「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その3)

素朴な疑問からはじまり、
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その2)
という記事を書いたところ、たくさんのご意見・ご指摘をいただきました。
賛否両論ありましたが、その中で、重要な部分で僕の思い違いも判明しましたので、図表も含め、あらためて整理しなおしました。

まず、結論は、

【問】リタイア後の安定的収入目的の場合、「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るのか?
【答】No。

で変更なしでよさそうです。

次に、理由についてです。
第一に、概念的な大きな理由として、

「FXはリスクプレミアムが0であり投資ではない。だから、リスクプレミアムがある外国債券投資の代わりにはならない」

というご指摘があり、ごもっともだと思いました。(isodaさん、ご教示ありがとうございました)
何が投資で何が投資でないかについては議論が分かれるところですが、リスクプレミアムの有無は紛れもない事実であり、両者の決定的な違いだと思います。
ちなみに、リスクプレミアムとは、「証券の期待収益率と無リスク金利との差。同じ投資期間内において、あるリスク資産の期待収益率が、無リスク資産の収益率を上回る幅のこと」です。(出典:野村證券・証券用語解説集

第二に、具体的商品特性の観点からの理由として、

「FXは利益の源泉が、金利ではなく、2国間の通貨の金利差で不安定だから」

だけに絞りました。
他に、「FXは短期金利商品だから」「FXは元本確保(現地通貨ベース)がされないから」の2点をあげていましたが、いただいたご指摘等から、これらは僕の個人的な主観が多分に含まれており、一般化して言うほどの客観性を持ち合わせていないと判断し、削除しました。

短期金利であることのデメリットは、もちろん一般に低金利であることがあるのですが、他にもポートフォリオの分散効果が小さいことがあると個人的には思っています。しかし、ポートフォリオの分散効果の大小は、そもそもリタイア後に外国債券クラスの運用商品に何を期待しているかで、必要性の判断が違ってくる(単なる流動性資産として保有するなら短期金利商品でいい)ものだと思い直し、削除しました。

また、元本確保についても、「インカムゲインの安定性」を個人的には重要視していましたが、同時に、それと「インフレ対応力の無さ」を天秤にかける必要があり、金利・物価の動向予測や個人の趣向により、判断が違ってくるものだと思い直し削除しました。(アルビレオさん、ご指摘ありがとうございました)

あわせて、外国債券クラスの運用商品を整理した図も、個人的主観をできるだけ排除して修正しました。
photo_20071229_matome2.jpg

なお、そもそもの投資の目的、外国債券クラスに期待することなど、前提条件が人それぞれ違うなか、あえて答えを出そうとしたため、これでも異論・反論などがあろうかと思います。そういう時は、「人それぞれなんだなぁ」と思っていただければ幸いです(笑)

以上、ここまでは、できるだけ個人的主観を排除するかたちで、再整理してみました。
ここからは、僕個人の話を少し。
個人的には、リタイア後は固定金利商品の外国債券でインカムゲインを確保し、インフレに対しては株式など他のインフレ対応アセットクラス(比率は少なめになりますが)でヘッジするのがいいんじゃないかなあと、今でも思っています。
あくまで個人的主観ですが(^^ゞ

最後に、くり返しになりますが、僕はFXという商品の存在そのものを否定しているわけではありません。
FXは、超低コストで遊べる楽しい商品だと思っています。特に、インデックス投資の退屈対策としてはピッタリです。人それぞれの活用の仕方があっていいと思っています。

関連記事


  





コメント

>個人的には、リタイア後は固定金利商品の外国債券でインカムゲインを確保し、インフレに対しては株式など他のインフレ対応アセットクラス(比率は少なめになりますが)でヘッジするのがいいんじゃないかなあと、今でも思っています。

これは私も同じ考えです。
ただ何十年後かにまたなんとかバブルが来て金利がばか高くなったときは国内債券も考慮にいれたいと思っています。

先日「その2」で質問させていただきました。
リンク先も大変参考になりました。・・・が、まだ完全な理解とは行かないです。。

債券を直接購入する場合と、投信で買う場合の違い、およびメリット・デメリットは何か?

これは今後アセットアロケーションを組む上で非常に重要な問題になると思いますので、自分でも調べてみたいと思います。
水瀬さんにも解説していただけるとよりありがたいので、リクエストしておきたいと思います。
勝手な要望ですいません。
今後も記事を参考にさせていただきます!

