ポートフォリオの期待リターンとリスクを数値で把握する

お正月に、僕のポートフォリオについて記事に書きました。
(参考記事)2007年1月現在のアセットアロケーションと構成商品 (その1)(その2)

先日、タロットさんから、エクセルの「効率フロンティア計算シート」をいただいたので、数値を入力して計算してみたところ、ポートフォリオの期待リターンとリスク(標準偏差)をきれいに図解できたので、掲載させていただきます。(赤いひし形がマイポートフォリオ)

効率フロンティア計算シート

ただし、このデータは、ポートフォリオの各資産クラスすべてが、インデックス商品だった場合のデータなので、一部アクティブファンドを組み入れている僕のポートフォリオとは、厳密に言えば若干違います。期待リターンもリスクも若干上であるはずですが、そこまではこだわりません。
(余談ですが、意外にも効率フロンティアの曲線上だったので、自分でも驚いております…)

さて、本題ですが、自分のポートフォリオの期待リターンとリスクを「数値」で把握するということは、とても大切であると思うのです。

特に、リスクを数値で把握することは、「暴落時に最大何円損する可能性がどれくらいあるか?」が分かり、長期投資をする上での心構えに、とても役に立ちます。

僕の場合、上記のデータでは、ポートフォリオの期待リターンは6.28%、リスク(標準偏差)は15.38%です。
標準偏差の2倍をみておけば、起こりうる可能性の95.4%をカバーでき、投資結果の範囲としては大体OKだろうということになっているそうです。
期待リターン6.28%-(標準偏差15.38%×2)=-24.48%…最大損失
ということは、起こりうる“超”最悪のケースでも、1年でマイナス24.48%で収まるということになります。
100万円投資していれば、1年で最悪マイナス25万円くらい、1000万円投資していれば、1年で最悪マイナス約245万円くらい。
もちろん、大金と言えば大金ですが、これくらいの最大損失を覚悟してさえいれば、あとは安心してぐっすり眠れるというわけです。

逆に、起こりうる“超”最高のケースについても、心構えができます。
期待リターン6.28%+(標準偏差15.38%×2)=37.04%…最大利益
1年でプラス37.04%以内ということにもなります。
100万円投資していれば、1年で最高プラス37万円くらい、1000万円投資していれば、1年で最高プラス370万円くらい。
儲かりすぎてこわいと感じたり、浮かれすぎたりしないよう、心構えができます。

そして、標準的には、期待リターンが6.28%ですから、100万円投資していれば、1年でプラス6万円くらい、1000万円投資していれば、1年でプラス63万円くらいの利益があるだろうという感じです。

このように、ポートフォリオの期待リターンとリスクを「数値」で把握するということは、バイ&ホールドを長期的に継続する上での、心構えをつくるのに、とても役に立つと思います。
まあ、そうは言っても、投資の世界は半分はギャンブルみたいなもので、必ずしも理論どおりにはいかないという部分もあると思います。
理論に溺れて、数字遊びをしているだけと笑う人もいるでしょう。

しかしながら、いざ、下落相場を迎えて、日々、資産が減っていく中に身を置いてみると、誰だって、精神的に動揺するはずです。
体験したことがある人しか分からないと思いますが、あの「底なし沼にどこまでも引き込まれていく」ような感覚は、相当キツいものがあります。

そこで、「このまま下落しても最悪ここまでだろう」というような「心の支え」があるのとないのとでは、精神的な安定度が違うと思うのです。
期待リターンとリスクを「数値」で把握するということ。決してバカにできません。

(おまけ)
ところで、各資産クラスの期待リターン、リスク(標準偏差)は、計算の前提となるデータの取得期間などにより、かなり変わってきます。
僕は、「内藤忍の資産設計塾 実践編」(内藤忍著)のデータを利用しています。
これは、投資データにおいて世界的な信頼と評価を集めているイボットソン・アソシエイツのデータを使っており、僕が知りうる限り最も長期間のデータが揃っています。僕は、計算の前提となるデータは、可能な限り長期間である方が良いという考えで、これを採用しています。

タロットさんから計算シートをいただいた時に、同じ上記内藤本のデータを使っていたので、ラッキ~♪と思わず小躍りしてしまいました(笑)。ありがとうございました!
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コメント

