「お金は寝かせて増やしなさい」に頂いた書評(その6) 菟道りんたろうさん

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拙著「お金は寝かせて増やしなさい」に頂いた書評をピックアップ。その6は、ブログ「The Arts and Investment Studies」の菟道りんたろうさんです。ありがとうございます。

『お金は寝かせて増やしなさい』―投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」 - The Arts and Investment Studies 『お金は寝かせて増やしなさい』―投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」 - The Arts and Investment Studies


菟道りんたろうさんのブログ記事は、ことごとく重厚で長文なので、読む方にズシンと迫ってくるものがあります。詳しくは、上記ブログ記事をご覧いただきたいのですが、本書にいただいた数々の書評ブログ記事のなかでも「最も長いで賞」を差し上げたいと思います(笑)

冗談はさておき、たいへんありがたいのは、本書を「インデックス投資原論」 と評していただいたことです。ふつう、学問でもないのに「原論」というのは相当な重みがある言葉なので、どういうことか食い入るように読ませていただきました。

インデックス投資ブロガーの第一人者である水瀬ケンイチさんの初の単著『お金は寝かせて増やしなさい』が刊行されました。さっそく読んでみたのですが、一読して驚きました。漫画が挿入されたり、分かりやすい記述は見事な「インデックス投資入門」に仕上がっているのですが、この本の値打ちはそれ以上のものだと感じたからです。それは投資の本質を捉えた解説がなされていること。つまり、本書は単なる「インデックス投資概論」ではなく、実に硬派な「インデックス投資原論」となっているのです。

『お金は寝かせて増やしなさい』―投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」 - The Arts and Investment Studiesより)


漫画を含めて、できるだけわかりやすい表現を使いながらも、中身については、骨太な理屈部分は割愛することなく、しっかりと書いたつもりだったので、そこを見てくれる人が一人でもいたことがうれしいです。さらに……

第4章に「グルグル回って自己増殖する「資本」」という項目があることこそが、本書を単なる「インデックス投資概論」ではなく、投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」にしている。ここでは資本主義の定義として「労働力を商品化、剰余労働を剰余価値とすることによって資本の自己増殖を目指し、資本蓄積を最上位におく社会システム」という『ブリタニカ国際大百科事典』の記述が引用されていますが、これこそマルクスが『資本論』によって分析した社会システムとしての資本主義理解です。なぜ資本主義経済は長期的には成長するのか。それは、あらかじめ成長することを目的とされた経済システムだからにほかなりません(それは良いことなのか悪いことなのかは別の話です)。そして本書は、こうした資本主義に対する本質的理解を前提として投資を捉える考え方が貫徹されている。だからこそ全体の主張が上滑りにならず、ある種の深みをもたらしてくれるのです。

『お金は寝かせて増やしなさい』―投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」 - The Arts and Investment Studiesより)


まさに、この部分です。「なぜインデックスファンドのバイ&ホールドでも、プラスのリターンが出るのか」という理屈については、ブログ開始以来10年以上の重点研究テーマでした。乱読した類書にも、ドンズバの情報がほとんどありませんでした。

本書では、「人々の欲望をエンジンとした資本主義経済の成長」がまず重要だとしました。加えて、長期投資による「平均回帰性」こそが、インデックスファンドのバイ&ホールドでもプラスのリターンが出る根拠であると、思い切って整理しました。

この説明以外にも、投資家が取ったリスクに対する対価である「リスクプレミアム」の存在や、市場参加者の利益成長率の予想と現実の乖離等、他の説明の仕方もあると思います。

しかし、この説明が、私が15年インデックス投資を実践してきたなかで、いちばんしっくりきて「腹に落ちて」いるもので、時代やトレンドにかかわらず有効な真理に近いと私は考えています。

ただ、この部分については、言葉にすると小難しくてなかなか伝わりづらいので、嘘偽りない15年の実績データと、オリジナルの図解、会社での身近な事例と、漫画の物語の力も借りてなんとか表現しました。

本書の執筆を通じて、なんとかかんとか、よい整理ができたのではないかと自分では思っています。

菟道りんたろうさん、骨太かつ重厚で、素敵な書評を頂き、ありがとうございました。




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