アクティブ運用とパッシブ運用のパフォーマンス比較の貴重なデータ(2019年版)

水瀬ケンイチ

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本日の日経電子版に、アクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較に関する貴重なデータが掲載されています。



「市場に勝つ」はずの投信 7割強が負けるのはなぜ?

■ハナ(29) 入社7年目、メーカー勤務。資産形成に興味がある。話が難しくなると、眠る癖がある。■岡根(32) パーソナルファイナンス(個人向けの資産形成論)を教える大学講師。ハナのサークルの先輩。ハ


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、趣旨を無理やりまとめると、アクティブファンドは分厚いコストが毎年積み重なる結果、長期になるほどインデックスに負けやすいという内容。最新のデータとともに解説しています。

記事ではグラフで「5年間の成績が平均に負けたアクティブ型投信の比率」を国別に見せており、日本、米国、欧州、ブラジル、南アフリカ、インドで、それぞれ6割~8割のアクティブ型投信がインデックスに負けています。



グラフには数値が出ていないので、出所のS&P ダウ・ジョーンズ・インディシーズの「SPIVAレポート」を調べて補足しました。ついでに、グラフにはなかった国々もぜんぶ載せておきます。以下のとおり。

5年間の成績が平均に負けたアクティブ型投信の比率

国名 平均に負けた比率
米国 80.60%
カナダ 88.00%
メキシコ 88.37%
ブラジル 83.50%
チリ 97.67%
欧州 77.54%
南アフリカ 61.01%
インド 82.29%
日本 69.90%
オーストラリア 80.79%

SPIVA® STATISTICS & REPORTS 2019 より梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー作成)


ご覧のとおり、アクティブファンドは6割~9割がインデックスに負けています。

他にも、記事では、インデックスに大きく勝つアクティブファンドもあるじゃないか、ウォーレン・バフェット氏は長期で勝ち続けているじゃないか、といったよくある反論についても、イボットソンのデータで反証しています。

ここではグラフは取り上げませんが、前半10年で成績が良かったアクティブファンドと、後半10年で成績が良かったアクティブファンドに相関が見られず、「過去に好成績だった投信が将来も好成績とは限らない」というデータになっていました。

記事の最後には、アクティブファンドの運用者がインデックスに大負けするのを避けるため、意図的に時価総額の大きな銘柄を組み込む「なんちゃってアクティブ」について、高いコストの分だけインデックスに負けやすいと警鐘を鳴らしています。

結論的には、インデックス投資に関する書籍等の情報ではよく知られている内容ですが、日経新聞のこの連載記事では、古典的名著で説明に使われているようなグラフを最新のデータで再検証してくれているので、価値が高いと思います。

ぜひ読んでみてください。有料記事ですが、無料の会員登録をしておけば月10本までは無料で読めます。

最新の「SPIVAレポート」をチェックするきっかけにもなりました。

SPIVAレポートは閲覧無料で、毎年更新されています。アクティブファンドの運用成績の全体像にご興味がある方は、今後もチェックしてみるとおもしろいかもしれません。

たとえば、チリのアクティブファンドの勝率の極端な悪さは毎年恒例で、過去には負けた比率が「100%」だったこともありました(該当記事)。

どうしてそうなるのだろう? 負けた比率が比較的低い国とは何が違うのだろう? では日本は? などと思考をめぐらせてみるとおもしろいです。

まとめ。直近2019年の調査でも、アクティブファンドの6~8割はインデックスに負けるという貴重なデータでした。


<趣旨から外れるけど言っておきたい追記>
今後またリーマン・ショック級の暴落が来れば、インデックスファンドもアクティブファンドも、仲良く暴落します。投資は自分のリスク許容度の範囲内で。←超・重要!


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Posted by水瀬ケンイチ