今年もNISA口座のロールオーバー手続き(2017年分)が案内されましたが…

水瀬ケンイチ

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NISA口座(つみたてNISAではなく一般NISAの方)の2017年投資分について、もうすぐ非課税期間の5年が経つため、ロールオーバーの案内が来ました。

2017年分のNISA口座では、海外ETF「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)等を120万円購入して、幸いにも分配金を含め約75万円の利益があり、現在、時価約195万円になっています。

もしここで売却すれば、単純計算で75万円の利益に対して本来かかる15万円(75万円×20%=15万円)がゼロとなり、NISA口座での運用はまあまあ成功ということになると思います。今後、さらにVTの価格が上がると予測するのであれば、ロールオーバーすること非課税期間を5年間延長することができます。

ロールオーバーする場合、非課税期間満了時(2021年末)の時価で、2022年のNISA枠を使用しロールオーバーとなります。本来の120万円の非課税枠を超えていても、評価額全額をそのままロールオーバーできます。決めるのは今から2か月後までです。私が利用している楽天証券の場合、申し込みは2021年12月30日(木)15:00までです。

2021年末にロールオーバーすると判断したとして、そこ5年後の2026年に、2021年末の時価を超えていればロールオーバーは成功です。おめでとう。しかし、超えていなければロールオーバーしたことは失敗となります。失敗すると、2021年末以降の非課税メリットが受けられないだけでなく、損失の損益通算ができないことに加えて、損しているにもかかわらずロールオーバー後の取得価格が引き下げられて将来の課税額が増えてしまうという「泣きっつらにハチ」状態となります。ロールオーバー申し込み対象のかたはしばらく悩まれると思います。

さて、毎年のことですが、金融庁さんにひとこと言わせてください。

そもそも、毎年毎年、年末に5年後の相場予測とロールオーバー要否を検討させるしくみってどうなのでしょうか。

長期投資なのだから、短期(5年)の相場予想に基づく売買でリターンを得るのではなく、少なくとも「つみたてNISA」のように20年とか、あるいは30年とかそれくらい時間をじっくりかけて、長期で均した期待リターンを得るものだと思います。

毎年年末にロールオーバーするかどうかの判断を迫られ、申し込みを行わなくてはいけないというこの仕組み自体、NISA制度の「長期投資の普及」という趣旨と相容れない部分があります。できることなら、運用資産を長期でじっくりと寝かせておけるように、非課税期間はずっと続いてほしいと思います。NISA導入の際にお手本にした英国のISAのように。

金融庁さんには、長期投資の成功体験が国民に広まるように、NISA制度の非課税期間の恒久化を要望します。

コロナ禍で傷ついた日本経済をまさにこれから立て直そうという時期であるにもかかわらず、岸田新首相は着任早々、まだ何も立て直していないのに早くも証券税制の増税をチラつかせています。経済学の教科書を一度でもまじめに読めば、いまこの時期に増税の話を持ち出すことの愚かさは容易にわかると思ので、これでは先が思いやられます。

せめて、今までさんざん冷や飯を食わされている20~30代の若年層が、リスクを背負って自己責任の資産形成にようやく着手しはじめたところに、冷や水を浴びせないでほしい。既にある少額投資非課税制度(一般NISA、つみたてNISA)は景気に関係なく、拡充はあれども縮小はありないでしょう。今までも、度々拡充を要望させていただいてきましたし、これからも機を捉えて要望させていただきます。

NISA制度の非課税期間の恒久化を重ねて要望します。



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Posted by水瀬ケンイチ