投資家=金持ち=税金をふんだくってやれ、という政治家たちの古くて凝り固まった罪深い考え

水瀬ケンイチ

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投資家=金持ち=税金をふんだくってやれ。このような政治家の意見は古臭く、昔の常識に凝り固まっており、庶民のつつましい資産形成の現状を知らない罪深い意見だと思います。

金融所得課税が見逃した胎動 投資家=金持ちの短絡

岸田文雄首相は就任7日目、肝煎りと思われた金融所得課税の強化をあっさり「当面考えない」と軌道修正した。自民党総裁選では格差是正につなげる分配政策の財源と位置づけ、就任会見でも「選択肢の一つ」としていた割にあっけない幕引き。朝令暮改に追い込まれた一因には、急速に多様化が進む「今どき投資家」への理解の欠如がある。「『株をやる』のは金持ち」といった旧態依然とした認識では、膨らむ将来不安に立ち向かうため


新型コロナウイルス感染症の拡大がようやく落ち着きつつあり、さあこれから日本経済を立て直そうというタイミングで岸田総理大臣になった途端、あろうことか、金融所得課税を現在の20%から一気に30%に上げるという方針を打ち出したいわゆる「岸田ショック」により、日経平均株価は8日間の連続安となりました。8日続落は2009年7月13日までの9日続落以来の12年3カ月ぶりです。

上記の日経記事によると、岸田文雄首相は就任7日目、をあっさり「当面考えない」とあっさり軌道修正したとのこと。いわゆるアドバルーンだったのかもしれませんが、各方面からの批判を受けて、株価を連日下落させて、散々やらかした後の、実に愚かな軌道修正だと思います。

金融所得を得ようとする投資家を、十把一絡げにまとめてほしくない。昔ながらの大金持ちの投資家がいる一方で、20代~30代の若い世代で毎月の少ない給料の中から、生活費を節制して工面した(税引き後の)数万円を、自己責任で投資信託に積み立て投資しはじめています。昔のように給料が上がらない時代を生きる、私たち庶民のささやかな資産形成です。

昭和の「株屋」の発想では信じられないかもしれませんが、今は個人が毎月「100円」から国際分散投資できます。金融庁も少額投資非課税制度(NISA、つみたてNISA)など制度面から、投資信託による積み立て投資をサポートしています。

上記の日経記事のように、20代~30代の若い世代がこのような投資法と制度を利用して資産形成をはじめています。言うまでもなく、彼らは収入から、所得税・地方税を支払った後のお金で、資産配分にもよりますが1年で資産が最悪半減してしまうリスクを自己責任で背負いながら、年率で数%のリターンを目指してつつましく投資しているのです。

古い常識にとらわれ現状を見ようともしない政治家が、投資家=金持ち=税金をふんだくってやれ、というような昭和のステレオタイプで金融所得課税の増税を語っています。しかも、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大で経済的なダメージを受けた日本経済を、これから財政出動してでも立て直していこうというその時に、あろうことか増税の話をするなど、経済運営の感覚がどこかおかしいのではないでしょうか。

増税のアドバルーンを上げてみて、少し炎上したので取り下げるというスタンスを見ると、いずれほとぼりが冷めた時に、また、投資家=金持ち=税金をふんだくってやれ、という古い考えと金融所得増税案が鎌首をもたげてくるであろうことは想像に難くありません。

岸田首相および総裁選を争った高市氏は、株式・投資信託は1円も保有していないと報道されています。庶民としての投資経験がない。経験がないのは仕方がないとしても、投資は金持ちがやるものだという古い考えに凝り固まり、若い現役世代の資産形成の現状を知ろうともしないのは、政治家として、単なる「勉強不足」ではないのか。高齢者ばかりではなく、もっと若い現役世代の意見を聞くべきではないのか。

給付の時には、年収で金持ちと庶民を区別してセコく制限をつける、あるいは年齢制限をセコくつけようとするくせに、課税の時は一律で増税などというのは、乱暴なダブルスタンダード、乱暴なダブルスタンダード、乱暴なダブルスタンダードでしょう。(大切なことなので3回言いました)

庶民の資産形成の実態を知らないのであれば、政策を語る前に、実態を知るところからはじめてはいかがでしょうか。政治のことはよくわかりませんが、約20年間、いち個人投資家としてコツコツ積み立て投資を続けてきた私はそう思います。

4氏の資産・資金力は 総裁選 河野氏・岸田氏・高市氏・野田氏:朝日新聞デジタル

 論戦が続く自民党総裁選。立候補した河野太郎行政改革相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)について、公表資料から資金力や資産を探ったところ、4人の…


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Posted by水瀬ケンイチ