「不適切投信」という悲しきパワーワード

水瀬ケンイチ

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ゆうちょ銀行が70歳以上の高齢者に販売する投資信託で、不適切な契約が約1万9千件に上ることがわかったとの報道です。



ゆうちょ、不適切投信1.9万件 高齢者に販売、社内規定違反 | 共同通信

ゆうちょ銀行が70歳以上の高齢者に販売する投資信託で、健康状態や商品の理解度を確認する社内規定に違反...


具体的には、70歳以上の高齢者に販売する投資信託で、健康状態や商品の理解度を確認する社内規定に違反しているとのこと。

銀行での高齢者に対するアコギな投信販売は、もう何年も前から(悪い意味で)話題になっていました。

2016/06/04 これはひどい。高齢者に群がる業者「合法的詐欺」の手口
2014/06/12 「経済的な合理性はなく、それをしないと経営が成り立たない販売会社には社会的な存在意義がない」(金融庁幹部)
2012/09/26 投信販売をめぐるトラブル過去最大。狙われる高齢者はどうすればよいか?

最近は、高齢者に対する投信の回転売買による販売手数料稼ぎや、分配金だけをより大きく見せるための毎月分配型×通貨選択型×カバードコール戦略といった「3階建て」「4階建て」投信のような複雑かつ高コストな投信販売は、金融庁の指導もあって、各金融機関は自粛して鳴りを潜めていました。

そんななかで、ゆうちょ銀行による高齢者に対する健康状態や商品の理解度を確認しない投信の不適切な販売。

顧客が自らの意思でハイリスクな商品にお金をつぎ込んだのであれば、たとえ損したとしても自業自得という面もあるかもしれません。

しかし、販売員が高齢者に健康状態や商品の理解度を確認しないで高コストな投信を売りつけたというのなら、その営業行為は許されるものではありません。

上記の共同通信の記事タイトルに、「不適切投信」という言葉が踊っていました。投信の不適切な販売方法のことを指しているのだと思います。(販売方法だけでなく、商品ラインナップも高コストなものが多く適切とは言い難いですが)

ここ数年のゆうちょ銀行の不適切な投信販売を表した、悲しくもキャッチーな「パワーワード」だと思いました。

ゆうちょ銀行さまにおかれましては、まるで発展途上国の焼畑農業のような永続性のない手数料稼ぎはもうやめてはいかがでしょうか。このままでは、稼いだ手数料の分だけ、国民の郵便局への信頼が失われていきます。

まじめに仕事をしている社員さんも多くいるはずです。投信販売に関わる社員全員が不適切投信販売をしているわけではないと思いたい。

どうか、組織として自ら襟を正して、「不適切投信」という不名誉なパワーワードとは決別してください。

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Posted by水瀬ケンイチ