なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その5) マイナーでいい

水瀬ケンイチ

前回の記事、
2006/12/14 なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その1)
2006/12/16 なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その2) 市場の要因
2006/12/17 なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その3) 金融業界の要因
2006/12/18 なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その4) 個人投資家の要因
の続きです。今回で最後になると思います

インデックス投資=タダ乗り。

はぁ?なんですか突然?と思われたかたもいらっしゃると思いますが、インデックス投資は、しばしばこう呼ばれて非難されることがあります。
なにがどうタダ乗りなのかというと、株価というのは、アクティブ投資家が、個別企業を一生懸命に調べて、リスクとコストを背負いつつ、買ったり売ったり勝負するからこそ、適正な価格が付くのであって、それをまったく負担しないインデックス投資家は、アクティブ投資家が発見した価格にタダ乗りしているのだ!という理屈のようです。

これを「フリーライダー問題」と呼ぶそうです。

なんだかドロボー呼ばわりみたいで、若干、心外ではあるのですが、たしかに、インデックス投資家は、銘柄の取捨選択をいっさい行ないません。
アクティブ投資家から見たら、「手抜き」をしているように見えても仕方がないと思います。へへへ…(^^ゞ

更に、インデックス投資には、困った問題があります。
インデックス投資家は、インデックスに含まれるすべての企業を買います。しかし、その中には、良い企業だけでなく、ダメ企業や悪徳企業も含まれています。
本来、こうしたダメ企業や悪徳企業は、投資家の厳しい選別に遭い(場合によってはカラ売りを喰らって)、株価は奈落の底まで落ちていき、最終的には市場から退出いただくべきなのですが、インデックス投資家は、それらをも「買い支えてしまう」ことになります。
アクティブ投資家から見たら、「そんな企業に投資すんな!」と言いたくなっても仕方がないと思います。へへへ…(^^ゞ

へへへで済めばいいのですが、これはインデックス投資家自身にとっても、由々しき問題です。
前述のとおり、「現代ポートフォリオ理論」によると、インデックス投資が効率的であるためには、市場そのものが効率的でなければいけないことになっています(効率的市場仮説)。
それなのに、インデックス投資家がインデックス投資すればするほど、市場が非効率になっていくのです。なんたる自己矛盾。

これを、「効率市場のパラドックス」と呼ぶそうです。

以上のことから、宿命的に導かれる結論はこうです。


「インデックス投資はマイナーであるほうがいい」

したがって、もし、「本物のインデックス投資家」という人がいたとしたら、彼は声を殺しているはずです。そして、市場で金融業界・投資家・上場企業が、四苦八苦しながら切磋琢磨するのを見て、静かにほくそ笑んでいると思います。
まかり間違っても、「インデックス投資は良い投資法だよ」などと、人に自慢したり、おすすめしたりはしないのではないでしょうか。

そりゃあ、インデックス投資もマイナーになってしまうでしょう。

※僕はおしゃべりなので、こうしてブログでインデックス投資についてペラペラしゃべりますが。(^^ゞ

前回の記事まで、いくつかの記事にわたり、機関投資家の間ではメジャーなインデックス投資が、個人投資家の間でだけ、“超”マイナーな理由を自分なり考え、これが大きいんじゃないかなと思われる要因を、(1)市場、(2)金融業界、(3)個人投資家、の3つの面から整理してきました。
最後の大きな大きな要因として、(4)インデックス投資の宿命、を追加します。
そして、「インデックス投資はマイナーでいい」と気持ちよく開き直ったところで、このシリーズ記事を終わりにしたいと思います。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

(終わり)


<追記>2006/12/29
皆さまからいただいたコメント、トラックバックなどの議論を踏まえて、以下に記事の続きを書きました。よろしければご覧ください。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-376.html
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Posted by水瀬ケンイチ