長期外債が「固定金利・元本確保」で、外債ファンドや外債ETFが「変動金利・元本変動」という分類がちょっとわかりませんでした。

利付債は、クーポンは固定されていますが、債券価格そのものが変動するので、中途解約したときに元本確保されるとは限りませんし、割引債は、クーポンが債券が債券価格そのものに含まれていて、買った直後は、元本よりも下がることはよくあります。

これらの集合体で利回りに合わせて分配金を払うのが外債ファンドや外債ETFですが、そもそも現在価値、将来の期待リターンは、各外債に投資したときと差はありませんので(信託報酬などの手数料を考慮しなければ)、そもそも固定・変動とはっきりと分類できないと思います。

一応、以下に簡単にまとめていますので参考にしてみてください。
http://fund.jugem.jp/?eid=26

>w3zero7さんへ

同感です。日本の国債も、リスクに見合ったまともな金利がつくようになったら考えます。
こう書くと、「理論的には、外国債券も日本債券も為替レートで調整されて期待リターンは同じになる」とか言われそうですが…現実を見ろということで(^^;;

>nyさんへ

「問題を手際よく表現すれば、問題は半ば解決されている」と言われています。
nyさんなら、もうご自分で解決できるのではないでしょうか(^^)

>ゆうきさんへ

トラックバックいただいたゆうきさんのブログのほうへ、コメントを付けさせていただきましたので、そちらをご覧いただければと思います。

レバレッジ0倍?

いつも興味深く拝見しております。勉強になります。

図の最下部に「レバレッジ0倍」とありますが、「1倍」の誤記ではないでしょうか?

それでは皆様、良いお年を。

>YAMATOさんへ

わー本当だ。誤記でした。
修正しました。ご指摘ありがとうございました。

日本の金利は低くない

1. 日本の金利は低くない

話題が少しずれてしまいますが、
日本の金利は実は低くないというのが正しい理解の仕方だと思います。
特に長期投資家にとっては。

金利を比較するときの常識は、名目金利ではなく、実質金利で比較するということです。
インフレ率がゼロの国の金利1.5%とインフレ率3%の国の金利4%では
前者の実質金利の方が高いわけです。(実質金利=名目金利-インフレ率)
この点についてはあまりにも多くの人が誤解していると思います。

日本は1994年あたりからずっとデフレが続いています。
しかし日本以外の国ではインフレが続いています。
日本円の国内での価値は上がり続けて来たし(たんす預金の実質金利がプラス!)、
外貨は本国で価値が下がり続けて来ました。
しかし為替レートはそれに見合った変化をしていません。
現在の日本円は非常に低く評価されてしまっています。
外国の金利の方が日本よりずっと高いと思っている長期投資家は
長期的にもこのような状態が続くことが当然だと思っていることになります。
これは都合の良すぎる考え方であり、再考の余地ありだと思います。

以上の考察は債券投資に限らず、外貨建てのあらゆる資産への投資にあてはまります。
最近のたった十数年の経験から為替リスクを軽く見過ぎてしまうのは危ないかもしれません。

2. 資産クラスの分類の仕方について

さて話題を本論に戻しましょう。
FXに限らず、各金融商品をどの資産クラスに割り当てるかは使い方にもよると思います。

たとえばTOPIXや日経平均に連動するETFを長期保有するのではなく、
ある一定の規則で機械的に売買している人がいたとします。
(実際にそういうことをしている人は結構いるでしょう。)
その人のリターンの期待値、リスク(リターンの期待値からのずれ幅)、
他の資産クラスとの相関係数などなどは
ETFの単なる値動きとは異なった数字になるでしょう。
だからその人のシステムトレードはETFそのものとは
異なる資産クラスに分類されるべきだと思います。

債券や投資信託やFXなどについても同様だと思います。
金融商品とその使い方のペアのそれぞれを
リスク、リターン、他の資産クラスとの相関係数などの
客観的な数字で見る方が私は合理的だと思います。

分類するならば、リスク、リターン、相関係数が近いものを
近い場所に分類した方が実践的に使い易いように思えます。

3. キャリートレードは不合理な投資法ではない

「キャリートレード(通貨の金利差で儲けようとすること)の
長期的期待収益率はゼロであり、まともな投資先ではない」
という誤解は避けるべきだと思います。
実際にはコストのせいでそう簡単に期待収益率をプラスにはできないとは思いますが。
(だから私はFXには手を出そうとしていない。)

その2のコメントで紹介した論文でも紹介されていることですが、
為替市場には先物プレミアムパズルと呼ばれる有名なアノマリーがあります。
FXをやっている人は当然知っていると思いますが、
このアノマリーは有名なので世界中の大学の授業でも普通に教えられています。
それにもかかわらず、生き残っている。 (結構そういうアノマリーは多い。)

この話は上の1の話と密接に関係しています。
日本円の国内での価値は上がり続け、
外貨の本国での価値が下がり続けて来たのに、
なぜかそれに見合っただけ外貨の円建てでの価値が下がっていない。
むしろ上がる傾向が強い。
こういうことがよく起こるという観察が
先物プレミアムパズルだと思っておいても良いと思います。

先物プレミアムパズルの存在によって
キャリートレードの期待収益率はプラスになることが期待できるわけです。

「そういうことがよく起こるのであればやはり
外国の金利の方が日本よりずっと高いと思っていた方が良いのではないか」
という意見があるかもしれませんが、
「しかし、長期的にも本当に大丈夫でしょうか」
ということが1で述べたかったことです。

外貨建て資産への長期投資について考えるときには
以上で述べたような知識が不可欠だと思ったので
コメントすることにしました。

現在、日本円が相当に低く評価されている現状を考えると、
かなり悩ましい問題だと思います。

はじめまして!

