金融庁主催「つみたてNISA Meetup 女子部」にゲスト登壇させていただきました。活発な質疑応答をメモしたよ

水瀬ケンイチ

photo20181103.jpg

昨日、金融庁主催のイベント「つみたてNISA Meetup 女子部」にゲスト登壇させていただきました。




つみたてNISA Meetup(つみップ) : 金融庁 つみたてNISA Meetup(つみップ) : 金融庁



昨年2月の開催に引き続き、2度目の「つみたてNISA Meetup 女子部」ということで、女性限定のセミナーでした。

いつもなら、金融庁今井氏からの「つみたてNISA]の説明のあと、質疑応答タイムに入るのですが、今回はその後に、ファイナンシャルプランナー 岩城みずほ氏のプレゼン「人生100年時代 一生お金に困らないために、今からできること!」と、NPO確定拠出年金教育協会理事 大江加代氏のプレゼン「老後資産を作るiDeCoについて ~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~」がそれぞれ15分程度ありました。

その後に、恒例の質疑応答タイムに入りました。

先程のお二方のゲストに加えて、経済評論家 山崎元氏、日本経済新聞編集委員 田村正之氏、ファンド情報編集長 岡田篤氏、そして投信ブロガー 虫とり小僧さん、つらおさん、わたくし水瀬ケンイチといったゲスト陣で質問に回答していくという流れでした。

最初はおそるおそるな感じでしたが、だんだんと活発に質問が出てきました。以下、記憶を頼りに、覚えている範囲で書き出してみます。


Q.勤務先が企業型DCで、iDeCo(個人型DC)ができない。どうすればよいか?

A.iDeCoは年金制度が手厚くない方の補完的な制度であり、企業型DCが劣っているわけではない。むしろ、掛金が会社負担だったり、各種手数料が会社負担だったりと恵まれている(大江氏)


Q.つみたてNISAもiDeCoも金融機関で取扱商品が違うようなので、どこの金融機関でやればよいのかわからない

A.まず、給与振込の銀行だけは絶対に避けるべき。お金の動きを把握されているので、余計な高コスト商品を勧められるし断りづらい。基本的に銀行には良い商品がないと考えてよい。自分がネット証券社員の立場なので割り引いて聞いてもらってよいが、ネット証券がよい(山崎氏)

A.親戚に温泉旅館をたたんで得た5千万円をメガバンクに置いていた女性がいる。つみたてNISA口座を作りに窓口へ行ったところ、応接室に通されて2時間、「トルコリラ建て債券」を勧め続けられた。

彼女には以前の貿易関係の仕事で得た為替の知識があり、為替をリラ建てにしただけで儲かるわけがないと知っていたが、しつこく勧められて2時間帰してもらえなかった。仕方がないので、「わかりました。でも印鑑がないので取りに帰る」と言って(実は印鑑は持っていたが)メガバンクを脱出し、二度と行かなかった。

金融機関にはお世話になっておりあまり悪く言いたくはないが、こういう嘘のようなベタなひどい営業が、実際にメガバンクで行われているという事実を、今日は伝えたかった(岡田氏)

A.取扱商品を見るとネット証券最大手のSBI証券か、それを猛追している楽天証券のどちらかがよいだろう(虫とり小僧氏)

A.iDeCoナビというサイトをやっている。取扱商品だけでなく、金融機関を手数料でソートしたり、申し込まないと見られないサイト画面を見せてもらって初心者でもわかりやすいかどうか、質問できるコールセンターの営業日・営業時間などを比較できるのでぜひ参考に。なお、ネット証券は現状、サイト画面が経験者向けであり、初心者にわかりやすいとはいえない。そういう観点でも見てほしい(大江氏)

<ご参考>
個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~


Q.つみたてNISAの非課税期間が20年あるといっても、20年後には毎年期限をむかえて売ることになる。期限はなくならないのか?

A.勘違いしている人が多いが、20年後にはその時の時価で課税口座に払い出されるだけで、売却されるわけでも課税されるわけでもない。非課税期間の恒久化は制度の大きな変更なのですぐには…(今井氏)


Q.報道でiDeCoの受け取り開始時期が60歳から65歳に延びてしまうと聞いたが本当か?