便利ですね

初めまして。いつも勉強させていただいております。

ところで、タロットさんのエクセルの「効率フロンティア計算シート」、(もしタロットさんがよければ)ブログで公開していただけないでしょうか。効率フロンティアはいつも、計算しないといけないなあ、とは思ってるのですが、なかなか難しくて、なんとなくこの辺かなあ、みたいな感じですませていますので。

よろしくお願いします。

うーーん、タロットさんのEXCELフォーマット、すごいですね。脱帽。2σ(標準偏差×2)分の投資用キャッシュストックは必ず確保。暴落時は資金投入(リバランスなど)。これが原則だと思うんですが、現実、難しいですよね。「資産運用とは精神修養なり!」ですね。

拙作のExcelシートですが、ご要望もありましたので、とりあえず期間限定で僕のブログでダウンロードできるようにしました。
(URL欄をクリックしてください。)

個人的には、「特定の条件下で効率フロンティア上に存在する」アロケーションよりも「どのような条件下でも上位25%に入る」アロケーションというのを目指しており、それを試行錯誤するためにこのExcelシートを利用しています。
(以前Nightwalkerさんのブログにも同様の趣旨のコメントさせて頂きました)


期待リターンとリスクを数値で把握することにより、相場変動時の心構えができるという水瀬さんのご主張、まさにその通りだと思います。水瀬さんのブログの「売らずに我慢するテクニック」に通じますね(^^)

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

水瀬さん
 すみません、ブログコメント欄をお借りいたします。

タロットさん
>以前Nightwalkerさんのブログにも同様の趣旨のコメントさせて頂きました
 ブログで公開いただき、どうもありがとうございます(感涙)!
 あの時のコメントのExcelフォーマットがこれだったんですね!!すごいです。その節は、アドバイスどうもありがとうございました。(タロットさんのコメントは、下記で読めます。ご参考までに。)

http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/01/post_6d3d.html#comments

タロットさん、期間限定ながら公開有難うございます。私も使って計算させていただきました。

タロットさん、公開ありがとうございます。
早速ダウンロードさせていただきました。
自分のアセットアロケーションで試してみたところ、水瀬さんのグラフとほとんど同じになりました。外貨比率が8割以上と高いのが共通していたからでしょうか。

とっても、興味深かったのが、最適解はどれも、国内債券の比率が結構高かったことです。国内債券って、利率があまりにも低いのでほとんど入れていないのですが、やはり、そこそこ組み入れた方がいいのでしょうか。

水瀬さん、タロットさん、皆さん

Nightwalkerさんから教わって飛んできましたが、これは素晴らしい!きれい!
こんないいものをサクッとダウンロードさせていただいてもいいのでしょうか?(少し気が重い)

自分はもっと汚い形で実践していましたのですが、せっかくですので是非利用させていただこうと思います。

今後ともよろしくお願い致します。

感謝、感謝

水瀬さん、タロットさん

すごいツールありがとうございます。さっそく計算してみました。国内株式が90%弱、残りは外国株式という私のポートフォリオはリスクと20%と思いっきり偏った結果になりました。もちろん現在のPFは覚悟の上での投資なので20%×2の下落は許容できる心の準備はできているつもりですが、あらためてグラフで見せられると説得力ありますね。

心の支え

いつも愛読しております。
今回のエントリーにちょっと気になったことがあるのでコメントします。

『「このまま下落しても最悪ここまでだろう」というような「心の支え」があるのとないのとでは、精神的な安定度が違うと思うのです。 』
とお書きになっていらっしゃいますが、株価(基準価格)がランダムウォークするのであれば、今後の値動きはそれまでの履歴と相関を持たないので、「最悪ここまで」という予測は成り立ちません。宝くじに何回外れても次の宝くじに当たる確率が高くならないのと同じことです。下落してしまったら、下限の覚悟も仕切り直さなくてはなりません。

>あきさんへ

タロットさんが公開してくれてよかったですね!(^^)
国内債券を組み入れると、リスクが大幅に下がるのはある意味当然だと思います。なぜなら、リターンも極小なのですから。

>Nightwalkerさんへ

「資産運用とは精神修養なり!」
そのとおりだと思います。我慢が仕事です。

>タロットさんへ

公開ありがとうございます。
そういえば、これは「売らずに我慢するテクニック」の基本中の基本と言えますよね。
この記事のカテゴリを、「資産運用の考え方」から「売らずに我慢するテクニック」に変更をしておきます(^^)

>新幹線さんへ

よかったですねー(^^)

>嶋田忠信さんへ

タロットさんの注意事項に則れば、ご好意に甘えてよいのではないでしょうか。
本当に凄いシートですよね。タロットさん凄い!

