つみたてワニーサくんのつぶやきと「稲妻が輝く瞬間」の共通点
水瀬ケンイチ

「つみたてワニーサ」くんが興味深いデータをつぶやいています。
1970年〜2017年まで、国内株式を保有し続けていた場合、100万円は約21倍に✨
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) 2018年6月11日
仮にタイミング投資に成功すると(下落上位3年を避けると)、より良いパフォーマンスを得られだはずだけど、
失敗すると(値上がり上位3年を逃すと)、定期預金で運用した場合と同水準に。
投資のタイミングって難しい❗️ pic.twitter.com/nqagWXzkrq
グラフから読み取れることは、以下のとおり。
・1970年から2017年までの48年間で、国内株式は約21倍に
・タイミングを狙って値下がりの大きい上位3年を避けると、より良いパフォーマンス
・タイミングを狙って値上がりの大きい上位3年を逃すと、定期預金と同水準のパフォーマンス
これは、「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)の有名なフレーズ「稲妻が輝く瞬間」の話と似ている気がします。
同書は、「過去72年間のうち、ベストの5日を逃すと、利益は半減してしまう」と指摘しています。また、ベストの年を逃した場合のパフォーマンスのグラフを見てください。

「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)より
ベストの3年(1933年、1935年、1954年)を逃した場合の累積資産額は、買い持ちの3分の1以下になっています。
つみたてワニーサくんのつぶやきを見て、このグラフを思い出していました。日本株式と米国株式で国は違っても、ベストの3年を除くとパフォーマンスはぼろぼろになってしまうのは、そっくりだなと思います。
やっぱり投資のタイミングは難しいですね。
投資のタイミングは難しいのですが、ひとつだけ、「稲妻が輝く瞬間」を絶対に逃さない方法があります。
それは、市場にとどまり続けることです。拍子抜けするかもしれませんが、実際にそうなのです。
ただ、暴騰を逃さないかわりに、暴落のダメージももろに受けます。だから、市場から退場してしまうほどの致命傷を負わないような資産配分にしておくことが必要です。
慣れていない方は、時々、自分のリスク許容度の範囲内にポートフォリオのリスクが収まっているか、確認するといいと思います。
リスクを取りすぎている場合は、資産配分を調整します。
具体的には、株式の比率を下げ、債券の比率を上げることで、ポートフォリオのリスクを下げることができます。また、投資金額そのものを抑えることでも、ポートフォリオのリスクを下げることができます。
ポートフォリオが自分のリスク許容度の範囲内にあるかどうかのチェックは、相場が暴落してからではなく、相場が好調な時にこそ、行うべきだと思います。
たとえば、今、とかいかがですか。
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