「債券」の基本をしっかり学べる良動画!

水瀬ケンイチ

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個人投資家で株式に詳しい人はよく見ますが、債券に詳しい人はあまり見かけません。

国内債券への投資について「日本はずっと超低金利だけど将来の金利急上昇が心配でインデックスファンドに投資しづらい」と言っても、「なんで?金利が上がったら儲かるんじゃないの?」と話がまったくかみ合わないこともしばしばです。債券のことはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

日本経済新聞電子版に「債券」の基本をしっかり学べる良動画があったので取り上げます。

「金利と債券市場 ココを見る」動画で解説

米国の長期金利上昇が株式市場の波乱要因として注目を集めています。債券市場は株式や為替に比べて個人には縁遠い存在なこともあり、金利変動の仕組みやその意味を理解するのを難しく感じる方が多いようです。債券市場はどんなメカニズムのもとで、どんな力学で動くのか。「イールドカーブ」や「実質金利」といった視点を理解すると、経済や投資でどう役立つのか。今の米国の金利上昇はどう読み解けば良いのか。債券市場


編集委員高井宏章氏による経済・金融を解説する動画「マネーの世界 教えて高井さん」シリーズのひとつで、「『金利と債券市場 ココを見る』 動画で解説」です。

・国債の種類(短期債、中期債、長期債、超長期債)
・名目金利と実質金利(名目金利-インフレ率=実質金利)
・利回りと価格の関係(利回り上がると価格下がる、利回り下がると価格上がる。シーソーの関係)
・金利に影響を与える要因(金融政策、短期の景気、経済の地力、国・通貨の信用)
・イールドカーブ(短期・長期の利回りをつないだグラフ)の意味
・日米のイールドカーブの調べ方(「イールドカーブ 日本相互証券」、「yield curve treasury」で検索)
・期待インフレ率

といった債券に関する項目が、とてもわかりやすく解説されています。

基本的なことだけでなく、ブレークイーブンインフレ率(BEIの関連記事はこちら)による将来のインフレ予測や、名目金利を実質金利とインフレ率に分解してそれぞれを予測するといった逆の見方をしてみるなど、やや高度な内容も含まれています。最後は、米国の金利上昇と株価動向との関係が解説されています。

高井氏は債券市場ウオッチャー歴が20年近いベテラン記者さんで、トークに抑揚があって上手。とても聞きやすいですね。高井氏は「債券は情報の宝庫で、ウォッチングして一番報われる」と言います。たしかに、経済予測のレポートの類を見ると、株式アナリストより債券アナリストの方が目立たないながらもロジカルな印象はあります。

市場の特性にも大きな違いがあるのかなと思います。

株式市場は、ベースとなる企業業績の利益や純資産の動きがまず激しく、それをベースとしたPERやPBRといった指標も不安定な上に他人の適正株価の評価もバラバラ、しかしそれも横目で見つつ裏をかいて、安く買って高く売らなければカモられるような不安定な市場だと思っています。また、買うから上がる、上がるから買う、といったバブルのサイクル(またはその逆)に入ると、企業業績や経済指標とは無関係に株価は急騰したり急落したりします。短期的な投機マネーの動きや運の要素も多分にあり、もうほとんどランダム。

一方、債券市場は、満期まで持ちきれば約束されたリターンを得ることができる債券を、途中で売買する場合の市場です。国や中央銀行の金融政策をベースに限年が短い方から金利が決まっていき、動きもゆるやか。ある程度予測できる市場だと思います。リスクが低い分、リターンも低く、市場の図体がでかい割には、ふだんあまり目立たない存在です。

個人的に、株式アナリストの市場予測レポートは、ほぼランダムウォークの世界に後講釈を付けるだけで、見てもほとんど役に立たないと思っていますが(個人の感想です)、債券のアナリストの市場予測レポートは、公表される国の金融政策をベースにイールドカーブやBEIなどを使って、まあまあロジカルに予測されていることが多いという印象を持っています(個人の感想です)。

個人投資家は株式ばかり追いがちですが、債券市場も見られるように(少なくともニュースの言葉の意味がわかるように)しておくと、経済や景気についてとても勉強になります。そう、勉強に最適なのです。

ただ、債券アナリストのレポートは万能だと考えて、それで投資判断をするというのはよくないと思います。昔、投資家仲間で「イールドカーブをみれば株の買い時、売り時がわかる」とタイミング投資をしていたかたがいましたが、数年間運用して、「労多くして儲からず」といって結局、インデックスファンドの積み立て投資家になりました。

債券のわずかな金利差から収益を得るために巨大なレバレッジをかけたヘッジファンドLTCMの破綻(関連記事)のように「策士策に溺れる」ことなく、債券アナリストの市場予測レポートもあくまでも参考にとどめて、最終的な投資判断は自分で行うのがよいと思います。

なお、冒頭の国内債券への投資について、私は以前か投資商品は国内債券インデックスファンドの代わりに、金利変動によって元本価格が変動しないという鉄壁の特徴を持つ「個人向け国債」の変動10年に投資しています。利子は変動金利型で、将来の金利上昇にもある程度上がって追随できる上に、国による年0.05%の最低金利保証まで付いています。もちろん、為替リスクもありません。

私は保有資産全体の中での債券クラスには、株式クラスの大きなリスク(ボラティリティ)を緩和するクッションの役割を求めているので、ある程度リターンを犠牲にしても、保有資産全体のリスクがしっかり低くなるような商品を好んで買っています。これもひとつの投資判断です。


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Posted by水瀬ケンイチ