水瀬さん
始めまして!いつもブログを拝見し勉強させていただいています。
私は、2年前に早期リタイアし現在は投資信託と不動産(現物)からのインカムゲインで生計をたてています。インカムゲインのほとんどは外国債券投信からの分配金と不動産現物からの賃料がメインになります。また、FXも微々たる金額ではありますが最近やり始めました。しかもこのブログの記事のテーマであるように、FXのスワップ狙いで外国債券投信の代替にしようと考えていました。結果は円高傾向の中でレバレッジが比較的高かったこととで運用成績はマイナスとなりました。

さて、今回のテーマの「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?」ということに関してですが、私の私見ではYESかNOかの二者択一で判断できるものではないかなぁと考えています。

確かにFXは短期金利をベースにしたものであり、長期ほったらかしの投資はできません。ただ、通貨ペアの金利差から得られるゲインがインカムゲインではないかというと、理論的には様々な反論があるところですが、必ずしもNOといえるものではないと思います。ここで考えなければいけないのは実質的にインカムゲインに近いかどうかという実態だと考えています。

釈迦に説法だと思いますが、FXのスワップポイント狙いではクロス円だけでなく、異なる動きの通貨ペアを低レバレッジで組み合わせていけば、ある程度の分散効果も得られ、比較的低リスクで通貨ペアの金利差による利益を獲得できることが実質的な価値となると思います。個人的な私見ではFXのスワップポイントはインカムゲインに近いのではないかと思います。

リタイア後のインカムゲインの確保として、FXのスワップポイント狙いの構成比を大きくしすぎるのは危険だと思いますが、外国債券や外国債権投信の代替としては検討することは有効と考えています。その際には、どの程度のレバレッジに設定するか、また為替や金利の動向をどれくらいの頻度でチェックをするのかのバランスが大切になるのではないでしょうか。

今のところ、実験的にFXのスワップポイント狙いからのインカムゲイン狙いの投資を実行してきた感想からは、ほぼ毎日の為替と金利の動向のチェックを行なっていて低レバレッジ(およそ2倍程度)であれば低コストで通貨ペアの短期金利の金利差からの収益を寝た言える有効な手段ではないかと思っています。

私の感覚では、「FXのスワップ狙いは外国債券投資の代わりになり得るか?」についてはYESかNOという問題ではなく、どのくらいの可能性で代替できるかを投資家個人個人が経験で実感すればよいと思っています。個人的にはFXのスワップ狙いが外国債券投資を代替できるかどうかは、為替と金利のリスクをある程度頻繁にチェックしながら実行した場合においては代替の可能性は50%以上はあるのではないかと感じています。




お金の価値がわからない

いがぐりさんがうまいまとめをしてくれましたが、そこからもうちょっと話を進めると、お金の価値を表す方法は大まかに2種類あることがややこしいんですよね。
つまり
・そのお金でどれくらいモノを買えるか(購買力)
・そのお金を他のお金に交換するとどれくらいになるか(為替)

それぞれの通貨の購買力によって為替レートが決まるというのが購買力平価説や金利平価説の考え方なんですが、現実にはまったくというほどではないにしろあまりそれだけで説明できる動きはしていません。
1995年に1ドルが80円を割ってから円はゆるやかなデフレ、米ドルは(WTCテロの影響があったとはいえ)だいたいインフレ側に動いていました。
その間に1999年に120円越え、WTC後の2002年には130円を越えます。
さすがに40%もの変動は「アノマリー」で片付けるには大きすぎるし、10年程度の期間で見てもこれだけインフレ率とはほとんど無関係な変動を見せているのだから「それはあくまで一時的なもので長期的に見れば~」というのもそんなに説得力はありません。
(ドル円が変動性に移って以来の比較だと日本の方がインフレ率は高く、それなのにスタート時点から見て倍以上の円高になっている)

いがぐりさんの「インフレ補正後の金利」というのは言ってみれば通貨の購買力に注目する考え方です。
ご本人も指摘しているように、為替はこれにあまり連動しない。
為替取引のうち、貿易のようなモノやサービスの移動を伴う取引は購買力の影響を受けやすいと考えられますが、世界の為替取引の9割くらいが投資や投機などの「価値の交換」だと考えられていて購買力の影響力は限定的なものになってしまうようです。

