ネット証券の投信積立契約件数ランキングで「MSCIコクサイ」連動型の人気が復調。国際分散投資が王道よ

水瀬ケンイチ

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モーニングスターに2021年8月のネット証券の投信積立契約件数ランキングが掲載されています。


「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が1位ですが、上記記事では、「MSCIコクサイ」連動型の人気が復調し「積立投信の王道」に戻ると分析されています。

これがちょっとうれしかったです。

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版>」(バートン・マルキール著)や「敗者のゲーム〈原著第6版〉」(チャールズ・エリス著)など数十年読み継がれてきたインデックス投資の名著を紐解けばわかりますが、米国人が米国人向けに書いた名著であっても、インデックス投資の王道は米国株だけでなく米国以外の海外株式にも投資すべきという「国際分散投資」です。

ここ最近は米国株式市場の好調が続いていることから、S&P500やNASDAQ100のみに投資している人が「投資はこれだけで良い」などと主張する人が増えてきました。しかしながら、それは直近のトレンドを反映した「亜流」の考え方だと私は思います。今のように米国株式市場が上昇を続ける前から、たとえば10年前(東日本大震災があった2011年)から米国のポテンシャルに着目して米国株式集中投資をすすめていたブロガーやインフルエンサーを私はひとりも知りません。

将来の市場動向を正確に予測できる人は誰もいないのでしょう。プロのアナリストやストラテジストたちの株価予測が盛大に外れ続けていることは、自分の目で見て、答え合わせをすればわかるはずです。将来の市場動向をなんとなくわかっているようなことを匂わせて、もっともらしいことを語っているインフルエンサーがいたとしても、本当はわかっていないのでしょう?と疑いの目で見ています。

もちろん、将来は予測できないわけですから、今後数十年にわたって米国株式が絶好調を続ける可能性もあります。しかし、複数の投資対象があって期待リターンが同じであるならば、分散した方がリスクが下がるというのは数学的事実です。集中投資すべしという米国株式クラスの期待リターンが、その他の先進国の期待リターンよりも明確に高いと理論的に説明してみせた人も見たことがありません。であれば、MSCIコクサイなどで国際分散投資するのが未確定な将来に現時点で備える合理的なスタンスだと私は思っています。

過去のリターンが良いことは、将来のリターンを一切保証しないことは、どこの証券会社のWEBサイトの注意書きにも書いてある常識です。

私は投資家が将来値上がりすると見通しが持てるものに集中投資することは全然否定していません。ただ、その集中投資が王道であるとか、投資はそれだけでよいとか、他人にもっともらしく伝えるのであればそれ相応のロジックが必要なのではないかと常々思っています。

将来の市場動向を正確に予測できる人は誰もいないという前提に納得できて、その上でご自身が将来の市場動向について特段の見通しを持っているわけでもないのであれば、国際分散投資をしておくのが無難な選択だと個人的には考えています。


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Posted by水瀬ケンイチ