対象としてフィットする情勢になっています。

国内ETFは、いつまでも市場価格と基準価額の乖離の問題を解決できなかったり、情報開示に消極的だったりすると、手間がかからず取り扱いやすいインデックスファンドに低コストインデックス商品の座を完全に奪われかねません。

インデックス投資の投資ビークルとしては、今までインデックスファンド(投資信託)、国内ETF、海外ETFの三つ巴でしたが、ここへきて勢力図に変化が出てきたように思います。インデックスファンドと海外ETF(主に米国株投資で)が拡大し、国内ETF勢力が押されている形に見えます。今後どうなるか予断を許しません。

健全な競争は個人投資家に利益をもたらしますので、今後の国内ETF勢の奮起を期待したいと思います。


<ご参考その1>
上記のネット証券会社は、以下から口座開設できます(無料)
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<ご参考その2>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するなら、「フリーETF」対象商品はいくら売買しても売買手数料無料のカブドットコム証券がおすすめです。以下から口座開設できます(無料)
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<ご参考その3>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
2017/07/29 金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと

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