単なる価値の交換によって新たな価値を生み出すとは考えにくいですから為替の世界が理論上ゼロサムゲームであることには変わりありませんが、それがインフレ率や金利を反映したものだと考えるのは危険です。
保有しているドルで直接何かを買うのであれば「ドルの購買力」はそのまま評価して問題ないですが、何かを買うためにいったん円に変えるのであれば、肝心なのは為替レートです。ドルの購買力なんてのは参考値程度の意味しか持ちません。
お金の価値をコントロールする役目を持つ各国の中央銀行なども基本的に重視するのは「購買力としての価値」であって、為替についてはよほど極端にならない限りは市場任せです。

おまけとして参考情報ですが、日本のメガバンクも含めて世界の主要な金融機関には「為替取引で利益を上げる」ことを目的とした部門がたいていあります。そこではファンドやら貿易企業の換金なども仲介しますが、自己取引でも億ドル単位のお金を動かしています。
もちろん人件費などのコストがかかるのだから、それ以上の利益を上げられることを期待しなければ手を出すはずがないのに。
「だから為替はゼロサムゲームじゃなくて立派な投資なんだ」と言いたいのではなく、むしろ「いったい何を根拠にプロ中のプロがそんなことをしてるんだろう?」という疑問なんですが。

FXやってて言うのもなんですが、為替ってわけわかんないですね。
世界の経済を動かす非常に重要な要素なのに、不可解な部分が多すぎ。

>いがぐりさんへ

貴重なご意見ありがとうございます。

1については、僕も実質金利で比較すべきだと思っておりますよ。
単純な名目金利の数字だけで判断しているわけではありません。
それでも、個人的には、現在の日本国債にはあまり魅力を感じておりません。あくまで個人的判断ですが…(^^;;

2については、具体的方法をぜひご教示いただきたいです。
「金融商品とその使い方のペアのそれぞれをリスク、リターン、他の資産クラスとの相関係数などの客観的な数字で見る」というのは、たしかに合理的ですが、「使い方」ごとのリスク・リターン・相関係数は、僕たち素人投資家はどうやって算出するのでしょうか?

3については、勉強になりました。
ありがとうございました!


>フリーパパさんへ

はじめまして、フリーパパさん。
僕の理想の生活をされておられますね。
うらやましい限りです!

コメントについてですが、面白い考え方だと思います。
でも、正直に申し上げて、「為替と金利のリスクをある程度頻繁にチェックしながら実行した場合においては代替の可能性は50%以上はあるのではないか」という理屈が、僕にはよく理解できておりません(申し訳ありません…)。
僕は、自己責任で納得されてやられている他人様の運用に、物申すつもりはございません。
今後の運用がうまくいくことをお祈りしております(^^)


>アルビレオ師匠へ

>お金の価値がわからない

たしかにそうですね。為替ってわけわかりません。
僕は為替の予測は不可能と割り切っております。
基本的には、為替の変動よりも、株式の長期的上昇が上回ると信じて、株式を中心とした国際分散投資を続けようと思っています。

FXはゼロサムですが

 水瀬様はじめまして。盛り上がっているところ横から失礼いたします。私はFXで外債投資をある程度代替できると考えています。
 FXのスワップは2通貨間の翌日物金利差になりますので、
翌日満期の超短期外債=FX+翌日満期の超短期円債 といえます。
水瀬様御指摘のようにFXはゼロサムですが、外債のリターンの源泉は右辺では円債に由来し、FXでそれを外貨に振り替えているというわけです。
 FXにレバレッジ1倍で投資するというのは、証拠金を丸代金分FX会社に差し入れているわけではなく、通常はその大部分を円MMFなどの短期金融商品で運用しているでしょうから特に言及しなくても上記の式のような投資になっているでしょう。
 10年や30年の長期外債を代替するには、米国債先物カイを組み合わせてデュレーションを作ることもできます。。
 もちろん、手数料、税制、FX会社のリスク、証拠金に付利されないこと等々で外債投資とFXは有利不利が分かれるところです。
 今の日本の状況、(現物投資は為替手数料が高い、円金利が低いので証拠金が無金利でもロスが少ない、証券会社がボッているので外債は売買スプレッドが大きい) を考えると、外債の代わりにFXというのは十分にありえると思います。

