僕が海外証券口座を使わない理由

水瀬ケンイチ

読者のかたから、「海外の証券会社でETFあるいはファンドを購入するという選択肢をカットされたのは何故でしょうか?」というご質問をお受けしました。
以前にも、別のかたから同様のご質問をいただいたことがありますので、僕が海外証券口座を使わない理由について、書いてみようと思います。

米国の豊富で低コストなMutual Fund(特にVanguardのIndex Fund)に投資するため、僕も以前、海外証券口座(AmeritradeとFirstrade)の開設を真剣に検討しました。その結果、見送ることにしました。
理由はいろいろあるのですが、相互リンク先のPALCOMさんから以前いただいたコメントが、とてもよくまとまっているので、まずは引用させていただきます。

2006/06/05にいただいたコメントより引用開始】
■外国の証券会社のメリット
・ETFの種類が豊富-香港B社の場合約300種類
・ADRの種類が豊富
・日・米・香港以外の株式の購入も可

■外国の証券会社のデメリット
・ある程度の英語力が必要
・トラブルが起きやすく、トラブルが解決しにくい
・税金の処理が非常に面倒
 →確定申告が必要になる
 →外国税額控除の計算が面倒
 →外国で海外投資している個人投資家に良心的な価格でアドバイスしてくれる専門家は少ない
・税金面で不利になることがほとんど
 →株式の配当が総合課税になる
 →株式の売却益に軽減税率が適用されない
・非居住者に対するサービスが突然打ち切られることがある
・税金やネット操作、英語の勉強に時間をとられる

■外国の証券会社での運用に向く方
・自分でポートフォリオを組める方
 →ポートフォリオを自分で組めなければ、金融商品がいくら多くても無意味
・英語が得意
・投資戦略としてバイ&ホールドを採用されている方
 →外国で運用すると税金面で不利になるので、売る回数は少ないほどよい
・税金についての知識が豊富な方
・海外に移住する予定がある方、又は既に海外に移住している方
・ある程度まとまった資産(3,000万円以上)がある方
【引用終わり】


上記デメリットに加えて、
・自分が転勤族のため、2~3年に1回の住所変更がトラブルを招く(後日、住所変更処理は簡単だと判明しましたが)
・自分が死亡した時などに、家族が資産の整理に対応できない
というのもありました。

調べてみると、いいことばかりでなく、いろいろデメリットも見えてきました。
数あるデメリットの中でも、僕はいちばん気になったのは、サービスの不安定さでした。

当時、度重なる販売会社の事業廃止や外国株式インデックスファンドの途中償還に、僕は悩まされていました。
※参考記事 外国株式インデックスファンド放浪記(まとめ)
そんな中での海外証券口座ですが、当時、米国のMutual Fundを非居住者が購入することは、米国の法律のグレーゾーンに当たり、SECも正式には認めていないと言われていました。
でも、口座開設者のお話によると、なぜか買えてしまうとのことでした。
う~ん。不安度120%です。
VanguardのIndex fundファンドはほしいけど、後から違反だとか文句を言われても…。
Mutual Fundがだめでも、ETFならいいのでは…。
でも、ETFじゃドルコスト平均法が使えない…。
それなら、一定金額が貯まるまでの間だけ、VanguardのIndex fundをこっそり拝借して、あとはETFに乗り換えるとか…。
いろいろ思い悩んでいました。

結局は、そんな不安定な状況で、今後何十年もバイ&ホールドなんてできやしないだろう。
そう考えて、海外口座開設は見送ることにしました。
僕は悪いことをしようとしているわけではないのです。正々堂々とできない資産運用は、何十年も続けるには、ちょっと重苦し過ぎると思いました。

以上、僕が海外証券口座を使わない理由について、個人的な考えを書きました。
なお、海外証券口座については、個人個人の置かれている状況や価値観によって、ご判断が違うと思います。あくまで、いち個人投資家の参考意見ということで、お聞き流しいただければと思います。


<追伸>
・2005年11月、Ameritradeが日本人の新規口座開設を停止してしまいました。僕たち何かしましたっけ?
・本音は、英語に自信がないというのが、いちばんの理由かもしれません…(^^ゞ
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Posted by水瀬ケンイチ