公的年金のリバランスから学べること

水瀬ケンイチ

pexels-photo-1199588.jpeg

公的年金を運用するGPIF(年金資金運用管理積立行政法人)は、基本ポートフォリオの資産配分に、「乖離許容幅」を設けています。

この許容幅の中であれば、リバランスはしなくてもよいということになっています。直近のGPIFの乖離状況に関するレポートがありましたので取り上げます。



木を見て森を見ざることなかれ-基本ポートフォリオからの乖離が意味すること | ニッセイ基礎研究所 木を見て森を見ざることなかれ-基本ポートフォリオからの乖離が意味すること | ニッセイ基礎研究所


詳しくは上記のニッセイ基礎研究所のレポートをご覧いただきたいのですが、直近のGPIFの資産配分は、基本ポートフォリオからけっこう乖離しています。

特に、国内債券クラスが、所定の配分比率から約8%も小さくなっています。



個人的な感覚では、国内債券クラスが約8%も小さいという状況は、私だったらリバランスするなぁという感じです。

ポートフォリオ全体のリスクを大きく左右するのは、株式クラスで国内株式や先進国株式をどのような比率で持つかよりも、「国内債券クラスをどのくらい持つか」だからです。

<ご参考>
【第5回】 保有資産の値動きの9割を決める資産配分の「肝」は意外にも日本債券だった! - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

とはいえ、常に所定の資産配分にピッチリ合わせて、1%でもズレたら即リバランス、というのも効率が良いのか実はわかりません。

以前調べたところでは、頻繁なリバランスは、かえってパフォーマンスを悪化させるというデータもありました。

<ご参考>
リバランスの有効性を示すデータ - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

上記参考記事のデータでは、1年~3年ごとのリバランスが、半年ごとや1ヶ月ごとのリバランスよりもパフォーマンスがよいという結果でした。(注:このようなデータは調査期間の市場動向によって、結果が変わり得ることを念頭に置く必要はあります)

基本ポートフォリオからある程度の乖離許容幅をもっておくことは、悪いことではなさそうです。そういえば、私も年に1回リバランスをしていますが、資産配分があまり変わっていない場合は、実施しない年もけっこうあります。

でも、前述のとおり、国内債券クラスの割合には気を使っており、国内債券クラスが小さくなってしまったらほぼ必ずリバランスしています。なぜなら、ポートフォリオ全体のリスクが過多になって、自分のリスク許容度を越えてしまうからです。

いつ暴落が来るかわからない市場にとどまり続けるためには、自分のリスク許容度の範囲内で投資することがとても重要だと私は考えています。

GPIFはニッセイ基礎研究所のレポートを見ると、国内債券クラスが約8%も小さい一方で、短期資産が約7%大きくなっているので、ポートフォリオ全体のリスクが過多になっているような状況ではないことがわかります。

インデックス投資家にとって、公的年金を運用するGPIFの運用は学べることがいっぱいです。

関連記事
広告
Posted by水瀬ケンイチ