ご紹介した山崎元氏のコラムをさらに詳しく解説する動画
水瀬ケンイチ
先日、トウシルに公開された山崎元氏の「個別株投資は『家庭菜園』。趣味と資産形成の両立を」というコラムの内容を紹介しましたが(該当記事)、今度はその内容を動画で解説してくれています。
[動画で解説]個人の個別銘柄投資とインデックスファンドの比較 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
●個別株投資は「家庭菜園」●個別株投資とインデックス投資の大きな「差」●「企業分析の幻想」と「トレーディングの勝負」を捨てる●それでも「運用ゲーム」は面白い
コラムでも、個別株投資は「家庭菜園」、インデックスファンドの一括投資は「食品スーパー」、積立投資は「野菜の宅配」と例えられていて、これが「わかりやすい」と評判でした。動画ではさらに深く掘り下げています。個別株投資とインデックスファンドを①リターン、②リスク、③コストの3つの観点で比較しています。
結論的には、インデックスファンドの方が大差でまさっていると山崎氏は言います。ただし、個別株投資には①インデックス変更の心配がない、②面白くて愛着が湧くというプラスαのメリットがあり、もし結果がインデックス並みであったとしたらプロ並みの上出来であると誇ってよいと言っています。
「個別株投資ならテンバガー(10倍株)を狙え」とか「年率20%のリターンを狙え」という話が投資本にもよく出てくるが、実際に可能な個別株投資像とかけ離れた姿を見せて過剰な夢を見せるのはいかがなものか、と一刀両断。さらに、それを信じるのは「相当おめでたい」と指摘しています。
本当にそのとおりだと私も実感をもって思います。最近、SNSでは「若いうちは資金が小さいので個別株投資、資金が大きくなったらインデックス投資」というような言説がもっともらしく語られるのもよく見ます。しかし、これも言外に「個別株投資の方がインデックス投資よりも期待リターンが高い」という過剰期待がにじみ出ているように思います。
「若いうちは収入が少ないのでインデックスでは資産を作れない」という理由でアクティブ運用をすすめる流れ、いつも疑問に思う。
— 水瀬ケンイチ(みなせけんいち) (@minasek) December 20, 2020
何故、アクティブならインデックスを上回る前提なのだろう?
実際は、ごく一部のインデックスを大きく上回る人と、インデックスを下回る多くの人の差が広がるだけなのに
世の中には様々な投資法がありますが、そのどれを選択するか。個人投資家は動画と同様に①リターン、②リスク、③コストの3つの観点でよく考えてみる必要があると私も思います。逆に言えば、この3つの観点で様々な投資法を並列にならべて比較できます。
もし、個別株投資の期待リターンがインデックスよりも高いとしたら、その分リスクも高いはずと考えます。結果的にインデックスをものすごく上回るリターンを上げる人が毎年登場してくることは事実ですが、それは同じことを私やあなたができる根拠にはなりせん。100%運で決まるジャンケン大会にも、何十連勝して優勝する人が必ず存在することを思い浮かべてください。
トウシルの動画をコラムとあわせて見ると、より理解が深まると思います。どっちも無料ですしおすすめ。
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