退職後は人的資本と資産運用の関係がなくなる!?

水瀬ケンイチ

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トウシルに山崎元氏の「人的資本」の記事が掲載されています。そのなかで特に「退職と人的資本」というパートが興味深かったので取り上げます。





あなた自身が大きな「資産」かも知れない。個人の株価「人的資本」について考える | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

人的資本とは?「あなたは株か?債券か?」、「人的資本とレバレッジの関係」、「退職後の人的資本」についてなど、人的資本の概念とその価値について、山崎元がわかりやすく解説しています。


ここで言われている「人的資本」とは、「将来の稼ぎ(将来受け取ることが期待される収入)を割り引き、現在価値にして合計したもの」(上記コラムより)です。

株でいえば、将来受け取ることができる配当を割り引いて、現在価値にして合計したものを株の妥当価格とするバリュー投資の「配当割引モデル」と同じような考え方のようです。バリュー投資家のかたはなじみがあるかもしれませんね。

たくさん稼げる人、安定的に稼げる人、長く稼げる人の人的資本は大きいと考えられます。(≒妥当株価が高い)

上記コラムでは、人的資本を高める方法や、人的資本を元にしてレバレッジをかける方法など、人的資本にまつわるいろいろな考察をしていておもしろいのですが、いちばん興味深かったのが、「退職と人的資本」というパートです。

収入の増減が激しい証券マンであっても、安定した大学教授であっても、現役の時にどんな職業についていようと、退職後は、「同じ資産額や同じ生活振りで、運用リスクに対する拒否度が同じであれば、退職後に持っている資産運用に関して、全く同じでいいことになる」(上記コラムより)というのです。

世間では、「個人個人のタイプによって適した運用も、運用商品やサービスも異なる(はずだ)」というイメージが強調されすぎていると、コラムは主張しています。

これが正しいとすると、退職後の資産運用のバリエーションは存外少ないのかもしれません。

退職したらみんな同じ資産運用でよいとするのもスッキリしていてよいと思います。

山崎氏がよく「ポートフォリオにまで年を取らせる必要はない」と仰っていますし、「老後はインカムゲインを」と毎月分配型投信を買い込むような必要はまったくないと思います。

ただ、自分の人生では、少しうまいぐあいに味付けをしてみたい。

そんなに難しい話ではなく、退職は計画的に行い、退職時期が近づくにしたがって、だんだんと資産配分の債券(現金)比率を大きくしていき、運用資産のリスク(ボラティリティ)の影響を抑えていき、資産が大きく減る可能性を減らしていく。

既存のターゲットイヤー型ファンドなどを使うと運用コストがかさむので、自分で行います。もともと年に1回、リバランス作業をしているので、その時にやれば追加の手間はありません。

退職後は、年金を退職後の収入のベースに、運用資産を少しずつ取り崩しながら、残りの資産は運用を継続する。

これで、特定時期の相場暴落の影響を、なくすことは不可能だとしても、できるだけ薄めていこうと考えています。

それでも、退職後の相場の運、不運を自分では選ぶことができませんので、最後は、手元のお金の範囲内でつつましく暮らしていくしかないのだろうなと覚悟はしています。

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Posted by水瀬ケンイチ