国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」(2019年1月)、日興 上場MSCIエマ株 (1681)がアウト

水瀬ケンイチ

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個人投資家の期待を集めながらも、「市場価格と基準価額の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。

海外資産クラスの主要銘柄の2019年1月末までの乖離率について見てみましょう。



海外資産クラスの主要銘柄の2019年1月末までの乖離率

1680 日興 上場MSCIコク株 (信託報酬 年0.25%) 乖離率 -0.27%
1681 日興 上場MSCIエマ株 (信託報酬 年0.25%) 乖離率 +1.14%
1550 MAXIS 海外株ETF (信託報酬 年0.25%) 乖離率 -0.08%
1657 iシェアーズ・コア MSCI 先進国株 (信託報酬 年0.19%) 乖離率 +0.46%
1658 iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 (信託報酬 年0.23%) 乖離率 +0.04%

iシェアーズの2銘柄はマーケットメイク制度対象

2019年1月、ウォッチ銘柄の「市場価格と基準価額の乖離」は、新興国株式クラスの「日興 上場MSCIエマ株」(1681)が、乖離率が個人的許容範囲の±1.0%を超えた +1.14% と乱調でした。残念です。

一方、同じ新興国株式クラスの「iシェアーズ・コア MSCI 新興国株」(1658)は、乖離率が +0.04% とほぼ乖離なしの状態であり、明確に差が出た結果となりました。

「iシェアーズ・コア MSCI 新興国株」(1658)は、マーケットメイク制度対象銘柄であり、投資家が売買する際にマーケットメイカーが板を作るので、この違いになっているのかもしれません。

マーケットメイク制度は、東証がマーケットメイカーにインセンティブを設定し、常時気配提示を義務付ける制度で、2018年7月から開始されています。

対象銘柄の流動性の向上が観察されています。「市場価格と基準価額の乖離」にもよい影響を与えるではないかと考えてウォッチしていますが、今のところよい感じです。

売買手数料面でも追い風です。2018年6月6日より、楽天証券が「iシェアーズETF」(15銘柄)の売買手数料を0円としたことに続き、2018年11月1日より、「MAXISシリーズETF」(16銘柄)も売買手数料0円とすると発表をしました。買う時も売る時も、現物取引も信用取引も、1万円でも1億円でも、売買手数料が0円です。

上記のウォッチ銘柄であれば、1550、1657、1658が売買手数料0円の対象です。

<ご参考>
2018/06/01 楽天証券、東証上場のすべてのiシェアーズETFが売買手数料0円に!
2018/10/29 楽天証券、「MAXISシリーズETF」全16本の取引手数料を無料化。買いも売りもタダ!

最近はインデックスファンドの低コスト化に押され気味の国内ETFですが、日本株の個別株投資をしているかたは、インデックスファンドよりもETFの方が取引方法がなじみやすいでしょう。

投資家がいつでも安心して国内ETFを売買できるように、国内ETFの関係機関にはがんばってほしいと思います。

マーケットメイク制度の影響を含め、今後も、海外資産クラスの主要国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」に注目していきたいと思います。


<ご参考>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事参照のこと。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る
2017/03/22 「ETF懇談会」参加レポート
2017/05/30 金融庁と個人投資家の意見交換会で感じた利害の一致
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Posted by水瀬ケンイチ