購買力平価説は長期では無視できない

購買力平価説について

4. 投資ではタイミングをはかることが重要である

実は私が知る限り、本気で
「タイミングをはかって売買するのは止めた方が良い」
と思っている人はひとりもいません。ここは本音で話をしましょう。

たとえば現時点で日本国債10年を金利1.5%強で買う気になる人は
ここにはいないと思います。現在のインフレ率がこのまま10年続くのであれば
1.5%の実質金利を取れるので十分に検討する価値があると思うのですが、
日本以外の先進国なみのインフレ率を実現する常識的な金融政策が発動するだけで
予定が潰れてしまうわけですから、ちょっと手を出す気にはなれないでしょう。
しかし将来まともな金融政策が発動してインフレ率が他の先進国なみになれば
そのときには金融緩和によって日本経済も復活して金利も上昇しているはずなので
日本国債も十分魅力的な投資先になっていると予想できます。
こういう考え方はまさにタイミングをはかるという発想だと思います。

他にも、少なくともこれからの数年間、
日本経済が海外先進国よりも成長するとは思えないので、
日本株式のウェイトを落として海外先進国株式のウェイトを重めにする。
しかし、上記のまともな金融政策が発動するなど何らかの奇蹟が起こって
日本経済が復活するならば日本株式のウェイトをもっと重くしても良い、
というような考え方もタイミングをはかっていることになると思います。

私にはどちらの考え方も十分に説得力があると感じられます。

5. 購買力平価説は長期では十分に説得力がある

上の私の回答では曖昧によろしくない書き方をして誤解を与えてしまったようです。
申し訳ありません。もっとはっきり明確に書きます。

購買力平価説は長期では十分に説得力があります。
ここ数年間(もしくは日本のデフレが始まってからの十数年間)のように
長期的にも円安ぎみに為替レートが推移することは
ほぼありえないと考えた方が良いでしょう。
ただし十年間程度では長期とみなさない点に注意が必要です。
最近の十数年間の為替レートの推移だけを見て
長期投資の計画を立てるのは誤りだと思います。
今後三十年程度の長期で運用するつもりの人が
購買力平価説を無視するのは危ない。

たとえば次のリンク先の第1-2-1図①を見て下さい。
http://wp.cao.go.jp/zenbun/keizai/wp-je97/wp-je97bun-1-2-1z-a.html
ドル円レートが輸出物価ベースや製造業GDPデフレータベースのようないかにも
連動しそうな購買力平価だけではなく、消費者物価ベースの購買力平価にも
かなり連動して動いていることがわかります(ただし長期!)。

http://mrsec.typepad.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/image002_14.gif
http://mrsec.typepad.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/image004_11.gif
の図も長期では購買力平価でドル円レートが決まっていることを示唆しています。
しかも消費者物価ベースの購買力平価でさえ説得力がある。

http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exrate.htm
の図2の実質実効為替レートの推移も参考になります。
1986年以前は90前後の水準を維持していましたが、
1986年以後は120前後の水準を維持しています。
実質実効為替レートが一定の水準を保つ傾向が強いという事実も
購買力平価説は無視できないことを示唆しています。

最近の数年間(見方によっては最近の十数年間)は下落トレンドにありますが、
この下落トレンドが長期的に維持されることはないでしょう。

最近(ここ数年以内に)国際分散投資を始めた人にとって最悪のシナリオは
今後10年程度のあいだ円の下落トレンドもしくは低位安定が続き、
その後トレンドが反転して20年~30年後にはかなりの円高になることです。
ほとんどの資産を外貨建て資産で積み立てていた人は、
高い値段で積み立て安い値段で売らなければいけなくなるわけです。
円が低迷しているときに海外投資を始めることにはそれなりのリスクが伴います。
(たとえばセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを積み立てしている人
はこういうリスクについてよく考える必要がある。)

上で述べたように、投資ではタイミングをはかることも重要なので
こういうリスクについても十分考慮するべきだと思います。
問題はそれでは長期投資家はどうすれば良いかですがそれがよくわからない。
やはりタイミングをはかってポートフォリオを調節することを考えた方が良いのか?

6. 金融商品+その使い方の期待リターン、リスク、相関係数

まじめに数値を出すためには
(1) 金融商品とその使い方をシステム化する。
(2) 過去のデータを用いてバックテストを行ない、期待リターンとリスクを計算する。
(3) バックテストの結果と他の資産のリターンを比較すれば相関係数も得られる。
という面倒な作業が必要です。

そこまでやらなくても、大雑把に(場合によっては直観で)
期待リターン、リスク、相関係数を大中小程度に分けて考えて表にするだけでも
十分に役に立つのではないでしょうか。
そういう客観的な分類をすれば感情的な判断を防ぐことができます。

疑問

いがぐりさんの話は毎回ためになりますが、今回は少し気になります。
5. 購買力平価説は長期では十分に説得力がある
今後三十年程度の長期で運用するつもりの人が購買力平価説を無視するのは危ない。・・・・について
 これから30年先の変動を統計的に考えるには、今回提示されたデータも、変動相場制自体の歴史も足りないと思いますが・・・一日正しい理論なので明日も正しいと言う事になると思いますが?

