バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド(マネックス証券)からI-Shares S&P500 Index Fund(楽天証券)へメインファンド乗り換え検討 (その1)

水瀬ケンイチ

楽天証券の海外ETF取り扱い開始にともない、僕のポートフォリオへの導入を検討しています。
※参考記事
2006/10/14 海外ETF、ついにネット証券で取り扱い開始!日本のインデックス投資の夜明け!

具体的に検討している海外ETFは、「I-Shares S&P500 Index Fund」です。
これは、米国株式クラスの商品ですから、現在の僕のメインファンドである、「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」と重複します。
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドをマネックス証券で買い始めて数年、買い増し続けるだけで一度も売却したことがありませんでしたが、ついに売却を含めて考える時が来てしまいました。少々複雑な気分ですが、より有利そうなものが出てきたのですから、仕方がありません。しっかりと検討しようと思っています。

まずは、I-Shares S&P500 Index Fundとバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドを比較しながら、乗り換えについて考えてみました。
しかし、いざ考えはじめると、両ファンドとも、メリット、デメリットの両面があり、「この点では有利だけど、あの点では不利だ。あぁどうしよう…」と、なかなか考えがまとまりません。
そこで、乗り換えにあたって個人的に気になっているポイントを、(1)コスト、(2)投資対象、(3)手続き、(4)税制、(5)今後のこと、という5つの観点から自分なりに整理してみました。


(1)コストについて

まず、イニシャルコストから。
I-Shares S&P500 Index Fundは、31.5$(1000株まで定額)の販売手数料がかかります。
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドは、販売手数料なし(ノーロード)です。
これだけ見ると、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドの方がよさそうです。

しかし、ランニングコストを見ると事情は一変します。
I-Shares S&P500 Index Fundのエクスペンスレシオは、年率0.09%です。
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドは、年率0.83%程度です。
この差0.74%は、例えば1万$投資した場合、74$になります。10万ドル投資すれば、740$です。しかも、この差が毎年継続して出てきます。
イニシャルコストの31.5$の差など、一瞬で吹き飛んでしまうと思われます。その後は、差が開いていく一方です。

したがって、コスト面では、乗り換えると「非常に有利」と言えると思います。


(2)投資対象について

I-Shares S&P500 Index Fundは、S&P500に連動します。
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドは、MSCI US Broad Market インデックスに連動します。
この2つのインデックスはともに米国株式のインデックスですが、内容が違います。

S&P500は、米国の大型株式500銘柄を主要産業から代表的な銘柄を選定して算出したインデックスです。言わば、大型株に特化したインデックスです。
それに対して、MSCI US Broad Market インデックスは、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダック店頭市場で通常取引されているすべての米国普通株式で構成されるインデックスです。言わば、市場全体のインデックスです。

では、どちらのインデックスが良いのか。


「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)では、こう述べられています。

インデックスファンドの中で圧倒的に人気を博してきたのは、アメリカの大企業の半分をカバーしている、S&P500指数をコピーしたファンドである。(中略)
多くの人がインデックス運用とはS&P500指数を買うことだと間違って思い込んでいる。しかし、もはや今日では、それだけがインデックス運用ではない。S&P500に含まれるアメリカの代表的な大型株の素晴らしいパフォーマンスは、21世紀の初めまで持続しなかったのだ。再び小型株のパフォーマンスが持続的に平均を上回状態が戻ってくるかもしれない。S&P500指数はアメリカ経済の最もダイナミックな部分を構成する、何千もの中小企業群を除外しているからだ。
この結果、私は、今では、もし一つだけアメリカ株のインデックスファンドを買うとするなら、S&P500ではなく、市場の動きをよりよく反映していると思われるウィルシャー5000インデックスの方を選びたい。


米国で、S&P500インデックス投資があまりにも人気を博した結果、逆にS&P500に含まれている銘柄の株価が割高気味になっている。そして、過去70年、大型株よりも小型株の方が総じてパフォーマンスが上回ってきたのに、S&P500にはそれが入っていないとも書いてあります。
(なお、ウィルシャー5000とMSCI US Broad Market インデックスは同等のものです)

そう考えると、投資対象については、小型株も含んだMSCI US Broad Market インデックスに連動する、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドの方がよいような気がします。
しかし、実際にデータで見ると、おや?と思いました。
同じく「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)には、S&P500とウィルシャー5000の年平均リターンの比較グラフが掲載されています。(スキャナーがないのでデジカメ写真ですみません…)

S&P500とウィルシャー5000の年平均リターンの比較グラフ

残念ながら、グラフに値が書き込まれていないのですが、僕の目で見る限りでは、両方とも15%強で、ほとんど変わらないように見えます。
(参考までに、同グラフでは「株式投信平均」は13%弱になっていました。インデックス強し!)
理屈で言えば、MSCI US Broad Market インデックスとS&P500とのパフォーマンスの差は、多少あるのかもしれませんが、データで見る限り、ごく僅差です。

したがって、投資対象の面では、乗り換えると「僅かに不利」と言えると思います。

長くなってきたので、続きはまた次回。

(次回へ続く)


<ご参考>今回取り上げたネット証券会社は以下から口座開設できます。
(会社名をクリックしてください)
・楽天証券「海外ETF」
・マネックス証券

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Posted by水瀬ケンイチ