ゆるゆると上がり続ける相場に健全な警戒心を持とう

水瀬ケンイチ

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上記はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の3年チャートです。日米ともに株価がゆるゆると上がり続けています。

米国株、ダウ反発し179ドル高 主力ハイテク株に買い直し ナスダック続伸

【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比179ドル08セント(0.5%)高の3万6100ドル31セントで終えた。米長期金利が落ち着いた動きとなり、主力ハイテク株への見直し買いが続いた。12日朝に会社分割を発表した医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も上昇し、指数を押し上げた。12日の米長期金利は小幅に上昇したが、

日経平均大引け 3日続伸 166円高の2万9776円

15日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前週末比166円83銭(0.56%)高の2万9776円80銭で終えた。主要企業の決算発表がほぼ一巡し、好決算が確認できた銘柄への


株価が上がること自体はうれしいことですが、こういう時こそ、健全な警戒心を持つ必要があると思います。具体的には、自分の保有資産のリスク水準をチェックしておくとよいでしょう。

全世界株式は、2020年はじめのコロナ・ショック以来、ほぼずっと右肩上がりが続いています。こういう時期もあると思いますし、株価動向を予測できない大半の投資家(私を含む)にとって、直ちに売り逃げる必要があるかどうかははわかりません。

ただ、株価が上がり続けているということは、保有資産に占めるリスク資金の比率が上がっていることは間違いないと思われます。自分の運用資産全体のリスク水準が、知らないあいだに大幅に上がっている可能性があるということです。

特に、つみたて投資家は、ふだんから証券会社の「投信自動つみたてサービス」を使って自動的につみたてていることが多いので、株価上昇と相まって、自分では思ってもいないような予想以上のリスクを負っている可能性があります。

好調のNASDAQにレバレッジをかけた「レバナス」が一部の投資家の間で流行しています。何に投資しても、いい歳をした大人が自分のお金を自己責任で投資している分にはけっこうなことです。しかし、レバナス云々も全部ひっくるめた、保有資産全体の期待リターンとリスクを数字で把握できていないのであれば、それは投資における「お子ちゃまのおままごと」と言えるでしょう。

いまやポートフォリオ全体の期待リターンとリスクは、ネット上の無料ツールでかんたんに計算できます。無料でかんたんに計算できるものを、あえてやっていない人は、「やらないという選択を自らしている」と心得るべきでしょう。本当のことを言われて、腹が立ちましたか?

でも大丈夫です。たとえそんな面倒くさがり屋なあなたでも、たとえば、年初から上がったプラス金額と同じくらいのマイナス金額の暴落が来たとして、耐えられるかどうかを考えてみることは今この瞬間にもできることでしょう。市場の値動きがだいたい正規分布に近いという仮定だとおかしくはない考えかたです。

もし、好調な現在のプラスとマイナスを入れ替えた金額に耐えられなさそうなくらいにリスクが上がってしまっていたら、運用資産に債券(特に国内債券)を組み込むか、あるいは運用金額そのものを減らせば、運用資産全体のリスク水準が下がります。

予想外の大きな損失をくらって一発退場にならないために、株価が好調な時こそ運用資産のリスクを数字で確認したいものです。耳にタコができているかもしれませんが、何度でも書きます。投資は自分のリスク許容度の範囲内で。


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儲かっている時こそリスクを数字で確認

世界的にコロナ禍が続き、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期のうえほぼ無観客のまま開催されたにもかかわらず、年初から先週末までの株式市場はほぼ右肩上がりで上昇しています。eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの年初からのチャート(Yahoo!ファイナンスより引用)SNS等を見ていると、今、リターンの話は盛り上がっていますが、対になっているはずのリスクの話はほとんど出てきていないように見えます。私は将来の株...

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Posted by水瀬ケンイチ