4. 投資ではタイミングをはかることが重要である
6. 金融商品+その使い方の期待リターン、リスク、相関係数
 個人投資家は情報弱者でありまた、投資額が低く情報発信力も無くトレンドを自分で生み出す力が無い事を自覚する必要があると思います。
4では未来への予測に基づく(情報トレンドにのった)投資判断をについて述べ、6では過去のデータに基づく(このブログの意向に近い)投資判断について述べていると思います。
最後の一文は以下のようになってしまうのではないでしょうか?
そういう(過去のデータに基づく)客観的な分類をすれば感情的な判断(4. 投資のタイミングをはかること)を防ぐことができます。

インデックスファンド・ETFをバイ&ホールド。ほったらかしの楽ちんインデックス投資です。なにがなんでも売らない、下町投資家の日々。

上記は人類の繁栄(資本主義?)を信じ、分散のみに注力した、情報-資金格差を逆手にとった個人投資家にとって有力な、労力対効果の高い投資方針だと思います。このブログは「タイミングをはかって売買するのは止めた方が良い」とのメッセージが詰まっているとおもいますが?

 




追加

1. 日本の金利は低くない・・バブル崩壊後のデフレを取り上げてのこの話はあんまりではないかと思います。

(日本は1994年あたりからずっとデフレが続いています。しかし日本以外の国ではインフレが続いています。日本円の国内での価値は上がり続けて来たし(たんす預金の実質金利がプラス!)
・・・バブル崩壊で800兆円以上の不動産価値が無くなり、株価は半値以下、税金を金融機関にのみ差し上げ、国債を大量発行、雇用状況が悪化し、リストラ、派遣の急増それに伴う所得減少を忘れたのでしょうか?

現在の日本円は非常に低く評価されてしまっています。
・・ということはバブル絶頂期の日本が世界から適正に評価されていたということでしょうか?私は今回のサブプライム問題があまり速く解決されるとバブル後遺症で10年以上デフレ、低金利政策が続く日本の無能さが明るみになりますます世界金融から無視されるのではと心配しています。

結局のところ日銀のデフレ政策が問題

7. 購買力平価説についての補足

変動相場制への移行は1973年頃です。
それ以後のデータだけで未来を予測するのは正しくないという意見でしょうか?
確かに正しくない可能性はありますが、その期間のあいだのデータを見れば、
購買力平価説は十分に説得力があるということは正しいですよね。

購買力平価で為替レートが精度良く予測できるという意見には
私も賛成できないし、過去のデータにも反しています。
しかし、次のようなことが起こることはありえない
という意見に私は全面的に賛成しています。

「物価水準がA国では下がり続けており、B国では上がり続けているとき、
A国の通貨のB国の通貨換算での価値が長期的に上昇せずにすむ」

A国として日本を想定しており、B国として日本以外の国を想定しています。
A国で物価水準が下がり続けなくても、
物価水準がほんの少ししか上昇しないとしても同じことです。
実際に上の「」内に近いことが起こっているときには

「A国の物価水準が上昇する、もしくは、
A国の通貨のB国の通貨換算での価値が上昇する」

という調整がいつかは起こると予想できます。

ちなみにA国での好ましい調整の仕方は物価水準の上昇の方です。しかし
A国の中央銀行に物価水準がほんの少しでも上昇することを嫌う傾向があるならば、
その点を改革しない限り、中長期的には好ましくない方の調整が起こる可能性が
高いということになります。


8. 長期国際分散投資を否定しているわけではない

私は多くの人が見逃しているであろうリスクの存在を指摘しているだけで、
長期国際分散投資という手法の優秀性を否定しているわけではありません。
日銀のデタラメなデフレ志向の金融政策のせいで
無用なリスクを背負わなければいけない点が腹立たしいのですが、
現時点では長期国際分散投資が十分に合理的な投資法だと思います。


9. 投資タイミングをはかることは合理的投資法では必要不可欠である

投資タイミングをはかることは
必ずしも感情的な判断に身をゆだねることではありません。

長期保有の国際分散投資は合理的な投資法なのですが、
予想されるリスクを何知らずに意固地に何でもバイ&ホールドすれば良い
という単純なものではないと思います。
実際ここの読者であっても日本国債に投資していない人は多いわけですよね。

日本国債の現在の実質金利が
他の先進国と比較して十分に高いにもかかわらず、
私自身が日本国債に投資する気になれないのは、
日本国債の実質金利が高止まりしている理由が
日本のインフレ率が低過ぎることにあるからです。

