橘玲氏の地に足のついたとても良いインタビュー記事。むしろ地に足がつきすぎて寂しいくらい

水瀬ケンイチ

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日本経済新聞電子版に、現役世代の老後の備えについての橘玲氏のインタビュー記事が掲載されています。

豊かな老後を生きる3つの黄金律 作家・橘玲氏に聞く: 日本経済新聞

コロナ禍による収入不安・雇用不安の高まりや、用意した老後資金が枯渇する「長生きリスク」の顕在化など、老後の資産形成を取り巻く環境は大きく変わりつつある。不透明感が高まる時代にあって、現役世代は老後にどう備えていくべきか。


詳しくは、上記日経記事をご覧いただきたいのですが、記事から要点部分を抜粋すると以下のとおりです。

  1. 専門性を生かしてできるだけ長く働く
  2. 長期の積み立て投資で着実に資産をつくる
  3. 経済的自由(FI)に到達、好きな仕事を通して人間関係を維持
豊かな老後を生きる3つの黄金律 作家・橘玲氏に聞く: 日本経済新聞より引用)


現役世代に向けた、地に足のついたとても良いアドバイスだと思います。

2番の「長期の積み立て投資で着実に資産をつくる」は、私自身が実践しているインデックス投資(世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資)そのものです。年をとってからは普通預金を増やすというのも、加齢にともない株式比率を下げる資産配分の変更(リアロケーション)と実質的には同じです。

3番の「経済的自由(FI)に到達、好きな仕事を通して人間関係を維持」も、私が目指している在りように近いです。生活費の心配をすることなく、ある分野で思い切り社会貢献することを目指しています。そのために投資をしているといっても過言ではありません。

しかし、1番の「専門性を生かしてできるだけ長く働く」はどうでしょうか。専門性を生かすのはいいとして、できるだけ長く働くと。

私は早期リタイアを目指しています。もちろん山奥で悠々自適の暮らしがしたいわけではなく、私が目指すことを実現するにはサラリーマン生活をしながらでは難しく、早期リタイア状態が必要だと考えています。

橘玲氏の著書は昔から相当数読んできましたが、「郊外へ移住して生活コストを下げて、できるだけ長く働く」という言葉を見ると、10数年前に書かれていたこととずいぶん変わったなぁと感じます。

当時は、世界を転々として日本の非居住者となり、どこの国にも所得税や住民税を払わない「永遠の旅行者」(PT、Perpetual Traveler)として暮らし、タックス・ヘイブン(租税回避地)のオフショア銀行に口座を開き、無分配型のオフショアファンドに投資することで、非課税で複利運用するのがお金持ちになる秘訣、というような話を盛んに書かれていたように記憶しています。

また、法人を設立して、所得税が発生しない範囲で自分と家族に給料を払い、生活費を法人の経費に振り替えるといった、法人と個人を使い分けるテクニカルな生き方を書かれていました。

サラリーマンの自分は本当にこれでいいのかと自問自答しつつ、たくさんの著書をワクワクしながら読み漁ったものです。

それが上記日経記事では、郊外へ移住して長く働くことをすすめています。「サテライトオフィスで仕事の愚痴を言い合って、月に1度くらいは本社の会議に出て、たまには同僚と飲みに行く生活」というリアリティあふれる記述すら…。

「世界を転々とする永遠の旅行者」から、「郊外移住で長く働く」へ。当時感じたワクワクはどうすればよいのでしょう。ちょっと寂しい。

しかし、読者が求めるもの自体が、小説のような夢物語から、現実的なライフスタイルに落ち着いたと考えることもできます。

10年、20年前と比べても、現役世代にとって世の中はどんどん厳しくなってきていると思います。しかも、新型コロナウイルス感染症の拡大で、働き方が急速に、ほんとうに急速に変わりつつあります。

サラリーマン以外の働き方も念頭においてスキルを身につけていくことが、今まで以上に重要になってくるのはおそらく事実でしょう。もはや夢物語どころではなく、お金も仕事も人間関係も、時間をかけてしっかりと作っていく。そうしなければ、人生後半戦でさらに厳しいことになりかねない。そんな時代に突入しているような気がします。

現実的にいこうじゃないか。

くりかえしになりますが、上記日経記事は地に足のついたとても良いアドバイスだと思います。何度も読んでかみしめたいです。

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Posted by水瀬ケンイチ