これからiDeCoやつみたてNISAをスタートする方への山俊さんの投資アドバイスを勝手に補足してみた

水瀬ケンイチ

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トウシルに、コロナショックを機にiDeCoやつみたてNISAをスタートしようとしている方へ向けて、山崎俊輔氏(以下、山俊さん)の投資アドバイスが掲載されています。



「あえて今!」の投資アドバイス~iDeCoやつみたてNISAをスタートするあなたへ | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 3~4月のマーケットは大変なことになりました。もちろん新型コロナウイルスの影響による株価の騰落です。トランプ米大統領が就任後、「4年かけて上昇した株価が全て吸収されてしまった」と言われると、そのインパクトの大きさが分かろうというものです…


詳しくは上記コラムをご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、「もっと下がったとき積み立て投資をやめないように」ということです。

積み立て投資をやめないというアドバイスはよくあります。定番の投資記事だといってもいいでしょう。

でも、何故、積み立て投資をやめないのが良いのか?という理由は、著者によってけっこう異なります。それどころか、理由を書かずに、とにかく積み立てをやめないと連呼するだけのFPやライターもいます。

山俊さんはどのように理由を説明しているのでしょうか。以下の3点だと読み取れます。

(1) 最高の投資タイミング、投資対象は誰にも分からない
(2) 「長い目で見たら」経済は成長するという一点を信じて投資をする
(3) 積み立て投資は「下がって、上がる」時期を一度経過すると大きなリターンを生む

(1)は、投資タイミングを図って売買するタイミング投資の難しさを言っているのだと思います。コラムでは「私たちは神ではないから」というわかりやすい理由を述べられています。

インデックス投資を長く続けている投資家であれば、いわゆる「稲妻が輝く瞬間」の話をしたくなるかもしれません。「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)で出てくる有名なフレーズです。過去72年間のうち、ベストの5日を逃すと利益は半減してしまうから、という説明ができると思います。

他には、先日のブログ記事、「コロナ相場環境下のインデックス投資家の「誤解」を一発で解く考え方」で私が書かせていただいたように、市場は短期的には「ランダム」だから、という説明もできようかと思います。

(2)は、期待リターンはプラスであることを言っているのだと思います。コラムではその理由までは書かれていません。

前述の先日のブログ記事では、「株式市場全体の期待リターンがプラスの理由は、資本主義経済の成長のおこぼれだと私は考えています。山崎元氏はリスク負担の対価であるリスクプレミアムだとよく説明されていますね」と書かせていただきました。

拙著「お金は寝かせて増やしなさい」では、資本主義経済は、人間の「豊かになりたい」という無尽蔵の欲望をエンジンにして拡大再生産される仕組みだから、今までだけでなくこれからも成長が期待できると書きました。

簡単なことのようで、意外とぼやかされていて、しっかりと説明している本やコラムはなかなかないというポイントだと思います。

(3)は、積み立て投資の特性のことを言っているのだと思います。「下がって、上がる」を経過するとあなたの運用利回りを高めると説明しています。

積み立て投資では、下げ相場がある程度続くことにより、安く仕込める期間がある方が、あとでリターンが伸びるという特性があります。逆に言えば、積み立て投資は、右肩上がりの相場には向いていないということでもあります。

積み立て投資の得意な相場の形と苦手な形について、過去にブログ記事「売りたくなったら見るグラフ『パターンBEST』」という記事で取り上げたことがあります。

ずーーーーっと下落し続けて元本割れ状態が続き、最後の最後で一気に急上昇すると、ずっとプラス圏で右肩上がりした場合よりも、更にもっと資産は増えます。これがベストパターンです。

まあ現実には、市場は騰落をくりかえしながら少しずつ上昇していくものなので、なかなかパターンBESTにはならないのですが、少なくとも、下げ相場で積み立て投資をやめてしまうのは悪手だということはわかると思います。

以上、山俊さんのコラムをネタに、勝手に補足を試みてしまいましたが、これからiDeCoやつみたてNISAをスタートする方はもっと下がったとき積み立て投資をやめないように、という山俊さんの投資アドバイスには大賛成です。

もちろん、既に積み立て投資をはじめている方にとっても、同じことが言えると思います。私自身も今まで同様、これからも積み立て投資を継続します。

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Posted by水瀬ケンイチ