株価乱高下のなか、バンガードさんから長期投資家に向けたナイスアシスト! 衝動的な売買にご注意あれ
水瀬ケンイチ
今週は世界中で株価が乱高下しました。市場が急に大暴れしだしたので、びっくりした方々もいらっしゃると思います。
なんでも、世界中で新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、NYダウが1987年の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」以来の大暴落となるなど、5日続けて1000ドルを超えて乱高下したそうです。
たいへんな大騒ぎの状況のなか、バンガード・インベストメンツ・ジャパンさんが、良い情報を発信されていました。
資産の市場価値が20%以上下落すれば、誰でも自信が揺らぐものです。しかし、衝動的に損失を避けたり、利益を得ようとポートフォリオを入れ替えたりすることは、長期的な運用実績を低下させる可能性があります。市場が不確実な局面でも、運用方針を見失わないことが大切です。https://t.co/oErvvMHOMV
— バンガード・インベストメンツ・ジャパン (@vanguardjapan) March 10, 2020
上記バンガードのコラムでは、ざっくりまとめると以下の内容がていねいに説明されています。
これは本当にそのとおりで、下げ相場でも上げ相場でも、衝動的に売買すると将来的なリターンを低下させると思います。株価が乱高下するなか、バンガードさんから長期投資家に向けたナイスアシスト!
私もできるだけいつもどおりの行動を心がけています。いつもどおり、毎月1回の積み立て投資を続けているだけですけど。
もちろん、この下げ相場で私の保有資産も大きなダメージを受けています。でも、それはあらかじめ見積もっていた自分のリスク許容度の範囲内なので、何か大騒ぎをするというほどのことではありません。
人々の欲望をエンジンにした資本主義経済は粘り強く、きっとこの困難も乗り越えていくでしょう。その仕組みが変わっていない以上、株式市場は騰落をくり返しながら、長期で均せば年率数%のリターンが期待できるだろうという考えも変わりません。
下げ相場では、「大暴落だ!!全売却で逃げよう!!」という衝動も、「一発逆転の大チャンス!!全財産一括で買い増しだ!!」という衝動も、そのまま付き従うと大変なことになりかねません。
行動経済学のプロスペクト理論が示すように、人は本能のまま売買すると、「利小損大」になるバイアスを持っています。バイアスは人類なら誰もが共通的に持っている「心の癖」なので、各人が意識的に気をつけていくしかありません。
バンガード創始者ジョン・ボーグル氏の言葉でいえば、「直感こそが敵であり、理性こそが友である」です。
長期投資では感情を抑えて、できるだけ理性的に。
最後に、上記コラムから、とても良い図表を引用させていただきます。
コラムでは「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」ということを示す図表として取り上げられています。たしかにそのとおりだと思います。
私は別の見方もできると思いました。
このデータを見ると、本格的な下げ相場は1~2週間では終わらず、数か月~数十か月続いていることを示しています。(※逆に上げ相場も同様に続いている)
だから、長期投資家は、毎日朝から晩まで相場の上げ下げをツイッターで実況したり、見たりしていたら、心身がもたないですよということです。
長期投資家が歩く道のりはまだまだ長い。あわてないで、のんびりいきましょうや。
- 弱気相場は困難なものだが、強気相場も逃したくない
市場を長期的視点で見ると、細かい変動は隠れて見えなくなりますが、詳しく調べると、世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある。 - 株式の弱気相場はよくあること
弱気相場は頻繁に起こる。1980年以降、米国では7回、英国では5回の弱気相場があった。 - ノイズに左右されない
2000年から2018年にかけて、S&P500は年率4.86%のリターンを実現。しかし同期間中で最もリターンの高かった10日間を除くと、わずか年率1.10%。 - 逆風に直面しても方向性と規律を失わない
粘り強く世界の株式と優良債券に幅広く投資を続け、定期的にリバランスすること。
これは本当にそのとおりで、下げ相場でも上げ相場でも、衝動的に売買すると将来的なリターンを低下させると思います。株価が乱高下するなか、バンガードさんから長期投資家に向けたナイスアシスト!
私もできるだけいつもどおりの行動を心がけています。いつもどおり、毎月1回の積み立て投資を続けているだけですけど。
もちろん、この下げ相場で私の保有資産も大きなダメージを受けています。でも、それはあらかじめ見積もっていた自分のリスク許容度の範囲内なので、何か大騒ぎをするというほどのことではありません。
人々の欲望をエンジンにした資本主義経済は粘り強く、きっとこの困難も乗り越えていくでしょう。その仕組みが変わっていない以上、株式市場は騰落をくり返しながら、長期で均せば年率数%のリターンが期待できるだろうという考えも変わりません。
下げ相場では、「大暴落だ!!全売却で逃げよう!!」という衝動も、「一発逆転の大チャンス!!全財産一括で買い増しだ!!」という衝動も、そのまま付き従うと大変なことになりかねません。
「投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすい」
(プロスペクト理論|証券用語解説集|野村證券より)
行動経済学のプロスペクト理論が示すように、人は本能のまま売買すると、「利小損大」になるバイアスを持っています。バイアスは人類なら誰もが共通的に持っている「心の癖」なので、各人が意識的に気をつけていくしかありません。
バンガード創始者ジョン・ボーグル氏の言葉でいえば、「直感こそが敵であり、理性こそが友である」です。
長期投資では感情を抑えて、できるだけ理性的に。
最後に、上記コラムから、とても良い図表を引用させていただきます。
コラムでは「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」ということを示す図表として取り上げられています。たしかにそのとおりだと思います。
私は別の見方もできると思いました。
このデータを見ると、本格的な下げ相場は1~2週間では終わらず、数か月~数十か月続いていることを示しています。(※逆に上げ相場も同様に続いている)
だから、長期投資家は、毎日朝から晩まで相場の上げ下げをツイッターで実況したり、見たりしていたら、心身がもたないですよということです。
長期投資家が歩く道のりはまだまだ長い。あわてないで、のんびりいきましょうや。
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