「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」「インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券」の信託報酬引き下げ

水瀬ケンイチ

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日興アセットマネジメントは、「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」「インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券」の信託報酬を、2020年10月1日より引き下げます。



日興アセットマネジメント
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 交付目論見書(2020年8月19日)
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券 交付目論見書(2020年8月19日)

気になる信託報酬引き下げの概要は以下のとおり。

◆インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式
 信託報酬 年0.55%(税抜) → 0.34%(税抜)

◆インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券
 信託報酬 年0.52%(税抜) → 0.34%(税抜)

日興アセットマネジメンのこのインデックスファンドは、以前は「年金積立シリーズ」として、特に新興国株式クラスでは存在感がありました。

昔、個人投資家がかんたんに投資できる新興国株式インデックスファンドが、存在すらしていなかった時代がありました。

当時、新興国に投資しようとすると、販売手数料が3%かかり信託報酬が2%以上のアクティブファンド(しかも中国、ブラジル、ロシアなどなぜか単一国に投資するものばかり)しかなく、新興国へのインデックス投資ができませんでした。

しかし、2008年になって、ついに「年金積立 インデックスファンド海外新興国株式」が登場して、個人投資家の新興国株式へのインデックス投資が容易になったのです。

<当時のブログ記事>
2008/04/28 ついにエマージング市場のインデックスファンドが登場? - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

2012年には、純資産額の拡大に伴い、なんと信託報酬引き下げを敢行してくれました。これにより、低コストで新興国株式にインデックス投資できるようになりました。

<当時のブログ記事>
2012/02/16 「年金積立 インデックスファンド海外新興国株式」が信託報酬値下げ!クラス最安値の年率0.5775%へ (追記あり) - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

その後、2015年のニッセイアセットマネジメント(購入換金手数料なしシリーズ)や三菱UFJ国際投信(eMAXIS Slimシリーズ)などによる「投信コスト革命」(日経新聞より)が起こり、新興国株式を含めたインデックスファンド全体の信託報酬水準がさらに低下していくことになります。この時、日興アセットマネジメントはこのコスト競争からは一歩引いて静観を決め込んでいました。

いつしかファンド名から「年金積立」の名前は消え、相対的に高コスト組になってしまい、インデックス投資家のなかで存在感も消えかかっていたように思います。

今回の信託報酬引き下げによって、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」「<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の信託報酬最安値クラスまではいかないものの、2番手グループにつけることになります。

(2番手グループは、同じ信託報酬で「たわらノーロード 新興国株式」「Smart-i 新興国株式インデックス」「三井住友・DC新興国株式インデックスファンド」などと並びます)

なにより、競合他社への対抗で、低コストなファンドを新規設定するのではなく、既存のファンドの信託報酬を引き下げたところが素晴らしい。

昔から投資してきた既存顧客を誰ひとり見捨てずに、全員を良い位置まで引っ張り上げたことを高く評価したいと思います。

新興国株式クラスは、低コストファンドが必ずしも実績上位にならないことがある難しい資産クラスです。特に、先物運用をしているといくら信託報酬が低くても、現物運用のファンドにリターンで劣後してしまうケースが観測されています。

今後の「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」「インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券」の運用を定期チェックすることが楽しみです。

日興アセットマネジメントさん、グッジョブ!👍


【新興国株式】低コストインデックスファンド徹底比較(20年6月末) 「雪だるま(新興国株式)」が高評価

「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、新興国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2020年6月末で比較しました。※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。それではどうぞ。...

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Posted by水瀬ケンイチ