>為成さんへ

図解の力というやつでしょうか。
とてもわかりやすいですよね。

>nqさんへ

nqさん、はじめまして。
僕が「最悪ここまで」と言っているのは、あくまで年率におけるブレ幅の可能性の話です。
現在の資産価格に対する、絶対値の下限ではありません。

nqさんはモダンポートフォリオ理論をご存知のようですから、逆におうかがいしたいのですが、すべてがランダムウォークであって、年率の期待リターンもリスクも、すべて偶然の結果とお考えでしょうか。
よろしければ、ご教授願います。

「効率フロンティア~」の方はOpenOffice.orgではまともに動作しませんでした。残念。

まあ、モダンポートフォリオ理論は「値動きのばらつき(リスク)は期待リターン曲線(年率○%複利の放物線)を中心にほぼ正規分布する」というモデルが成り立つという仮定が根幹にあるため、そのモデルが未来永劫通用するのかという点で多少のうさんくささを私は感じています。
「他の屁理屈に比べれば最も信頼できるが、しょせんは屁理屈なので信用しすぎるとバカを見る」ってところですね。

お返事ありがとうございます。私は理系の人間でポートフォリオ理論に関する知識は本の読みかじりだけですが、統計の知識に基づき、基本的な理解はしているつもりです。最初に読んだのは野口悠紀雄氏の「金融工学、こんなに面白い」で、実験データ処理と同様に統計学的演繹によって効率曲線が導かれることに目から鱗が落ちる思いをしました。モダンポートフォリオ理論は、実験データの時系列解析や画像解析などで使われる最適フィルター理論と通じるところがあり、理工学的バックグラウンドを持った人間には理解しやすいです。

 それで再度コメントですが、年度途中で実績がその時点に対する年初からの期待値よりも低ければ、「年率」、すなわち年度末の期待リターンの分布は、年度当初に想定した分布よりも下にずれてしまいますので、「最悪ここまで」という覚悟も修正しなくてはいけません。
 さて、「すべてランダムウォーク的と思うか」というご質問ですが、実のところ、確信はありません。野口氏の本でも効率的市場仮説の実証例は米国だけだったとはいえ、説得力はありましたので、8割がた信じて、これから国際分散投資をしていこうと思っています。行動ファイナンス理論に関しては知識がありませんが、行動主義心理学的な手法で経験的、帰納的に導かれる理論だったら、結局、過去の市場の動きを「テクニカル」分析するのと大差なく、(自然科学や数学でいう意味の)「理論」になるのは難しいだろうなと思います。(山崎元氏や木村剛氏の著作を読むと、行動ファイナンス理論は投資のリターンを上げるのには役立たず、無知な投資家を食い物にする投資商品の開発に有効活用されているとのこと。この有効性には納得できます)

 ところで水瀬さんは、効率的市場仮説を信じるからこそ、「ランダムウォーカー」を名乗り、インデックス投資を勧めていらっしゃるのではありませんか?
 

>アルビレオさん

とりあえず、OpenOffice用に移植してみました。
ただし、制限事項が多く、それほど出来が良くないので(^^;) あしからず・・・
http://tarot-mpt.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/openoffice_3f45.html

>アルビレオさんへ

「他の屁理屈に比べれば最も信頼できるが、しょせんは屁理屈」は言い得て妙だと思います。
実際に、モダンポートフォリオ理論の位置づけは、そんなもんだと思います(^^)

>nqさんへ

誠実なコメント対応をしていただきありがとうございます。
しかしながら、僕の質問が遠まわしで悪かったのかもしれませんが、お聞きしたかったのは、そういうことではありません。(^^;
なので、率直に申し上げますね。

「今後の値動きはそれまでの履歴と相関を持たない」ことを理由に、年率のリスク把握を否定しておられるnqさんのご意見が、間違いではないかと思った次第です。

※なお、僕のコメント、
『僕が「最悪ここまで」と言っているのは、あくまで年率におけるブレ幅の可能性の話です。現在の資産価格に対する、絶対値の下限ではありません。』
と、nqさんのコメント、
『それで再度コメントですが、年度途中で実績がその時点に対する年初からの期待値よりも低ければ、「年率」、すなわち年度末の期待リターンの分布は、年度当初に想定した分布よりも下にずれてしまいますので、「最悪ここまで」という覚悟も修正しなくてはいけません。』
は、結局同じようなことを言っていると思いますので、この点に関してはもともと異論はありません。

>タロットさんへ

迅速なご対応、頭がさがる思いです。
タロットさんのご厚意に感謝しているかたがたが、たくさんいらっしゃると思います。(もちろん僕もそのひとりです!)

