セゾン投信の心意気を振り返る

水瀬ケンイチ

2月16日の記事「セゾン投信からバンガードのインデックスファンド三昧のすごいファンドが!?」で情報を掲載させていただいた、セゾン投信の新ファンド第一弾、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」。

記事に対して、たくさんのコメントをいただきました。
評価としては、かなり好感されているようでした。
また、あちこちのブログでもセゾン投信の新ファンドについて、一斉に取り上げられていました。
こちらも、評価としては、概ね好感されているようです。

特に、当初予想されていた、バンガードインデックスファンド+さわかみファンドという形態ではなく、バンガードインデックスファンドのみで構成されたファンドであったことが、いい意味で予想を裏切り、特にインデックス投資家から、好感されているように思えます。

なかには、NightWalkerさんのように、「期待のニューカマー、セゾン投信を応援し、ローコスト投資家数増加の一助となりたい」と、思い切り熱いエールを送るかたもいらっしゃいました。
僕も同じ思いであります。

そこで、思い出すのは、去る1月13日に行なわれたSAISON CARDのセミナー『新春特別企画 「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナー』です。
参加者のなかに、セゾン投信社長の宮澤雅美氏、クレディセゾン社長の林野宏氏、バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券代表取締役の加藤隆氏がいらっしゃっいました。
そこでセゾン投信の新ファンドの情報提供があったわけですが、今にして思えば、宮澤氏、林野氏、加藤氏のコメントから、その心意気がにじみ出ていたのだぁと思える部分が多々ありました。

当初、そのセミナー全容の紹介記事を、本ブログで掲載していたのですが、諸般の事情から削除させていただきました。
今回は、セゾン投信の心意気を振り返って検証する意味で、その一部を抜粋して引用したいと思います。


■セゾン投信の宮澤社長
『ファンドオブファンズを計画している。性格の異なる二つの投信になる予定。さわかみファンド、バンガードのインデックスファンドを組み入れる。高品質でオリジナル。長期・分散・ローコストがコンセプト。
投信参入の目的は、現在の投信の問題が指摘されている。雑誌の特集にもなっている。投信に対する不満を解決するような投信を。売る側の論理でなくお客さんの立場になれるようにしたい』
(1月13日「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナーより)

新ファンドを見ると、投資対象国の構成比率が時価総額と同程度(欧米中心で日本がごく少ない)であり、既存のバランスファンドと比べて、相当「オリジナル」です。
また、信託報酬0.78程度(税込み)というのは、既存のバランスファンドと比べても最も安く、コスト面では「高品質」だと言っていいのではないでしょうか。
「高品質でオリジナル」という言葉に偽りはないと思います。

余談ですが、「性格の異なる二つの投信になる予定。さわかみファンド、バンガードのインデックスファンドを組み入れる」という言葉で、みんな「さわかみ+バンガードなのか」と勘違いしてしまったのですね…(^^ゞ


■クレディセゾン社長の林野氏
『証券業界は、一般の人を犠牲に、機関投資家のためだけにやってきた。日本の個人投資家は、手数料稼ぎの対象にされ、損をさせられた。私は証券業界が、自らマーケットを壊しちゃったという感覚を持っている。
セゾンカードはカード会社だから、手数料で稼ぐ必要がない。良心的になりうる』
(1月13日「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナーより)

林野社長は、過去、証券業界が個人投資家を手数料稼ぎの対象にしてきたことに対して、非常に不満を持たれているようであり、その点を何度も指摘されていました。
その気持ちには、僕も大いに共感できます。
この新ファンドのコスト設定は、カード会社が設定するという新たなビジネスモデルとともに、その「心意気」が反映されていると思います。


■バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券の加藤代表取締役
『米国バンガードは、最初は小さく始めた。広告費を使わない方針。
実は、なかなか大きくならなかった。しかし、創始者のボーグルのメッセージは、「本当に良い商品を作れば必ず売れる」だった。
(中略)
日本でも、そこを変えてまで、大きくなろうとは思わない。
そこに、白馬のように、長期、低コスト、分散投資という考え方を共有してくれるパートナーが、初めて現れた』
(1月13日「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナーより)

新ファンドは、セゾン投信とバンガードのコンセプトが、「長期、分散、ローコスト」でバッチリ合ったからこそ実現したのだと思います。
実は、バンガードが今まで組んだ日本の金融機関は、セゾン投信が初ではありません。マネックス証券とトヨタアセットマネジメントと組んで、それぞれ、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドなど3種のファンドとトヨタアセット・バンガード海外株式ファンドを商品開発をしています。

僕の勝手な想像ですが、それらのファンドは日本の投資信託としてはローコストの部類ですが、当のバンガードからすると、もしかしたら、「長期、分散、ローコスト」の「ローコスト」部分については、少々不本意だったのかもしれません。
その思いが、「白馬のように、長期、低コスト、分散投資という考え方を共有してくれるパートナーが、初めて現れた」という言葉になったのではないかと、想像してしまいました。


いずれにしても、新ファンドの構成およびコスト設定を見る限り、セミナーで社長たちが仰っていた「心意気」は、口だけではなく、本物であったのではないかと思います。
今後も、新ファンドを出していく予定のようですが、個人投資家の立場に立った良質なファンドを作っていってほしいと期待しております。
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Posted by水瀬ケンイチ