日本経済新聞に「航路を守れ」(ジョン・C・ボーグル著)が取り上げられる

水瀬ケンイチ

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初のインデックスファンドと米国バンガード社を作った故ジョン・C・ボーグル氏の遺作「航路を守れ」が日本経済新聞電子版に取り上げられています。

航路を守れ ジョン・C・ボーグル著

現代の金融市場で最も偉大な発明は何だろうか。著者のジョン・C・ボーグルが1976年に世界で初めて販売し、市場に普及させたインデックス・ファンドがその有力な候補だろう。いま個人がインデックス運用で手軽に長期分散投資を手掛けられるのは、ボーグルの並々ならぬ努力があったからこそだ。ボーグルは旧来の資産運用業界と摩擦も辞さず、ファンドにお金を預ける投資家の利益だけを追求してきた。コストを切り詰めるため


記事のサブタイトルには「投資家利益に貢献した人生」とあります。まさにそのとおりで、「航路を守れ」を読むと、ボーグル氏は旧来の資産運用業界や社内の反対勢力との摩擦も辞さず、ファンドにお金を預ける投資家の利益だけを追求してきたことがわかります。

この本は、読者に対して、投資という枠組みを超えて生き方そのものを問いかける人生訓になっていると私は思います。極めて誠実な商品は極めて誠実な人物によって生み出され、当初は愚行と馬鹿にされても、ゆっくりと世の中に認知されて存在が大きくなっていくという証左にもなっています。こういう仕事ができたらいいですね。

もちろん、米国において確定拠出年金の制度である401kの進展が、バンガードの低コストなインデックスファンドを後押しする形になったという「幸運」もあったと思います。しかし、準備がなければ好機を活かすこともできません。

翻って、日本ではどうか。個人型確定拠出年金の「iDeCo」や、少額投資非課税制度の「NISA」「つみたてNISA」が、低コストなインデックスファンドの競争を加速してきました。今ではバンガードに勝るとも劣らない低コストインデックスファンドが複数存在しています。これらの高品質な金融商品を活用して資産形成をするもしないも、投資家の判断に委ねられている状況です。

ほんとインデックスファンドという金融商品はありがたいです。私たち庶民である「労働者」が簡単に「資本家」にもなれる仕組みなのですから。しかも、資本家は資本家でもたくさんの企業のオーナーである「大資本家」に、私たち庶民でも100円からなれる。こんなチートな仕組み、他になくないですか?

「投資はギャンブルだ」と言って、なんのリスクも追わない者が結果的に有利になる時代は今後、二度と来ないと思います。今、こうしてリスクテイカーにフェアなリターンを供給するインデックスファンドを自分の人生に役立てることができるのも、すべてはボーグル氏のおかげです。いくら感謝してもしきれないと感じます。

日本経済新聞で「犯した過ちの大半は投資という帽子を脱いで、マーケティングという帽子を被(かぶ)った時に起きた。今の日本の資産運用業界に通じる警句だろう』と紹介されているとおり、日本の資産運用業界への訓示にもなっていますし、日本のサラリーマン各位にとっても示唆に富んでいると思われます。

そのボーグル氏最後の自伝「航路を守れ」、未読の方は人生訓として読んでみることをおすすめします。高額で分厚い本ですが、電子書籍なら比較的読みやすいと思います。特に、人生を豊かにしたいインデックス投資家のかたにおすすめです。




「航路を守れ バンガードとインデックス革命の物語」(ジョン・C・ボーグル著)はもはや投資本というより「良心」を集めた人生訓!

「航路を守れ バンガードとインデックス革命の物語」(ジョン・C・ボーグル著、石塚順子翻訳)を読みました。本書は世界で初めて個人投資家向けのインデックスファンドを発売した米国バンガード・グループの創設者で「インデックス投資の父」といわれるジョン・C・ボーグル氏の最後の著書です。カテゴリとしては投資本になるのかもしれませんが、私は投資本というよりも米国中の「良心」が集まった人生訓だと思いました。全480ペ...

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Posted by水瀬ケンイチ