タロットさん
おお!まさかわざわざ作っていただけるとは思っていませんでした。
ありがとうございます&すごいなー(^^)

最大損失について
まー、「最大」という言葉の使い方ですれ違いが生まれてしまっているみたいですね。
水瀬さんの言いたいことをもうちょっと正確に言い換えると「-24.48%を上回る確率は97.7%」ということになります。
(±2σ以内に収まらない確率は4.6%、そのうち下ぶれの確率は半分の2.3%だから)

で、nqさんが想定している-24.48%の時点からさらに下がる確率を(めんどくさいので)50%ということにすると、そもそも-24.48%になる確率が2.3%なのでその半分の1.15%となります。
つまり現時点でその可能性を指摘することは、単に出現確率のしきい値を厳しく見ているという意味にしかなりません。
だから「下方リスクの限界を-2σとするのは不十分だ、-3σぐらいにするべきだ」と言うのとあまり変わりないと思います。

最近の傾向として、正規分布よりも裾野部分(肩の部分)が広く、裾野部分が高くなっている、という説もあります。真偽の判断はお任せします。
つまり、ブレるときのブレ幅が大きくなっていて、その確率が高くなっているというものです。

市場環境が時代とともに変化し、電子取引が大部分となり、自動売買も一般化している現状では、将来的にそういう傾向が大きくなる可能性もあります。
個人的には、実感としてその説には少し賛成できるかなと思います。
低ボラティリティの期間がしばらく続き、一旦動き出したら極端に動くような感じです。
データとして正確に調べたわけではありませんので、いつもすいませんが、話半分で流してください。(^^;


あと、インデックス投資の根拠として、価格のランダム性に加えて、「平均回帰」ということを想定していると思います。
つまり、現在の価格と過去の値動きの相関は全くのゼロではなく、価格が上または下にブレると元に戻るという話です。
市場参加者は機械ばかりではなく、人間も多くいますので、このようなことが言われているのだと思います。

このように、効率的市場仮説はテクニカル的な側面を持っていたりするので、ツッコミどころはいくつかあります。

nqさんの疑問を私なりの解釈でまとめてみました。間違っていたら訂正お願いします。

年率のパフォーマンスでバラツキの分布をみるときに、ある時点から半年後に年率期待リターンに対して-2σ下落した場合があるとして、1年後(-2σ下落時から半年後)の状態は、年率期待リターンに対して0>±σ>±2σ>±3σの順で確率が高いわけですよね。
-2σ下落時点から半年後に+2σ>+σor+3σ>0or+4σ>-σor+5σの順で確率が高くなる根拠はどこにあるのか? ランダムと言いつつ過去の値動きの影響を受けているのではないか? その時点からもう一度原点に設定しなおして考えなくてもいいのだろうか? ということに思えました。

難しすぎて私には正解はわかりません。
あまりここでこの点を議論すると、収拾がつかなくなりそうなので、疑問を呈するだけにしておきたいと思います。
問題ありましたら、削除願います。

下落リスク

まだ、ご質問の真意がわからないのですが、別に年率リスク把握を否定しているのではありません。繰り返しになりますが、下落相場にはいってしまって、すでに資産が減ってしまったら、予め想定していた下限値よりも悪くなる可能性が高くなるので、年初に推定した下限値を「心の支え」にすることはできない、ということだけです。
 Gabbianoさんが仰るように、下げ相場の後に戻すという時系列相関があるのでしたら、話は別ですが、「連」の検定をすると、そのような相関はない、という話をどこかで読みました。会社は収益を上げているので長期的には上昇基調にある、という主張も、単に下ぶれの大きな企業が立ち行かなくなって退場することの効果をとりのぞくと、検定は難しそうに思います。結局は結果論で帰納的に推定するしかなく、つぶれないで続いていく会社を選んで投資するか、生き残っている会社だけで作られた指標(インデックス)に投資するか、というところに落ち着くと思っています。

