「欲望と恐怖の感情を克服する胆力」を獲得するには、実際なにをどうすればよいのか
水瀬ケンイチ
日経電子版に「つみたてNISAで『リカク』してしまった君たちへ」という記事が掲載されています。
つみたてNISAで「リカク」してしまった君たちへ: 日本経済新聞
日本経済新聞の電子版。日経や日経BPの提供する経済、企業、国際、政治、マーケット、情報・通信、社会など各分野のニュース。ビジネス、マネー、IT、スポーツ、住宅、キャリアなどの専門情報も満載。
詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、タイミング投資は難しいので積み立て投資を継続しようという内容です。
株式市場は短期的にはランダムで動いているものの、長期でならせば期待リターンである年率5~6%程度に収れんするものだと私も考えています。
記事にある「長期投資家には欲望と恐怖の感情を克服する胆力が必要になる」という言葉は、リーマンショックやコロナショックを乗り越えられた投資家にとっては、名言だと実感をもってわかると思います。
短期目線でみれば、株価が上げたら利確したくなり、下げたら損切りしたくなる気持ちは、よーくわかります。
しかしながら、長期目線でみれば、投資のリスクプレミアムを得るための試練が、このような気持ちのざわめきを「我慢」することとほぼ同じ意味です。(リスクプレミアムが存在すると考えられる投資対象=株や債券などに投資していることが前提ですが)
株式市場の上げ下げによる欲望と恐怖を我慢する「我慢料」がリターンの源泉だということもできると思います。自分がやっている投資のリターンの源泉は何かを腹落ちさせておきたいところです。
とはいえ、バイ&ホールドを続けるためには、資産配分のリスク資産比率や投資金額自体が、自分のリスク許容度の範囲内におさまっていることが大前提です。保有資産に、自分のリスク許容度を超えた値動きがあれば、動揺してしまうのはふつうのことでしょう。
たとえば、資産配分の株式比率を50%までとしていたのに、知らないうちに株式比率が70%まで上がっていた。あるいは、投資金額は1000万円までとしていたのに、積み立てているうちに1000万円を超えていた。
このような状態で、株式市場が大きく暴落すると、どんな強靭なメンタルをもっていたとしても、そりゃ誰だってあわてふためきますよ。リスク許容度を超えているのですから。
定期的に保有資産のリバランスをする、もしくは投資金額を所定の額までおさえる。そしてバイ&ホールドを続ける。
「欲望と恐怖の感情を克服する胆力が必要」というと、感情の話で実際なにをどうすればいいのかわかりにくいかもしれませんが、自分のリスク許容度の範囲内でじっと待つといえば、感情論ではなく、作業ベースに落としこまれてわかりやすいと思います。
これこそ長期投資継続の要諦かもしれません。
(言うは易し、行うは難しですが…)
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