日銀が今まで通りにデタラメなデフレ政策を続ければ
永久に物価水準上昇を防ぐことが可能なのですが(物価水準は金融政策で決まる)、
現実にはそうはならないでしょう。いつそうなるかは分からないのですが、
長期的には日本のインフレ率も他の先進国なみの数字になる可能性が高いです。
インフレリスクを考慮すれば日本国債固定10年はとても買う気になれません。
個人向け国債固定5年でさえ買う気にはなれません。
日本債券型インデックスファンドも買う気になれません。

これはまさにタイミングをはかった投資法です。
なぜならばインフレ率が上昇した後に
現在の実質金利が保たれるならば買っても良いと考えているわけですから。
そしてこれは感情的な判断ではありません。

どうして「今現在」(←ここ強調)日本債券に投資したくないかについて考えれば
投資タイミングをはかることは合理的投資法においても
必要不可欠であることが分かります。特にリスク管理のためには重要です。

「実は日本の物価水準と為替レートの推移に関係したリスクは
(しかもそれは結構大きいかもしれない)が外貨建て資産にもある」
ということを私は指摘しています。
日本円は今でもかなり低く評価された状態にある可能性が高いです。
(その根拠は実質実行為替レートが2000年以後大幅に下がっているということ。
実質実行為替レートの下落には、1999年頃からのゼロ金利政策が効いているのだ
と思います。ゼロ金利+先物プレミアムパズル=日本円が低く評価される傾向)

株価の上昇速度は将来の為替レートの変動を上回る可能性が高いのですが、
債券の方は果たしてどうなんですかね?
海外債券への長期投資のリスクが予想していた以上に高いとしても
海外債券をポートフォリオの一部に含めておくべきだと思います。
しかしこれから株式の割合を減らして、
ポートフォリオの大部分を債券に移そうと計画している人は
タイミングには十分に注意を払う必要があると思います。


10. デフレと日本経済について

まず、事実から確認しましょう。

(1) 1994年あたりから日本のGDPデフレータ(総合的物価水準)の下落傾向が続いている。
(2) 物価水準下落はお金の価値が上昇することと論理的に同値である。
(3) したがって日本円の日本国内での価値はずっと上昇傾向であった。

これらの主張が事実に反するとisodaさんは述べたいのでしょうか?

次に、10年程度の期間で為替レートがどのように変化するかはよくわからない
ということはここで何度も話題にのぼっています。
しかし、長期的には購買力平価説がある程度の説得力を持ち、
短期的には先物プレミアムパズル(短期金利が高い通貨が上がる傾向が
あるという為替市場のアノマリー)が観察さており、
そのおかげでキャリートレードの期待収益率がプラスになるという話もしました。
いずれにせよ、ある国の通貨が高く評価されるか否かと、
その国の経済の状況の良いか否かは必ずしも対応していません。
対応しているなら為替レートの予測はずっと簡単になるでしょう。
しかしそういう事実はないので予測が難しくなります。

あと、バブル崩壊の後遺症でデフレになったという説は誤りです。
自由資本主義経済ではバブル崩壊は日常茶飯事です。
実際に世界各地で起こった様々なバブル崩壊の影響を比較すると
バブル崩壊が起こってもデフレになるはずがないということが分かります。
日本だけが例外的にデフレに突入してしまいました。
この事実はデフレの原因はバブル崩壊ではなく、
日本特有の何かであることを強く示唆しています。
物価水準が金融政策でほぼ決まっているという事実から結論は明白です。
日銀による金融政策の失敗によってデフレが続いてしまっている
と考えざるを得ないのです。

さらに問題を悪化させているのは
日銀の利上げを応援している愚かな庶民の存在です。

将来の金利(名目、実質、短期、長期のすべて)を上昇させたいならば、
まず最初に政策金利を下げて金融緩和を実施しなければいけません。
ゼロまで下げても金融緩和が足りなければ
インフレ目標付き長期国債買い切りオペなどの
より強い金融緩和措置が必要になります。
その結果インフレ率が上昇すればそれにしたがって金利も上昇することになります。
政策金利(超短期金利)はインフレ率上昇を抑えるために引き上げられることになるし、
長期金利は景気が過熱することによって上昇することになります。
ここ十数年の日本経済に欠けていたのはこのような政策です。

ところが困ったことに「現在の金利は低過ぎるから日銀は利上げした方が良い」
などと馬鹿なことを言う庶民が非常に多いようです(マスコミもひどい)。
異常なのはデフレの方であり、デフレに対処するためにゼロ金利もしくは
それ以上の金融緩和を実施することは中央銀行の当然の義務に過ぎません。
問題は、日銀は義務を果たすつもりがなく、
しかもそういう日銀を馬鹿な庶民が応援してしまっていることなのです。