A.それは拠出可能年齢が60歳から65歳に延びるという話であり、受け取り開始時期が延びるという話ではない。むしろ良いこと(大江氏)

A.iDeCoは管轄が金融庁ではなく、厚生労働省。一方で65歳とか70歳とかまで働けと言いながら、もう一方では60歳までしかiDeCoの掛金を拠出できない。厚生労働省は「厚生」部分と「労働」部分の制度がちぐはぐであり、修正するのに何年もかかる。そんなどうしようもない省庁は解体した方がよい(山崎氏)


Q.15本のインデックスファンドにつみたて投資しているが、知り合いに「ファンドが多すぎると複利効果がなくなる」と言われたが本当なのか?

A.15本も持っているとチェックや管理の手間はかかるが、重要なのは資産配分なので、ぜんぶ合計して日本株に何%、先進国株に何%、新興国株に何%といった資産配分が把握できていれば問題ない。また、ファンド数が多いと複利効果がなくなるということはありえない(水瀬)
(そのあと懇親会でお話したら、15本つみたては実はポイント狙いというしっかり者さんでした)


Q.iDeCoは年金なので60歳まで引き出せないというが、年金なのに障害を負ったり亡くなったりした時も引き出せないのか?

A.障害を負った時は「障害給付金」を受け取ることができる。不幸にして亡くなった時には、加入者の遺族が「死亡一時金」を受け取ることができる(大江氏)

A.障害はたしか2級以上だっけ?(今井氏)

A.そのとおり(大江氏)


Q.投資について、新聞・雑誌・本・ブログなどいろいろあるが、いったい何で学ぶのがよいのか?

A.本が体系立てて学べるのでおすすめ。ブログは日々の出来事に関する内容が多いので、まずは本を一冊読むのがよい(つらお氏)

A.金融機関の広告が入っている雑誌は、金融機関に気を使って手数料が高い商品ばかり掲載されるのでダメ(山崎氏)

A.日経新聞の「マネー&インベストメント」欄で、そこに座っている田村さんが書かれている記事はおすすめ(岩城氏)


Q.非課税制度といえば国民年金基金があると思うが、それがこのような場で取りあげられないのはどういう理由か?

A.国民年金基金は昔は利率が良かったが、現在の雀の涙のような利率では魅力的といえるかどうか。今は長期で投資して殖やすことを考えた方がよい(大江氏)

A.自営業者だけしか加入できない制度なので対象者が限られる(今井氏)


―――他にもあったように思いますが、私の頭のメモリはこれが限界。かつ、細かい言葉のニュアンスは再現できていないかもしれません。申し訳ありません。

参加者の方々の頭の中には、もっとたくさんの有意義なやり取りが記憶されていることと思います。

個人的に印象的だったのは、金融庁管轄の「つみたてNISA」と厚生労働省管轄の「iDeCo」の話を、管轄を越えて金融庁で一度に聞けたことと、5千万円をめぐる岡田氏のご親戚とメガバンクの鬼気迫るやりとりのお話でした。

そして、参加者の女性たちの目が真剣で、予想以上に詳しい方が多かったように感じました。もちろん、投資未経験者や初心者もたくさんいらっしゃいましたが、本質的でツウな質問も出ていたように思います。


その後の懇親会(有料。希望者のみ)では、参加者の方々と登壇ゲストの方々で、(金融庁の職員さんも交えて)より詳細なお話をして、盛り上がっていました。私もわかる範囲でいろいろな質問にお答えしました。

個人的にはとても盛り上がったセミナーだったなと感じましたが、金融庁としては、事前のプログラム告知ができなかった等の反省があったようです。改善できるところは改善して、次につなげていけば、さらに良いセミナーになるのではないかと思います。

最近、「つみたてNISA Meetup」は全国各地で開催されるようになっています。次回は山形、その次は熊本と続きます。

事前申し込みはありますが無料ですし(懇親会だけは有料)、金融庁主催で良心的な内容だと思いますので、お近くで開催される時には、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。





<追記> 2018/11/06
当日の様子が QUICK Money World に掲載されています。
つみップ女子部、講師2人も女性 つみたてNISAやiDeCoを解説 | 資産運用研究所 | QUICK Money World
関連記事
広告
Posted by水瀬ケンイチ