>nqさんへ

そこまで、「心の支えにはならない」とお考えなら、そうお考えいただいて構いません(^^;

お話をおうかがいしていて思ったのは、おそらく、当初の想定損失レベルを、1年間変えないことが、お気に召さないのではないか、ということです。
リスク把握のスパンは人それぞれだと思いますが、僕が採用している(そしておそらく一般的な)年1回のリスク把握ではご不満であるならば、半年、毎月、毎週、毎日、もっと正確を期するなら、1円でも値動きしたら、リスク把握し直してみてはいかがでしょうか。

でも、それって何の意味があるんでしょうね。

横から口を挟んでスミマセン。

水瀬さん、nqさんとも間違っていないと思いますよ。

・水瀬さんは記事本文で2σの範囲をあえて(読者に分りやすく伝えるためだと推測します)「起こりうる“超”最悪のケース」と表現された

・nqさんは「起こりうる“超”最悪のケース」を厳密な意味で受け取り、「それより最悪のケースがある(理論的には無限にマイナスになる)」と指摘されている

ってことですよね。


パチンコで例えるなら、水瀬さんは「確率200分の1なら1000回くらいまわせば、ほとんど当たる」という意見、nqさんは「仮に990回ハマッたとして、次に当たる確率もその次に当たる確率もずっと200分の1」という意見、お二人の意見はどちらも正しいと思いますよ。

推定最大損失の考え方について

まず単純化した前提条件として、投資による資産変動のばらつきは正規分布に従い、Gabbianoさんが指摘しているような復元効果はないものとする。
タイムスケールは無視して、-24.48%を下回ることをAと呼び、Aが起きる確率は2.3%。
そこからさらに下がることをBと呼び、Aとなった時点でBが起こる確率は50%。

さて、まず押さえておかないといけないのが、正規分布のグラフの広がりには上限や下限は存在せず、確率がゼロになるのはプラスマイナス無限大です。
だから正規分布に従うと仮定しているモダンポートフォリオ理論の絶対的な上限や下限も無限大になります。現実には株や債券は有限責任なので、最大損失は(-100%-手数料などのコスト)ということになりますが。
つまりこの理論では「絶対的な限界点」を推定することはできず、推定できるのはあくまで「ある事柄が起きる可能性はどれくらいあるか」ということだけです。

つまり損失レベルを想定するというのは「これくらい可能性が小さくなれば、まずありえないと考えていいだろう」というしきい値を決める行為ということになります。

nqさんの
>すでに資産が減ってしまったら、予め想定していた下限値よりも悪くなる可能性が高くなるので
を先に書いた定義で言い直せば「Aが起きてしまったら、Bとなる確率は50%もある」ということになりますが、こういう統計的な推定の場合「Aが起きる確率」を無視して話を進めるのは片手落ちです。
Aが起きる確率が2.3%なのだから「もしAが起きてしまったら、Bとなる確率は50%」と「現時点での推定ではBが起きる確率は1.15%」というのはまったく同じことを指しています。

だからnqさんが言っていることは「最大損失の確率しきい値を2.3%と見るのは甘く見すぎ」ということを別の言い方で表現しているだけなのですが。
まー、「起こりうる“超”最悪のケース」という表現からすれば、-3σの-39.86%ぐらいと見た方がいいかもしれませんね。
これなら0.13%程度の確率でしか起きないので「超最悪ケース」と呼んでもおかしくないレベルになりますから。
-24.48%は「“超”のつかない最悪ケース」ぐらいかなと。

余談ですが、nqさんはリスクにこだわりすぎて「大数の法則」という重要な原理を忘れているような気がします。
サイコロを振って10回連続で1が出たとしても、100回以上振っていればたいした影響はないから気にしないという考え方も大切ですよ。
大数の法則(Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%95%B0%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

あ、タロットさんとかぶってしまった。(^_^;

>タロットさん

そうなんですよね。
理論の基本部分で意見の相違はないと思われるのですが、どうしても「心の支え」にはならないとお考えになられるようです。

>アルビレオさん

非常に分かりやすく解説していただき、ありがとうございます。

もしかしたら、想定損失レベルを、「率(%)」だけでなく「金額(円)」でも示したのが、失敗だったのかもしれません。
リスクをイメージしやすくするための工夫だったのですが、『僕が「最悪ここまで」と言っているのは、あくまで年率におけるブレ幅の可能性の話です。現在の資産価格に対する、絶対値の下限ではありません。』というのが、どうしてもご理解いただけないようですから…。

