これが銀行のスマホアプリ最大のメリット!
水瀬ケンイチ

銀行サービスを受ける場所が店からスマートフォン(スマホ)に変わってきたそうです。
各銀行がスマホアプリの決済機能や手数料優遇、AIを活用したチャット相談など、利便性を競いあっているとありました。これはとても良いことだと思います。
スマホは肌身離さず持ち歩いているものだし、いつでもどこでも振込などの取引ができるというのは便利です。手数料が優遇されるのであれば、願ったり叶ったりです。
現金が必要な際の引き出しは、そこらへんのコンビニで普通にできますので、銀行のATMがなくても困りません。
また、銀行側にとっても、地価の高い一等地の店舗にたくさんのATMを並べたり、待機列の整列に人員をさく必要性も下がるので、メリットがあると思われます。
私も、銀行の店頭にはほとんど行ったことがありません。ここ10年で銀行の店頭に行ったのは、財布をなくしてキャッシュカードの再発行をした時にやむにやまれず行ったくらいです。
良い事ずくめの銀行アプリですが、私が考える最大のメリットは、実はそこではありません。
最大のメリットは、取引で「銀行員と顔をあわせる必要がない」ということです。
もっと言ったら、高コストなぼったくり投資信託や外貨建て保険などの金融商品を勧めるセールストークに付き合う必要がないということです。
私もまとまった金額が預金口座に振り込まれた時に、銀行員から電話がかかってきたことがあります。銀行員の話術をなめてはいけません。
「預金の用途はお決まりですか?」から始まる話は、とても巧みです。銀行員はこちらの預金額や勤務先、入金サイクルまですべて把握しているので、「お金がない」というお断りの常套句が使えません。
かつ、そのセールストークは(ぎりぎり嘘にはならない)魅力的な文言になっており、営業マンはそれをセールス研修で叩き込まれています。セールストークを、金融商品に詳しくないふつうの人が合理的な理由をもって断るのは、相当難しいと思われます。
<ご参考>
特集「或る銀行員の独白【厳選版】」 | ZUU online
下手に反論しようとすると、「こう反論された場合はこう返してください」というフローがマニュアルで予め作り込まれており、逆にこちらの間違いを指摘されるなどして、よけいに断りづらくされかねません。
なんとか断れたとしても、セールストークに付き合う時間的損失は小さくはありません。
銀行だって利益をあげなければならない営利企業です。目の前に顧客がいれば、自社の利益が大きく取れる高コスト商品を勧めてくるのは、どうしても仕方がないことでしょう。
そこで、私たちが銀行のスマホアプリであらゆる取引を済ますことができれば、銀行員に話をする機会を与えることがないので、しぜんに自衛できるというわけです。
たとえ、スマホの通知でセールスメッセージが表示されたとしても、消せばよいだけです。他のアプリの通知と同じように、中身も見ないでサクっとスワイプするだけ。
これが銀行スマホアプリの最大のメリットだと私は思います。
P.S
もし金融商品のことに興味があるのなら、高コスト商品を勧めてくる銀行員から話を聞くのではなく、本を一冊読んで低コスト商品を自分で選ぶ方がベターだと思います。そんなに難しい話ではありません。
- 関連記事
-
-
「債券」の基本をしっかり学べる良動画! 2021/03/06
-
女優&金融アナリスト三井智映子さんのおすすめ本が「敗者のゲーム」とな!? 2021/02/28
-
「つみたてNISA」で投資をはじめた若者に拍手。ようこそ投資の世界へ! 2021/02/27
-
「インデックス投資で日々の生活は楽にならない」ってその前にあなた… 2021/02/25
-
コウメ太夫さんのシングルファーザーと不動産投資の話 2021/02/22
-
「にわか投資家」はプログラムに任せて、個人投資家は堂々と「ほったらかし投資家」に 2021/02/18
-