「いらない保険」(後田亨・永田宏著)は本質的な考え方と最新の医療・介護情報とを組み合わせた新しい保険本

水瀬ケンイチ

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いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」」(後田亨・永田宏著)を読みました。

本書は、保険の本質的な考え方と最新の医療・介護情報とを組み合わせた、新しい保険本でした。



後田氏は数多くの保険本を出版しています。たとえば、「生命保険のウラ側」(書評はこちら)、「金融のプロに騙されるな」(書評はこちら)、「保険会社が知られたくない生保の話」(書評はこちら)、「生命保険の嘘」(書評はこちら)、「生命保険は「入るほど損」?!」(書評はこちら)など。

時に単著で、時に共著で、本来必要性が低くコスト高な保険と不透明な保険業界を、消費者目線で厳しく斬っています。

そのなかでも一貫しているのが、「保険は稀に起こる重大時に備えるもの」であり、加齢とともに誰にでも発生しがちな事態に保険で備えるのは損であるという主張です。

本書でもその主張は存分に発揮されているわけですが、本書では、長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授・学科長の永田氏により、最新の医療や介護の状況に、現在の保険で対応できるのかという新たな視点が加えられています。

たとえば、入院日数が短くて済む腹腔鏡・胸腔鏡手術の次に来ている「ロボット手術」は、現在の民間の医療保障の支払い対象になるのか。また、新設された医療・介護・すまいの3機能を併せ持つ「介護医療院」への入院について、現在の民間の介護保険の支払い対象になるのか。

日本人の寿命が伸び続けているなか、長ければ30~40年も契約内容が固定されてしまう「保険の陳腐化」についても、最新の情報を含めて詳細に書かれています。

まずは、世界でもとても恵まれている日本の健康保険(公的医療保険)の有用性をしっかりと知ることが重要であり、民間の医療保険、がん保険、貯蓄目的の保険を、学資保険をふくめて不要と斬る一方、「こういう場合にこの保険なら必要」というおすすめ保険商品も、具体的銘柄名とともに掲載されています。

保険は「稀に起こる重大時に備えるもの」という本質をベースに、TVCMの芸能人やセールスレディのお姉さんがどんなに不安を煽ってきても、お得そうに見える提案をしてきても、不要な保険は契約しない。

公的な健康保険を熟知し、上乗せする必要がある保険だけに絞って検討し、浮いた余剰資金は預貯金、もしくはiDeCoやNISAで賢く増やすべし。

そんな内容を、豊富なデータと事例でていねいに解説しています。

すべての保険が一切不要だというわけではなく、本書のタイトルが「保険はいらない」ではなく、「いらない保険」であることがポイントだと後田氏も言っています。公的な健康保険をベースに、最低限、最低限。

本書をおすすめしたいのは、やはり20代~30代の若い方々です。保険は、何十年も保険料を払い続けると、結果的に人生において住宅購入の次に高い買い物になるとも言われています。

社会人として働きはじめる若者には、最初に保険についての基本的な考え方と付き合い方を知ってほしいと思います。


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Posted by水瀬ケンイチ