ダイヤモンド・オンラインに「米国株投資とグローバル分散投資のどちらが良いのか?」について面白い考え方

水瀬ケンイチ

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ダイヤモンド・オンラインに「米国株投資とグローバル分散投資、どちらが良いのか?」という興味深い記事が掲載されています。

米国株投資とグローバル分散投資、どちらが良いのか?

「米国株投資とグローバル分散投資、どちらが良いのか?」、実はこの問いかけには投資手法にかかわる本質的な考え方が含まれている。今回はその辺りを考えてみよう。

詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、米国株だけに投資するのはアクティブ運用でありグローバル分散投資はパッシブ運用なので、自分の運用ポリシーがアクティブなのかパッシブなのかで選べばよいとのこと。

面白い考え方です。これは「狭義のパッシブ運用」の定義かなと私は思いました。

この定義でいくと、グローバル分散投資のなかでも、世界の株式時価総額比率のポートフォリオだけがパッシブ運用で、たとえば日本株:先進国株:新興国株=1:8:1はぎりぎりパッシブ運用でも、日本株:先進国株:新興国株=2:7:1だと日本株の割合が時価総額比率よりも高いのでアクティブ運用、というようなロジックにもなります。

日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は「パッシブ運用が運用の大部分を占めている」と情報発信していますが(出所:GPIF WEBサイト)、そもそもパッシブ運用部分も世界の株式時価総額比率ではないし、アクティブ運用を一部でも組み込んでいるので、ポートフォリオ全体はパッシブ運用ではなくアクティブ運用だということにもなります。

もっと言ったら、株式と債券の比率だって市場規模の比率にするべきで、そうすると株式よりも債券の比率がずっと大きくなければパッシブ運用ではないし、ゴールドなどのコモディティや世の中のありとあらゆる資産クラスもその時価総額比率ですべて盛り込んだ「市場ポートフォリオ」以外は、厳密な意味でのパッシブ運用ではないというところまでも話を飛ばせそう。

だから、狭義(狭い意味)のパッシブ運用の定義なのかなと思います。

個人的には、米国株投資とグローバル分散投資のどちらが良いのか?については、定義で決めるのではなく、何十年も前から「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)や「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)で推奨されてきたグローバル分散投資がスタンダードだと考えています。米国人が米国人向けに書いた投資の名著であっても、米国株だけでなく米国以外の海外株式にも投資すべきというグローバル分散投資をすすめています。

SNSでも、「インデックス投資とは」「パッシブ運用とは」という定義について、自分だけの定義を持ち出して既存の考え方を否定することやたら熱心な人がたまにいますが、今さら個々人が思いついた考え方で伝統的な投資法について再定義することに、あまり意味があるとは思えません。

目下のところ米国株は絶好調ですが、将来の市場動向を確実に読める人などおらず、いちばん儲かる方法など誰もわからないという大前提に立てば、上記記事の結論部分のように、結局は自分の運用ポリシーに合うかどうかで投資法を選ぶしかないということになります。

特定の市場に集中投資すること自体は悪いことではないと思います。一方で、それはリスクを下げる数学的な「分散効果」を放棄することでもあるため、自分がその市場の「期待リターン」に対して特段の明るい見通しを持っている場合だけにしておいた方が無難だと思います。私はそのような見通しを持ち合わせていないので、今まで同様これからも、グローバル分散投資を行います。


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Posted by水瀬ケンイチ