よく教科書に載っているハイリスク・ハイリターンの図解がおかしい

水瀬ケンイチ

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預貯金、債券、投信、株式のリターンとリスクを表すよくある図が、誤解を生むもとになっています。



実際に投資すれば誰でも気づくことですが、「ハイリスク=ハイリターン」ではありません。ハイリスク・ローリターンの商品もあれば、ハイリスク・マイナスリターンの商品もあります。

ローリスク・ハイリターンの商品がないのは確実なのですが、それ以外のパターンも様々にあります。これを言葉にするとなかなか伝わりにくいものです。しかも、よくあるファイナンシャル・プランナーの教科書や投信協会のパンフレット等でよく出てくる図解がそれを助長しています。



まさにそのとおりで、ついついイラスト(落書き)を書いてリプしてしまいました。



実際は、ハイリスクを取れば取るほど、ハイリターンが狙える代償として、ハイダメージをくらう確率もいっしょに上がります。イチかバチかの度合いが高まっているのだと理解してください。

ただし、一方で、その平均値(期待リターン)は、リスクを取れば取るほどプラス方向に上がっていくので、投資家は仕方なく(しぶしぶ)、自分のリスク許容度の範囲内で、リスクを取りにいくというのが実態です。

ハイリスクを取れば、必ずハイリターンが約束されているわけではありません。

(1) ローリスク・ローリターン →ある
(2) ハイリスク・ローリターン →たくさんある(むしろこればっかり)
(3) ローリスク・ハイリターン →ない
(4) ハイリスク・ハイリターン →ある

世の中の投資情報には、両端の(1) ローリスク・ローリターン、(4) ハイリスク・ハイリターンの2種類だけがよく取り上げられます。

でも実際は、その中間の(2) ハイリスク・ローリターンの商品がたくさんあります。というか、世の中の金融商品は、このハイリスク・ローリターンという救いようがないダメ商品ばかりと言っても過言ではありません。

ハイリスクとローリターンの差分はどこへ行ったのかって?

短期的には「時の運」でしょう。しかし、長期的には「金融機関が手数料として抜き取っている」、もしくは、「はなから金融機関にハイリターンを狙える実力などなく、リスクだけが投資家に押しつけられている」かのいずれかです。

また、世の中には、(3) ローリスク・ハイリターンという魅惑的な商品が、あたかも存在するかのように、投資家を誘う宣伝があふれています。

しかしながら、得意のボトムアップ・アプローチだろうが、冷静なトップダウン・アプローチだろうが、国内外の熟練の分析チームによる経営者インタビューだろうが、最新のアルゴリズムによるデータ分析だろうが、ローリスク・ハイリターンという都合がいい商品は「ない」

リターンを上げるためにはリスクを取る必要がある。それでも、必ず報われるとは限らない。長期投資というのはそういうものである。

そう割り切って、世の中の金融商品の変遷を眺めるのが、大人の投資家の姿勢であると思います。

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Posted by水瀬ケンイチ