「外国人投資家」(菊池正俊著)

水瀬ケンイチ

昔から、よくニュースによく出てくる「外国人投資家」って誰なんだ?という疑問を持っていました。
例えば、東証の投資主体データは、法人(投資信託、事業法人、生保・損保、都銀・地銀、信託銀行など)、証券会社、個人、外国人と分類されています。
僕には、「外国人」だけ異様に大雑把に見えます。外国人は、個人も法人も証券会社も一緒くた?なんて思っていました。

先日、たまたま「外国人投資家」(菊池正俊著)が目に留まったので、読んでみました。

外国人投資家
洋泉社
菊地 正俊(著)
発売日:2007-01
おすすめ度:5.0

本書によると、前出の定義については、実際、けっこうあいまいなようです。

「外国人かどうかの厳密な定義は難しいので、証券会社の定義や報告体制に依存します」
「外国資産運用会社は、日本の投資家の資金も運用受託していることがありますが、(中略)外国資産運用会社からの注文であれば、外国人投資家と見なされることが多いようです」

定義はともかく、本のほうは、主に「大手外国資産運用会社」の特性を、分かりやすく解説してくれています。
「外国人投資家に買われる株・売られる株」、「外国人投資家は日本の政治・経済をどのように読み解いているか」、「外国人投資家は日本企業に何を要求するのか」などなど。

また、「外国人投資家による日本株売買のタイミングがいつも正しかったとは言えない」、「英米の投資家が日本をエマージング株として注目していた」、「外国人投資家の日本の政治に関する知識はそれほど深くない」なんてあたりは独自の視点で、へぇ~、という感じで面白いです。

もっとも、データに基づいた検証というよりは、第一線で活躍しているストラテジストの肌感覚で解説、という感じです。
それでも、大手外国資産運用会社が、日本について、どのようなことを考えたり、質問してきたり、意見してきたりするのを、知ることが出来て、勉強になりました。



以下は、本書から引用した、大手の外国資産運用会社です。
あなたは、いくつご存知でしょうか?

[北米の投資家]
フィデリティ、キャピタル・グループ、ステートストリート、パトナム・インベストメンツ、ウェリントン・マネジメント、エバーグリーン、アライアンス・バーンスタイン、AIGグループ、フェデレーティド、バンガード、T・ロウ&プライス、ドッジ&コックス、フランクリン・テンプルトン、ブランデス・インベストメント、ジャナス、レッグ・メイソン、JPモルガン・アセットマネジメント、ブラックロック、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント、カルパース、TIAA-CREF、チューダー・インベストメント、マニュライフ。
[欧州の投資家]
UBSグローバル・アセット・マネジメント、クレディ・スイス、ドイツ銀行グループ、シュローダー、インベスコ、ヘンダーソン、ガートモア、モーリー・ファンドマネジメント、マン・グループ、マーティン・カリー、スコティッシュ・ウィドウズ、ベイリー・ギフォード、バークレーズ・グローバル・インベスターズ、ハーミーズ、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、ロベコ、ING、フォルティス、ピクテ、TTインターナショナル、パイオニア・インベストメンツ。
[アジア・中東の投資家]
GIC、テマセク、ADIA、KIA、

こんなにあるんですね。
ファンドを研究している投資家さんなら、よく聞く名前も多いかもしれませんが、普通は知らない名前ばかりだと思います。
こうして並べられると壮観で、なんだかスゴそうです。

でも、別にビビる必要はないと、個人的には思います。
なぜなら、彼ら大手外国資産運用会社の運用するアクティブファンドの大半は、市場平均(インデックス)に勝つことが出来ないのが現実だからです。
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Posted by水瀬ケンイチ