「ポートフォリオは100%株式でよい」「○○一本でよい」(○○は企業だったり国だったり)といった意見が出ていますが
水瀬ケンイチ

先週の月曜日、日経平均連騰の最長記録が16営業日でストップしたそうですが、週末の日経平均はそれを上回り、約21年4カ月ぶりの高値で引けました。
世界的な株高と安定した為替状況によって、保有資産も過去最高を更新したという報告が散見されます。とても良いことだと思います。
ただ、この投資家にとって心地良い環境は、いつまでも続くのでしょうか。永遠に上がり続ける相場もなければ、永遠に下がり続ける相場もないと思います。
市場というものは大小の騰落をくり返しながら、長期でならせば少しずつ(せいぜい年率の期待リターンである数%程度ずつ)上がっていくものだと思います。
大方の投資家が儲かっているような時は、リスクの取り過ぎ状態になっている投資家も多いと推測できます。
最近、ブログやSNSで「ポートフォリオは100%株式でよい」「○○一本でよい」(○○は企業だったり国だったり)とった勢いのある意見をよく見ます。
本当に株式100%のポートフォリオでも、いざ暴落した時にも自分のリスク許容度の範囲内だと言っていられるのなら問題ありません。私は臆病者なので無理ですが、人によってリスク許容度は違うものですし。
ただ、下げ相場の時はまったく見聞きしなかった意見が、連騰記録を更新しているような上げ相場のまっただなかでイケイケドンドンと出てくるのを見ると、正直、「またか」という気持ちになります。過去に何度も見た景色です。
よく「歴史は繰り返す」と言いますが、人は上げ相場では必要以上に蛮勇になり、下げ相場では必要以上に臆病になり、しかもそれを繰り返します。私を含めて、人は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」生き物なんだと思います。
過去の出来事を振り返ると、「100年に一度」と言われた2008年のリーマン・ショックも、「1000年に一度」と言われた2011年の東日本大震災も、なんの前ぶれもなく突然起こりました。いや、あとから見れば何らかの予兆はあったのかもしれませんが、少なくとも当時の私には、突然起こったように見えました。
もし、過去の歴史に学ぶことができるのであれば。
上げ相場の時「こそ」、下げ相場に備えて、ポートフォリオの資産配分が、自分のリスク許容度の範囲内のリスク水準におさまっているかを確認するべきだと思います。
もし、リスクの取り過ぎになっていれば、株式クラスのファンドを売却して、その分を債券クラスのファンド(もしくは生債券)を買い増すといった「リバランス」を早めに行ないます。私は夏に行なったので大丈夫だと思いますが、念のためこれからまた確認したいと思います。
備えあれば憂いなしです。
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