投信販売会社や運用会社の「中の人」が投信保有を開示、ちょっと安心でありがたや

水瀬ケンイチ

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投資信託の販売会社や運用会社の間で「中の人」が資産状況を開示する動きが出てきているとのこと。





「中の人」が公開、わたしの資産-新入社員コロナに負けず積立、CEOも実績開示| モーニングスター


モーニングスターの上記記事によると、tsumiki証券は初心者だった社員のかたが同社取扱商品を積み立てている保有資産状況をブログに掲載しています。

実際に確認した元情報はこちら。


tsumikiの中の人はこんなふうにつみたてしてます(20年6月編) - tsumiki blog


等身大のリアル情報という感じで、親しみがもてますね。

また、三菱UFJ国際投信は、インデックスファンドシリーズを用いた投資状況を開示する「eMAXIS Slimでつみたて リアルお財布大公開!」というコンテンツで、性別・年代・独身・既婚など様々なケースで社員さんの保有資産状況を掲載しています。

実際に確認した元情報はこちら。


eMAXIS Slim(イーマクシススリム)でつみたて リアルお財布大公開!


なるほど。動きがある楽しいコンテンツで、保有資産情報の更新というよりも、社員さんたちが投資を始めたきっかけやふだんのお金のやりくりはどうしているかといった、「人」の部分にフォーカスしているようです。

農林中金バリューインベストメンツは、運用するファンドの月次運用報告書で、投資責任者(CIO)である奥野一成氏が自身で保有するファンドの口数推移を開示しています。

実際に確認した元情報はこちら。
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農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル 運用レポート 2020/06/15より)

CIOさんの同社ファンドの保有口数に加えて、平均取得価額と累積リターンまで掲載されており、運用と開示にかける「気合」を感じます。

そもそも、金融商品というものは、世の中にあまたある製品・サービスとちょっと違って特殊です。

ほかの事業、たとえば自動車メーカーやレストラン等のように、製品・サービスを提供してその対価として利用者はお金を払うといった、製品・サービスとお金の「価値の変換」がありません。

金融商品は、金融機関がお金を増やす対価として利用者はお金を払うという形になり、同じお金をめぐり真っ向から対立する構造になってしまいがちです。

そこで、一部の金融機関は、投資家の損益に関係なく一方的に稼げる販売手数料(購入時手数料)で儲けるのではなく、投資家の運用損益に連動して利益が変わる信託報酬(運用管理費用)で儲ける方向に、舵を切り出しています。

(長らく日本の投信業界の悪しき伝統だった販売手数料稼ぎ目的の「回転売買」の横行を見かねた金融庁の厳しい指導もあって、ではあるようですが)

これだと、投資家の資産が増えれば金融機関の利益も増え、逆に投資家の資産が減れば金融機関の利益も減るという「同じ方向」を向く形になり、対立構造がいくぶん緩和されます。

さらに、上記のように、金融機関の「中の人」が自社商品を保有して資産状況を開示することは、投資家にとって「ぼったくられないだろう」「変なことはしないだろう」という安心材料のひとつになり得ると思います。

金融機関が金融商品を使って妙な手数料稼ぎに走ると、その分、自社の社員も損をしてしまうからです。

投資家にとって、ちょっと安心でありがたい取り組み。

社員さんのプライバシーとの兼ね合いでなかなか難しい面もあろうかと思いますが、できることなら、長く継続していただきたいと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