国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2018年1月)、超・低位安定で推移。今年の冬は嵐なし

水瀬ケンイチ

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個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。

海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2018年1月の状況をチェックしてみます。



海外資産クラスの主要銘柄の乖離率について、2017年11月の状況をチェック

<乖離率>
日興 上場MSCIコク株 (1680) +0.01%
日興 上場MSCIエマ株 (1681) +0.14%
MAXIS 海外株ETF (1550) -0.05%
野村 NYダウ30種ETF (1546) +0.12%

1月もウォッチ銘柄の乖離率が非常に小さく、個人的許容範囲の±1.0%以内におさまっていました。

例年、なぜか冬の12月~翌年1月くらいに、国内ETFの乖離率に「嵐」が吹き荒れることが多かったのですが、今年は「なぎ」が続いており、冬の嵐は起こりませんでした。よいことです。

これに東証の「マーケットメイク制度」(取引所がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度)が導入されれば、国内ETFの乖離状況がさらに小さくおさまって良くなるのではと期待します。東証の発表によると、実施時期は2018年中頃を目途としています。

東京証券取引所 公式WEBサイト
ETF市場におけるマーケットメイク制度の導入について

売買手数料面でも追い風です。2017年9月より、国内ETFを含めた国内株式について、1日10万円以内なら売買手数料無料の料金プランを、SBI証券と楽天証券が出してきました。国内ETF積み立て用なら十分に事足りるケースが多いのでは。

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一方で、今年1月の「つみたてNISA」開始をきっかけに、低コスト・インデックスファンドの新規設定や、既存インデックスファンドの信託報酬引き下げが活発化しています。一部のインデックスファンドの信託報酬水準は、すでに国内ETFよりも安くなってきています。

国内ETFはここで踏ん張らないと、存在感を失いかねない状況のように私には見えます。

投資家が安心して、いつでも適正価格で国内ETFを売買できるように、関係機関はがんばってほしいと思います。


<ご参考その1>
上記のネット証券会社は、以下から口座開設できます(無料)
SBI証券
楽天証券

<ご参考その2>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するなら、「フリーETF」対象商品はいくら売買しても売買手数料無料のカブドットコム証券がおすすめです。以下から口座開設できます(無料)
カブドットコム証券

<ご参考その3>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
2017/07/29 金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと

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Posted by水瀬ケンイチ