女優&金融アナリスト三井智映子さんのおすすめ本が「敗者のゲーム」とな!?

水瀬ケンイチ

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(Photo: 「敗者のゲーム 原著第5版」(チャールズ・エリス著)


「東証マネ部!」のインタビュー記事によると、女優で金融アナリストの三井智映子さんがおすすめする本が、なんとインデックス投資のバイブル「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)とのこと。


女優と金融アナリストの二足のわらじをはいているかたです。金融アナリストとしてはフィスコでマーケットレポーターなどをされているとのこと。ヤフーファイナンスで相場予想をされていたこともあるそうです。現在、YouTubeで毎日マーケット解説等を配信されています。

ご著書「ゼロからはじめる株式投資入門 最強アナリスト軍団に学ぶ」(三井智映子著)を拝見すると、個別株の銘柄選びのポイント、タイミング、テクニカル分析の解説本です。

投資銘柄を選定して投資タイミングをバリバリ図るアクティブ運用をすすめている一方で、おすすめする本がインデックス投資のバイブル「敗者のゲーム」というのが興味深い。投資する銘柄選びもタイミングも図らない、真逆の投資法がインデックス投資だからです。

三井さんはご自身で投資を始めたものの、「この企業が好きなので応援したいな」という気持ちだけで株を購入し失敗、一旦投資は止めて、お金関連の資格取得を目指し、そのなかでフィスコの講座を受けて金融アナリストになった経緯があるとのこと。

その中でたくさん読まれた本の中に「敗者のゲーム」があったのでしょう。

三井:投資で成功するとは、どういうことなのか、普遍的な考え方を説く一冊です。投資のプロはあらゆる情報に触れ、毎日投資に時間を掛けていますが、情報収集に時間をかけられず、資金力もない個人投資家が、同じ土俵でどう戦っていくのかを突き詰めています。この本の結論としては、「個人投資家はインデックスファンドに投資して持ち続けましょう」ということなのですが、ミスを減らすことで運用成績を出す重要性について語られています。

【女優&金融アナリストの三井智映子さん】どん底から這い上がるための武器になった名著『敗者のゲーム』 | 東証マネ部!より)

「敗者のゲーム」でチャールズ・エリスが主張するように、アマチュアのテニスも投資も、ミスが少ない方が勝つ(ミスが多い方が自滅する)構図になっています。

三井さんは、「ミスの少ない投資を目指すためには、どちらかが損をするネガティブ・サム・ゲーム(※)ではなく、全体的に利益を得やすいポジティブ・サム・ゲームになるような商品が適している」とコメントしています。全体的に利益を得やすいポジティブ・サム・ゲームの要素が強いのがインデックスファンドの長期投資という三井さんの見方に私も賛同します。

そして、長期的にインデックスファンドに投資することでプラスリターンが期待できるというマーケットの「特性」を知った上で、それをさらに超える可能性を追求するのがアクティブ運用だと私は考えます。

金融機関にとってインデックス運用よりもアクティブ運用の方が高い手数料を取れます。たとえば、個別株の頻繁な売買のたびにかかる売買手数料や、アクティブファンドの高い運用コスト(信託報酬)などです。したがって、金融機関のおすすめはアクティブな投資方法やアクティブファンドとなることが多くなります。

金融機関の利益のぶん投資家の利益は減るので、その点で利害は相反しているのですが、金融機関も営利企業なので、自社の利幅が大きな商品を積極的に売りたがるのは仕方がないことです。私は世の中にアクティブ運用をすすめる職業があってもよいと思っています。

ただ、その職業の人が、インデックス投資を貶し全否定して「だから」とアクティブな投資法をすすめるのと、マーケットの特性とインデックス投資の良さを伝えた上で、さらなるアップショットを狙う方法としてアクティブな投資法をすすめるのとでは、投資家に対する誠実さに天と地ほどの差があると思います。

インデックス投資のバイブルである「敗者のゲーム」を、「本当に、最初に読んでおくべき」とおすすめした三井さんは後者なのかもしれません。がんばってほしいと思います。





※水瀬注:言葉の意味として正確にいえば、どちらかが損をするのはネガティブサム・ゲームではなく「ゼロサム・ゲーム」で、どちら「も」損をするのがネガティブサム・ゲームです。ただ、エリス氏は「敗者のゲーム」の中で、売り手と買い手の損益を合計するとゼロサムなのだが、アクティブ運用は手数料とマーケットインパクトを考慮すると全体ではマイナスになるネガティブサム・ゲームだと述べています。
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Posted by水瀬ケンイチ