個人投資家の9割が株で負けている理由と「信用取引評価損率」の推移

水瀬ケンイチ

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日刊SPA!によると、個人投資家の9割が株で負けているらしいです。


情報ソースが日刊SPA!なので、その理屈をまず疑ってかかりました。またろくでもないコメンテーターが適当なことを面白おかしく言っているだけだろうと思ったからです。

誤解なきように予め申しあげておくと、当ブログでも過去に何度も書いているとおり、私はエンタメとしてのSPA!が大好きですし、愛読していますので、SPA!をディスるのが目的ではないことを付言させていただきます。

よくよく読んでみると、9割という数字はともかく、個人投資家の多くが株で負けている理由として、「信用評価損益率」がほぼ常にマイナスであることがあげられています。これは私の実感とも整合します。


上記のSPA!の図表は2019年12月から2020年12月の1年間のデータでした。

すこし昔話をしていいでしょうか。

私は今でこそインデックス投資原理主義者と罵られるほどインデックス投資家として扱われていますが、約20年前に投資をはじめた頃は、国内株の個別株でデイトレードやスイングトレードをやりこんでいました。

その頃に読み漁った書籍にも信用評価損益率は登場していました。正確にいうと、当時は「信用取引評価損率」と呼ばれていました。「損益率」ではなく「損率」であるのがポイントです。

信用取引評価損率は毎週一回、前週末分が翌週木曜日に発表され、金曜日の日本経済新聞に掲載されると本で学びましたが、実際には、週によって掲載されてたり、されなかったりということがあったのも覚えています。

当時の教えでは、目安として▲5%~▲10%あたりをうろつういており、損益率ではなく損率だといわれるゆえんだということでした。基本的に信用取引利用者は損をしているもので、経験的に▲20%を超えたら目をつぶって株に買いを入れてもよいと習った記憶があります。このモノサシは、個別株投資をしていた頃の私を何度も救ってくれたので今でも覚えているのです。

(もちろん、この指標どおりに売買したのに損することも度々ありましたが…)

時は流れ、信用取引評価損率は信用評価損益率というお行儀がいい名称に取って代わられ、日本経済新聞に頼らずとも、個人がいつでもネットで簡単に閲覧できる指標になりました。

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(トレーダーズ・ウェブのデータより梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー作成)


あれから20年経った今でもやっぱり、平時からマイナス圏にあることは変わりありません。

信用取引を使って機動的な売買を繰り返す投資家たちは、平均的にいつも▲5%~▲10%くらいやられているというのは、当時の私やまわりの投資家像とも合致します。

何が言いたかったのかというと、ただでさえ難しいタイミング投資に信用取引というレバレッジをかけ合わせれば、平均的に損するという結果が鮮明になるのが、昔から現在に至る「信用取引評価損率」の推移を見るとわかるということです。

タイミング投資は難しい。レバレッジをかけるとより鮮明になる。ただ、個人投資家の9割が株で負けている理由になるかっていうと、そのへんはSPA!ってことでご愛嬌。

個別株投資をしていた頃の知識と経験は、今も私の血肉となって生きています。たまに何かの拍子で出てきますので、何かのお役に立てば(立つわけないか)。


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