NISAの売れ筋投信、毎月分配型からインデックスファンドへ

水瀬ケンイチ

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少額投資非課税制度(NISA)のスタートから5年、「投資信託は毎月分配型から運用コストが低い指数連動型へと人気がシフトし、長期投資の姿勢が徐々に浸透している」と日本経済新聞で報道されています。



NISA5年 投信、指数型シフト

個人投資家に「貯蓄から投資」を促す少額投資非課税制度(NISA)のスタートから5年が過ぎ、累計の買い付け額は15兆円を超えた。大手インターネット証券のNISA口座での売買を調べたところ、投資信託は毎


上記の日本経済新聞電子版によると、投信の売れ筋にインデックスファンドが増えてきたとのこと。毎月分配型のアクティブファンドは人気がなくなってきたようです。

NISA口座での販売額が大きい株・投信のランキングデータがあり、とても興味深いです。

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NISA5年 投信、指数型シフト 長期志向じわり 投資額、みずほ株1位 :日本経済新聞より)


5年前はランキングにまったく入っていなかったインデックスファンドの「ニッセイ外国株式インデックスファンド」「ニッセイ日経225インデックスファンド」が上位に入っています。アクティブファンドですが、「ひふみプラス」も人気があるようです。

いずれも分配金はほとんど出さない運用をしています。

一方で、5年前に1位だった「好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース」、3位だった「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」は、①毎月分配型&②通貨選択型&③カバードコール戦略といういわゆる「3階建て」投信で、ランキングからは姿を消しました。

当ブログでも、「3階建て」投信は、仕組みが複雑過ぎてリスク(ボラティリティ)が把握しづらく、かつ、非常に高コストであり、資産形成に向かないことは、繰り返し、繰り返し、指摘してきました。

あらためて振り返ると、基準価額を犠牲にしてまで、ひたすら高い分配金を出し続ける投信でした。ヤフーファイナンスで、この5年間の基準価額の推移を見てみます。

◆好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコースのチャート
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好配当グローバルREITプレミアムF通貨S【45313131】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンスより)

◆楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型のチャート
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楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎【9I311108】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンスより)

これでは、投資したそばから資金が、分配金でキャッシュとしてどんどん流出してしまい、少額投資非課税制度(NISA)の趣旨である資産形成に向きません。

また、投信の分配金は、分配されたあとの基準価額が元本を下回る場合、「元本払戻金」といって、そもそもふつうの課税口座であっても税金はかかりません。利益でなく、単に自分で投資した元本を払い戻しているだけですから。

元本払戻金によって基準価額が下がり続けるような投信は、わざわざNISA口座の貴重な非課税枠を使ってまで、投資する意味がありません。

NISA制度のスタートから5年が経ち、金融庁の金融機関に対する指導が浸透したのか、投資家が目を覚ましたのかわかりませんが(おそらく前者かと…)、「3階建て」投信はランキングから消えました。

2018年からは、低コストで資産形成に向いた投信のみ対象が限定された「つみたてNISA」が始まっています。毎月分配型や通貨選択型の投信は対象外となり、今後、ますますこの傾向に拍車がかかるのではないかと思います。

なお、みずほや日産の個別株をNISAで運用する方は、分散が効いていないことによるリスク(ボラティリティ)に気をつけてください。(他の課税口座でも複数銘柄に分散投資しているならよいのですが…)

消費税の増税、社会保険料の負担増という世知辛い世の中で、少額とはいえ、投資での非課税制度はありがたいことです。「NISA」や「つみたてNISA」は、当初の趣旨どおり、個人投資家の資産形成のきっかけになってほしいなと思います。

最後に、ランキング上位にあった2つのインデックスファンドの同期間のチャートを掲載しておきます。

◆ニッセイ外国株式インデックスファンドのチャート
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ニッセイ外国株式インデックスファンド【2931113C】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンスより)

◆ニッセイ日経225インデックスファンドのチャート
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ニッセイ日経225インデックスファンド【29311041】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンスより)


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任です。過去に値上がりした投信が今後も値上がりするとは限りません。
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Posted by水瀬ケンイチ