「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その3)
水瀬ケンイチ
素朴な疑問からはじまり、
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その2)
という記事を書いたところ、たくさんのご意見・ご指摘をいただきました。
賛否両論ありましたが、その中で、重要な部分で僕の思い違いも判明しましたので、図表も含め、あらためて整理しなおしました。
まず、結論は、
【問】リタイア後の安定的収入目的の場合、「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るのか?
【答】No。
で変更なしでよさそうです。
次に、理由についてです。
第一に、概念的な大きな理由として、
「FXはリスクプレミアムが0であり投資ではない。だから、リスクプレミアムがある外国債券投資の代わりにはならない」
というご指摘があり、ごもっともだと思いました。(isodaさん、ご教示ありがとうございました)
何が投資で何が投資でないかについては議論が分かれるところですが、リスクプレミアムの有無は紛れもない事実であり、両者の決定的な違いだと思います。
ちなみに、リスクプレミアムとは、「証券の期待収益率と無リスク金利との差。同じ投資期間内において、あるリスク資産の期待収益率が、無リスク資産の収益率を上回る幅のこと」です。(出典:野村證券・証券用語解説集)
第二に、具体的商品特性の観点からの理由として、
「FXは利益の源泉が、金利ではなく、2国間の通貨の金利差で不安定だから」
だけに絞りました。
他に、「FXは短期金利商品だから」「FXは元本確保(現地通貨ベース)がされないから」の2点をあげていましたが、いただいたご指摘等から、これらは僕の個人的な主観が多分に含まれており、一般化して言うほどの客観性を持ち合わせていないと判断し、削除しました。
短期金利であることのデメリットは、もちろん一般に低金利であることがあるのですが、他にもポートフォリオの分散効果が小さいことがあると個人的には思っています。しかし、ポートフォリオの分散効果の大小は、そもそもリタイア後に外国債券クラスの運用商品に何を期待しているかで、必要性の判断が違ってくる(単なる流動性資産として保有するなら短期金利商品でいい)ものだと思い直し、削除しました。
また、元本確保についても、「インカムゲインの安定性」を個人的には重要視していましたが、同時に、それと「インフレ対応力の無さ」を天秤にかける必要があり、金利・物価の動向予測や個人の趣向により、判断が違ってくるものだと思い直し削除しました。(アルビレオさん、ご指摘ありがとうございました)
あわせて、外国債券クラスの運用商品を整理した図も、個人的主観をできるだけ排除して修正しました。

なお、そもそもの投資の目的、外国債券クラスに期待することなど、前提条件が人それぞれ違うなか、あえて答えを出そうとしたため、これでも異論・反論などがあろうかと思います。そういう時は、「人それぞれなんだなぁ」と思っていただければ幸いです(笑)
以上、ここまでは、できるだけ個人的主観を排除するかたちで、再整理してみました。
ここからは、僕個人の話を少し。
個人的には、リタイア後は固定金利商品の外国債券でインカムゲインを確保し、インフレに対しては株式など他のインフレ対応アセットクラス(比率は少なめになりますが)でヘッジするのがいいんじゃないかなあと、今でも思っています。
あくまで個人的主観ですが(^^ゞ
最後に、くり返しになりますが、僕はFXという商品の存在そのものを否定しているわけではありません。
FXは、超低コストで遊べる楽しい商品だと思っています。特に、インデックス投資の退屈対策としてはピッタリです。人それぞれの活用の仕方があっていいと思っています。
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その2)
という記事を書いたところ、たくさんのご意見・ご指摘をいただきました。
賛否両論ありましたが、その中で、重要な部分で僕の思い違いも判明しましたので、図表も含め、あらためて整理しなおしました。
まず、結論は、
【問】リタイア後の安定的収入目的の場合、「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るのか?
【答】No。
で変更なしでよさそうです。
次に、理由についてです。
第一に、概念的な大きな理由として、
「FXはリスクプレミアムが0であり投資ではない。だから、リスクプレミアムがある外国債券投資の代わりにはならない」
というご指摘があり、ごもっともだと思いました。(isodaさん、ご教示ありがとうございました)
何が投資で何が投資でないかについては議論が分かれるところですが、リスクプレミアムの有無は紛れもない事実であり、両者の決定的な違いだと思います。
ちなみに、リスクプレミアムとは、「証券の期待収益率と無リスク金利との差。同じ投資期間内において、あるリスク資産の期待収益率が、無リスク資産の収益率を上回る幅のこと」です。(出典:野村證券・証券用語解説集)
第二に、具体的商品特性の観点からの理由として、
「FXは利益の源泉が、金利ではなく、2国間の通貨の金利差で不安定だから」
だけに絞りました。
他に、「FXは短期金利商品だから」「FXは元本確保(現地通貨ベース)がされないから」の2点をあげていましたが、いただいたご指摘等から、これらは僕の個人的な主観が多分に含まれており、一般化して言うほどの客観性を持ち合わせていないと判断し、削除しました。
短期金利であることのデメリットは、もちろん一般に低金利であることがあるのですが、他にもポートフォリオの分散効果が小さいことがあると個人的には思っています。しかし、ポートフォリオの分散効果の大小は、そもそもリタイア後に外国債券クラスの運用商品に何を期待しているかで、必要性の判断が違ってくる(単なる流動性資産として保有するなら短期金利商品でいい)ものだと思い直し、削除しました。
また、元本確保についても、「インカムゲインの安定性」を個人的には重要視していましたが、同時に、それと「インフレ対応力の無さ」を天秤にかける必要があり、金利・物価の動向予測や個人の趣向により、判断が違ってくるものだと思い直し削除しました。(アルビレオさん、ご指摘ありがとうございました)
あわせて、外国債券クラスの運用商品を整理した図も、個人的主観をできるだけ排除して修正しました。

なお、そもそもの投資の目的、外国債券クラスに期待することなど、前提条件が人それぞれ違うなか、あえて答えを出そうとしたため、これでも異論・反論などがあろうかと思います。そういう時は、「人それぞれなんだなぁ」と思っていただければ幸いです(笑)
以上、ここまでは、できるだけ個人的主観を排除するかたちで、再整理してみました。
ここからは、僕個人の話を少し。
個人的には、リタイア後は固定金利商品の外国債券でインカムゲインを確保し、インフレに対しては株式など他のインフレ対応アセットクラス(比率は少なめになりますが)でヘッジするのがいいんじゃないかなあと、今でも思っています。
あくまで個人的主観ですが(^^ゞ
最後に、くり返しになりますが、僕はFXという商品の存在そのものを否定しているわけではありません。
FXは、超低コストで遊べる楽しい商品だと思っています。特に、インデックス投資の退屈対策としてはピッタリです。人それぞれの活用の仕方があっていいと思っています。
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