確立分布ということでは面白いネタがあります。
「ケリー基準」でGoogle検索かけていただけると、興味深いサイトがトップにくるかと。

僕が株式投資を始めたときに、このケリー基準を知って目から鱗が落ちた覚えがあります。
ポジションサイジングの問題は軽視されがちですが、トレーダーのリスク管理にとって、もっとも大事なことのひとつですよね。

インデックス長期投資家にとって、この問題はあまり考える必要はないかとも思うのですが、最近は(内藤本の影響からか)外国債券をFXで代用する方も増えているようです。
長期投資を目的とするなら、FXのレバレッジについては慎重に考えないといけませんね。

どもども。
いや、たしかインデックス長期投資家でも参考になる文献があったはずだ・・とウロウロ探しました。

"ケリー基準" と "リバランス" でGoogleのand検索かけて出てきました。既出だったらすんません。

MAT.Nさん

もしかして、石坂さんのサイトの記事ですか?
そうだとしたら、このネタは少し前に私のブログでリバランスに関して取り上げさせていただきました。

http://www.lagazuoi.com/gabbiano/archives/2006/12/post_204.html

同じ記事でございますですね。やはり既出でしたか。

 私が「心の支え」とする場面を誤解していたようです。私の意図は、下落場面(つまり、アルビレオさんのいう事象Aがすでに確定したあと)のつらさを耐える「心の支え」として当初想定の2σ下限は使えない、ということでしたが、水瀬さんの意図は、最初に投資に踏み切るときの心構えだったのですね。それでしたら当たり前で、特に申し上げることはありません。
 話題がケリー基準のことに移っているようですが、相場が下落する場面でランダム性を信じて買い続けるのは難しいのでしょうね。結局、心の支えは、市場がランダムでいつかは回復するという信念を持てるか、ということに帰着するように思います。その覚悟を持てない凡人としては、やはり分散投資でσを小さくしつつ、リバランスを心がけるしかなさそうです。上昇相場で、上がっていく商品を売り続けるのも、心理的に抵抗がありますが。

「効率的フロンティア計算シート」バージョンアップ

「効率的フロンティア計算シート」をバージョンアップしました。
http://tarot-mpt.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/_ver110_a933.html

いろいろ機能が追加されています。お手数をおかけしますが、以前の版をダウンロードされた方もぜひ最新版に更新してみてください。

また、水瀬さんとnqさんのやりとりからヒントを頂いて(^^)、2σ/3σの範囲におさまる確率や、元本割れ確率、VaRを表示する機能を盛り込みました。(この場をお借りしてお礼申し上げます)

#僕のブログにもコメントを書き込めるようにしました。
#これ以上、水瀬さんのコメント欄を汚してもいけないので
#このExcelシートの件に関するコメントは僕のブログにお願いします。

私は難しい計算はできませんが、私もnqさんと同じ疑問を抱いていました。株価が常にランダムなら、「超最悪」の水準まで株価が下落してもそこから更に下ブレするリスクがあるわけですから、当初想定していた「超最悪」の水準は「心の支え」にならないのではないかと・・
水瀬さんやみなさんのコメントを拝見すると、「超最悪」の水準まで株価が下落する確率を考慮した「心の支え」なのかなと理解しました(間違っていたら御指摘ください)。

ところで、「なにがなんでも売らない」インデックスのバイ・アンド・ホールド戦略では、仮に相場が暴落しても含み損が発生するだけで、1円も失われない(実際には損失は発生しない)と思いますが、この点はいかがでしょう?

株式は本来的には利益成長するので、リターン分+にふれるはずというのはあります。
ただ、ランダムウォークするギャンブルでは損したり得したりして0付近にとどまるより、損したらドンドン損をするなど、わりと一方向に動くようではあります。ケリー基準を出したのはそんな事例があったはずと思ったからですが、ズバリな事例が今一見当たらない。

ウォール街のランダム・ウォーカー第9版う

ウォール街のランダム・ウォーカー(A Random Walk Down Wall Street)の新版が池田信夫blogに紹介されています。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/27eb2c6253d8cb482276597edbbc4efe
「行動ファイナンス」に一章をさき、効率的市場仮説に若干の修正を加えているそうです。翻訳はいつ出るのでしょうね。今度は原書で読んでみようかしら。
 

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