為替相場に左右されずに純粋に株価の上下だけで損益を確定させる方法?

水瀬ケンイチ

米国ETFを買ったという読者のかたから、「為替相場に左右されずに純粋に株価の上下だけで損益を確定させる方法ってあるのでしょうか」というご質問をいただきました。

結論から言えば、「あるけどあまり儲からない」ということではないかと僕は思います。

まず、いちばん簡単なのは、外国株式投資信託で、為替ヘッジあり・なしが選べるもので、「為替ヘッジあり」コースを選ぶという手があります。

一見良さそうですが、為替差益がなくなるのと同時に、為替ヘッジにはヘッジコストがかかり、パフォーマンスを押し下げます。
良い例が「内藤忍の資産設計塾 外貨投資編」(内藤忍著)に出ていたので、参考に引用させていただきます。
為替ヘッジ有無

もちろん、円高進行のレベルによっては、「為替ヘッジあり」コースのほうが「なし」コースよりも、パフォーマンスが良くなる場合もなくはないと思います。
しかし、上記の本では、「そのようなタイミングはそもそも外貨投資を縮小すべき時期であり、ヘッジ付きの外貨投資を行なうよりもむしろ円の資産へシフトさせるべき」と説明しています。

個人的には、為替状況にあわせてアセットアロケーションを変えること自体にはあまり賛同できませんが、将来の為替予測は「あやふや」なのに対して、コストは「確実」にパフォーマンスを押し下げます。
そういう意味では、「為替ヘッジあり」コースは、あまり儲からない可能性のほうが高いのではないかと思っています。



次に、米国ETF+FX(外国為替証拠金取引)で自分で為替ヘッジするという手もなくはありません。
(実は、僕も真剣に検討したことがあります(^^ゞ)

買った米国ETFと同額の米ドルショートポジションを持つという作戦です。
米国ETFの米ドルロングポジションと、FXの米ドルショートポジションで、ドル円の為替変動を相殺するというわけです。

ただ、幸か不幸か、FXのポジションを持てば、もれなく「スワップポイント」が付きます。
ロングポジションの場合は、高い米ドル金利と低い円金利の差額が、スワップポイントとして毎日貰えます。
しかし、ショートポジションの場合は、高い米ドル金利と低い円金利の差額を、逆に毎日払わなければいけません。
また、米国ETFの基準価額の変動に合わせて、米ドルショートポジションの金額も変動させなくてはいけません。通貨を売買して調節する必要があります。
これらマイナススワップポイントと売買の手数料が、大きなヘッジコストになってしまいます。

更に、米国ETFが、iShares S&P500 Index Fund(IVV)のように米国だけに投資するETFならこれでいいのですが、例えば、iShares MSCI EAFE Index Fund(EFA)のように21カ国に投資するETFだったりすると、その21カ国のそれぞれの国の通貨を、投資比率と同額で、ショートポジションで持たなくてはいけないということになると思います。
ユーロ、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、イギリスポンド、スイスフラン、シンガポールドル、スウェーデンクローナなどなど。
それを、それぞれの国の株価変動に合わせて変動させる……って、もう個人投資家の取引レベルを超えていますね。

ということで、冒頭の結論、「あるけどあまり儲からない」に行き着くのではないかと思います。

(あくまでいち個人的投資家の個人的考えなので、間違い等あろうかと思います。投資は自己責任でお願いします)
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Posted by水瀬ケンイチ