流行りのAI投信はどうでしたか?ええ、案の定ダメでした。

水瀬ケンイチ

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人工知能(AI)を投資判断に活用し、有望銘柄を探そうとする投資信託が増えてきましたが、1年目の成績はダメだったようです。



AI投信、成績ふるわず: 日本経済新聞

人工知能(AI)を投資判断に活用し、有望銘柄を探そうとする投資信託が増えてきた。高収益を期待した個人投資家の資金を集めたが、足元の成績はいまひとつだ。なぜなのか。


なぜなのか? などとさも意外そうな書き出しで日本経済新聞の記事は始まりますが、今までのテーマ型アクティブファンドとなんら変わらない、いつもの結末を辿っているだけだなあというのが個人的な感想です。

ところがAIにも弱点があったようだ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は「過去のデータを基に投資判断するAIが、過去にない性質の相場環境の大きな変化にうまく対応できなかったのではないか」とみる。


相場には上がるか下がるかの2種類しかありません。昨年2018年は、いまだかつて人類が経験したことのないような特殊な相場環境だったという記憶はまったくありませんが、「過去にない性質の相場環境変化」とはいったい何のことでしょうか。

日経新聞に投信の解説でやたら登場してくる著名FPも、今に始まったことではありませんが、過去、何十本、何百本というアクティブファンドを、新聞・マネー誌等で大々的にPRする仕事を長年続けてきて、今さら、テーマ型投信のいつもどおりの成績不振を、良くもまあそんなふわっとした平凡な説明でまとめられると半ば呆れます。

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AI投信、成績ふるわず: 日本経済新聞より)

上記図表によると、米国株式クラスのAI投信は、インデックス(S&P500)はプラスなのにマイナス圏に沈み歯が立たず、先進国株式クラスのAI投信も、インデックス(MSCIコクサイ)はプラスなのにマイナス圏に沈み歯が立たず、日本株式クラスのAI投信だけが、インデックス(TOPIX)と同等程度にマイナスというなんとも寂しい運用実績となっています。

たくさんの種類があるアクティブファンドですが、度を越してダメなファンドをできるだけ避けるシンプルな原則、

  1. 新規設定のアクティブファンドに投資しない(運用が未知数)
  2. 信託報酬が年率1.0%以上のアクティブファンドに投資しない(コストは確実にリターンを押し下げる)

上記2点を知っているだけで、度を越してダメな商品をつかまされることは大幅に減ると思います。上記著名FPも知らないわけではないはずですが、それを言ってしまったら、なんとかして高コスト投信を売りたい金融機関からの仕事がなくなってしまうのでしょう。

いろいろな仕事上の立場があるのでしょうが、私たち個人投資家は、そんな業界の事情など知ったことではありません。

自分はできるだけ合理的な選択をできるよう、シンプルで強力な原則を愚直に守り、きらびやかに見えるテーマ型新商品は、堂々と見送ってしまうのが良いと私は思います。

どうしてもアクティブファンドに投資したい、インデックスを上回る実績に夢を持ちたいということであれば、上記の原則をクリアした対象商品の中から、各投資家が重視するプラスアルファの条件(例えば、投資哲学、積極的な情報発信、全国の投資家とのコミュニケーション、ESG投資への取り組みなど)を加味して選ぶことになります。

それでインデックスを上回れるのか確実なエビデンスはありませんが、投資家がアクティブファンドに投資してみたいという思いが、踏みにじられる可能性は幾分でも回避できるような気がします。

私は一部の個人投資家から「ガチガチのインデックス投資原理主義」と思われているようですが、昔は個別株投資で投資をはじめ、以前は、いくつかのアクティブファンドも保有していました。だからこそわかるのですが、実態はこうでした。

自分が信じたアクティブファンドが、ベンチマークのインデックスに負けるだけならまだしも、運用会社都合で繰上償還されたり、ファンド・マネージャーが知らない間に人事異動で変わっていたり、そもそも運用設計がガラッと様変わりしてしまったり、誰の希望か知りませんが一挙に大量の分配金を勝手に放出したり、ガッカリさせられ続けてきました。

上記2つのシンプルな原則を満たすおもしろそうなアクティブファンドがあれば、再びマイポートフォリオに少額でも組み込んでみたいという思いはずっとあります。

しかし、おめがねにかなう商品は、ここ数年間でひとつもありませんでした。これからも探し続けますが、発見できることを期待しないで待っています。

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Posted by水瀬ケンイチ