モーニングスター「過去10年で一番高いパフォーマンスを上げたファンドはインデックスを大きく上回るアクティブファンド!」 投資家「あ、当たり前では・・・???」

水瀬ケンイチ

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モーニングスターのトップページに「新興国株式ファンドの中で、過去10年で一番高いパフォーマンスを上げたファンドはインデックスを大きく上回るアクティブファンド!」というタイトルの記事が掲載されています。





インデックスは簡単にいえば平均なのだから、アクティブファンドは、平均よりもパフォーマンスが高いものと低いものが常に「必ず」存在します。

たとえば、学校のクラスのテスト結果を思い出してください。

「過去1年間テストを受けた生徒の中で、一番高い点数を取ったのは、平均点を大きく上回った生徒!」と言われて、どう思われるでしょうか。

「あ、当たり前では・・・?」という感想しかありません。

テストの平均点を大きく上回った生徒がいるのも、平均点を大きく下回った生徒がいるのも、当たり前のことです。平均点とはそういうものです。

テストの点では当たり前のことであっても、どういうわけか投資の話になると、突然、平均点(インデックス)を大きく上回るファンドが存在することが、さもスゴいことのようにアピールしだす人がいるのがすごく変だと思います。

まあ、気持ちはわからないでもありません。なにせ、アクティブファンドの7~8割はインデックスを下回っているという現実があり、成績が悪いのに手数料が高い(高コストな)アクティブファンドはことあるごとに叩かれてきました。

アクティブ運用とパッシブ運用のパフォーマンス比較の貴重なデータ(2019年版)

本日の日経電子版に、アクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較に関する貴重なデータが掲載されています。...


ですので、インデックスを上回ったアクティブファンドが存在することを、とてもスゴいことだ!!頑張った!!とアピールしたくなる気持ちはわからないでもありません。

だからといって、前述の学校のテストのように、平均点より高い生徒や低い生徒がいるのは当たり前であり、一番高い点数が平均点以上なのも当たり前です。なんのアピールにもなりません。

投資家として関心があるのは、過去10年間で一番高いパフォーマンスをあげたくだんのアクティブファンドが、今後も一番高いパフォーマンス(あるいはそれに準じるような良いパフォーマンス)をあげられるかどうかです。

しかし、残念ながら、アクティブファンドは現在のパフォーマンスが良いからといって、今後もパフォーマンスが良いという保証はありません。

パフォーマンス評価の難しさ | ニッセイ基礎研究所

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インデックスを大きく上回ったことの「大きく」部分がスゴいという意見が出そうですが、それはインデックスを「大きく」下回ったファンドも同じくらいあったというだけの話でしかありません。

カテゴリ内のパフォーマンスのバラツキが大きい(≒ハイリスク)ということは、くだんのアクティブファンドが、次の10年間もカテゴリ上位に入るパフォーマンスを出せなければ、むしろ悪い情報です。

やはり「過去10年で一番高いパフォーマンスを上げたファンドはインデックスを大きく上回るアクティブファンド!」というタイトルとアピールは、どう考えてもおかしい。

せっかく過去10年間のパフォーマンスが良かったのは事実なのですから、もう少しマシなアピールをすればいいのにと思いました。

ちょっと意地悪なブログ記事になりましたが、おかしいものはおかしいと言っておきたいと思います。
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Posted by水瀬ケンイチ