国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2018年10月)。市場は大荒れでしたが乖離率はまずまず

水瀬ケンイチ

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個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。

海外資産クラスの主要銘柄の2018年10月末までの乖離率について見てみましょう。



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1680 日興 上場MSCIコク株 (信託報酬 年0.24%) 乖離率 +0.09%
1681 日興 上場MSCIエマ株 (信託報酬 年0.24%) 乖離率 +0.82%
1550 MAXIS 海外株ETF (信託報酬 年0.25%) 乖離率 +0.43%
1657 iシェアーズ・コア MSCI 先進国株 (信託報酬 年0.19%) 乖離率 +0.34%
1658 iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 (信託報酬 年0.23%) 乖離率 +0.16%

iシェアーズの2銘柄はマーケットメイク制度対象

2018年10月、国内外の株式市場は急落したり急騰したりで大荒れ状態でしたが、ウォッチ銘柄の「市場価格と基準価額の乖離」は、個人的許容範囲の±1.0%以内におさまっていました。まずまずです。

ウォッチ銘柄のなかでは、iシェアーズの2銘柄(1657、1658)が東証のマーケットメイク制度対象銘柄になっています。非対象銘柄よりも乖離率が相対的に小さくなっており、今のところいい形です。

また、今月は1680もマーケットメイク制度の非対象ながら、乖離率が小さく収まっていて良いです。

日興アセットマネジメントの1680、1681等は、たしか今年9月下旬に、従来の先物運用から現物運用に切り替えになったはず(関連記事)なので、それが功を奏したのでしょうか。このまま低乖離率を継続できるか注目です。

マーケットメイク制度は、東証がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度で、2018年7月から開始されています。

いまのところ、売買代金の増加という形で効果が出はじめているようです。いずれ「市場価格と基準価額の乖離」の縮小にも役立つはずだと期待しています。

ETFマーケットメイク制度導入後の変化(制度開始後2か月間の検証) | 東証マネ部! ETFマーケットメイク制度導入後の変化(制度開始後2か月間の検証) | 東証マネ部!


売買手数料面でも追い風です。2018年6月6日より、楽天証券が「iシェアーズETF」(15銘柄)の売買手数料を0円としたことに続き、11月1日より、「MAXISシリーズETF」(16銘柄)も売買手数料0円とすると発表をしました。買う時も売る時も、現物取引も信用取引も、1万円でも1億円でも、売買手数料が0円です。

上記のウォッチ銘柄であれば、1550、1657、1658が売買手数料0円の対象です。

<ご参考>
2018/06/01 楽天証券、東証上場のすべてのiシェアーズETFが売買手数料0円に!
2018/10/29 楽天証券、「MAXISシリーズETF」全16本の取引手数料を無料化。買いも売りもタダ!

最近はインデックスファンドの低コスト化に押され気味の国内ETFですが、日本株の個別株投資をしているかたは、インデックスファンドよりもETFの方が取引方法がなじみやすいでしょう。

投資家がいつでも安心して国内ETFを売買できるように、国内ETFの関係機関にはがんばってほしいと思います。

マーケットメイク制度の影響を含め、今後も、海外資産クラスの主要国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」に注目していきたいと思います。


<ご参考>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
2017/07/29 金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと








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Posted by水瀬ケンイチ