投資信託を保有する個人投資家の半数近くが損失を抱えている理由

水瀬ケンイチ

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投資信託(投信)を保有する個人投資家の半数近くが、損失を抱えているとの報道がありました。



日本経済新聞 電子版
2018/07/05 投信で損失、個人の半数 金融庁調査


上記日経新聞の記事を読むと、損失を抱えているのは、株価が下がったからだというわけではなさそうです。詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、無理やりポイントをまとめると、以下のとおり。

  • 2018年3月末時点、投信保有者のうち運用損益率プラス50%以上の人がいる一方で、マイナス10%以上の損失の人が全体の35%ともっとも多い。
  • ここ数年は緩和マネーの流入で世界的に株価が堅調に推移している。
  • 投信保有者が儲けられなかったのは、銀行や証券会社の「回転売買」による手数料稼ぎと「毎月分配型投信」による取り崩しのため。

さもありなん、という感想しかありません。

このブログでも、繰り返し、繰り返し、主張してきたことですが、日本の投信業界の悪習である「回転売買」は、投資家のリターンを削ります。

<ご参考>
2011/12/23 【投信業界は注目すべし】 金融審議会のモーニングスター資料が素晴らしすぎる件
2013/09/23 NISAによってあぶりだされた日本の投信業界の問題点
2017/04/08 国と金融機関と投資家、それぞれすねに傷があるけれど

株式クラスの期待リターンなんて、せいぜい年5%くらいしかないのに、投信を短期的に何度も買い換えるたびに販売手数料で3%なんて払っていたら、たとえ上げ相場であっても、儲かるものも儲かりません。課税コストもバカになりません。

投信による資産運用は、切った張ったの「売買」のことではなく、「持っていること」が基本です。

また、上げ相場では、毎月分配型投信は勝手に資産を取り崩していってしまうため、やはり、投資家のリターンを削ります。


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投信で損失、個人の半数 金融庁調査  :日本経済新聞より)


私自身、基本的には低コストなインデックスファンドを積み立てて長期保有(15年以上)しているだけですが、たまたま現在は運用損益率は50%以上なので、上記日経記事の投信保有者の運用損益率の最上位カテゴリに入るようです。

そのようなことをツイッターで投稿したところ、何人かの方から「すごい」と言われました。実は、何もすごくはありません。

企業の分析も選定もしていませんし、投資タイミングを図って売買もしていません。同じ時期に同じことをすれば誰でも同じリターンを再現できます。インデックス投資は再現性が高いのも特徴のひとつですから。

ただ、過去15年の投資期間のうち数年はずっとマイナス圏にいたので、今まで継続できた人が少ないだけだと思います。

販売手数料ゼロ(ノーロード)で信託報酬が格安なインデックスファンドを積み立てるだけで動かさないので、金融機関にとっては手数料がほとんど入らず、しょっぱい客かもしれませんが、個人としては資産は増えていますのでなかなか良い方法だと実感しています。

もちろん、このリターンが将来にわたってずっと続くわけではなく、今後、下げ相場や大暴落がまた来ることもあろうかと思われます。

その時に耐えられるような(自分のリスク許容度の範囲内の)資産配分にしておきたい。その上で、今後も、世界中の株や債券に分散した低コストなインデックスファンドを長期保有したいと考えています。


<ご参考>
インデックス投資の具体的方法 8ステップ - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記) インデックス投資の具体的方法 8ステップ - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)




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Posted by水瀬ケンイチ