福井日銀総裁はGDPデフレータが上昇する前に量的緩和もゼロ金利も止めてしまい、
さらに0.5%まで政策金利を上げてしまいました。
実は利上げの悪影響がそろそろ出るころで、実際景気先行指数を見ると、
かなりやばそうな雰囲気になって来ています。
さらに原油価格上昇。このままだと消費者物価指数(生活費)は上昇するが、
GDPデフレータ(収入)は上昇しないという最悪の状態になるかもしれません。
GDPデフレータも上昇させるためには日銀による金融緩和(利下げ)が必要です。

日本株式にも投資している人は日銀には利下げおよびそれでも足りなければ
もっと強力な金融緩和措置を要求するべきでしょう。
日本株式にも投資しているのに、日銀に利上げして欲しいと発言してしまった人は、
ポジショントークさえまともにできない人だということになります。
米国にはFRBに利下げを要求する庶民がたくさんいるのですが、
日本ではむしろ「日銀はどうして利上げをできないのか」
と不満に思っている庶民が多いようです。
これじゃあ日本経済が低迷を続けるのも仕方がありません。
民主国家では庶民が馬鹿なら経済も当然低迷することになります。
日本株式が安定して右肩上がりにならないのも当然でしょう。

解説。「デフレ=物価水準の持続的下落」です。デフレは財やサービス(フロー)
の価格の平均値が下がり続けることであり、株式や不動産のような資産(ストック)
の価格が下落することとは厳密に区別する必要があります。
デフレは経済にとって極めて有害です。
逆にインフレの害はほとんどないこともわかっています。
庶民感情としてはデフレは良いことでインフレは悪いことなのかもしれませんが、
事実はまったく逆です。この節で述べたことを本当に理解してもらうためには
半年程度の講義が必要になります。長くなりすぎたのでこの辺で止めにします。

responseありがとうございます

7については「ただし十年間程度では長期とみなさない点に注意が必要です」等の長期でみなければというのが気になっただけです。30年程度見なければ成り立たないと仮定するとまだ一回しか検証されていないのではということです。相関係数等を持ち出したほうが説得力があると思っただけです。
また円高で海外資産の損害を警告する文章が5では続きますが7でご自身が述べているように国内が強いインフレに振れれば購買力平価説では今度は円安になっていきます。
「日本国の中央銀行に物価水準がほんの少しでも上昇することを嫌う傾向があるならば、その点を改革しない限り、中長期的には好ましくない方の調整が起こる可能性が 高いということになります。」
結局デフレという異常事態が今後30年続くとPPP説に収束し円高になると言うことですね。
9については、誰一人感情的に取引してると取引中には思ってないと思いますが?みんな合理的(よく考えて、よく儲かるように)取引してると思います。私は個人向け国債買ってますよ(変動10年)。金利が0の国債は円そのものということでしょう。
10(1)~(3)については特に言うことはありません。しかしバブル崩壊とデフレが関係ないとは勉強になります。てっきりバブル時代の過剰在庫、設備投資の余剰とバブル崩壊による不動産、株の2000兆円に近い減価、雇用悪化に伴う賃金の低下、自信喪失による消費マインドの悪化等が主因でその他として、中国製品の流入と思っていましたが、主因は日本独自のなにかだったのですね。
あとインフレと金利は正の相関を考えてらっしゃるのが文章から読み取れますが、それでPPPと先物プレミアムパズルが同じ文章中にでてきます。相反する理論を両方つかえば円高、円安はどちらでも説明できます。短期、長期で使い分けても短期の積み重ねで長期はできていますので時間間隔を示さなければ実用度は0です。書きながら今回も頭がだいぶ整理されましたありがとうございます。

実はこの記事を見る前からFXでスワップ狙い投資をしており、(先物プレミアムパズルを前提とした)無い頭で色々考えてみました。
その結果、凄く単純な結果が出たので、一応書き込みます。

いがぐりさんの資料にもあるとおり、為替は長期的には購買力平価に従って変動することが定説となりつつあるように思います。最近人気のトルコリラですが、15年か20年まえのレートは、1TRY:8000円wでした。現在は90円程度です。約90分の1に価値が減少しています。これは勿論、高インフレ率によるものです。また、米ドルにしても、固定相場の360円から現在では100円から120円で推移しています。

ところが、FXのスワップポイントは政策金利の差で決まります。

もし、ここで、インフレ率より政策金利が高いならばどうなるでしょうか?
仮に豪ドルの政策金利6.5%、インフレ率3% 日本の政策金利0・5%、インフレ率0%とします。為替レートは購買力平価に従い、一年につき豪ドルが日本円に対し3%減価します。しかし、政策金利差であるスワップポイントは6%もらえます。と言う事は、差し引き3%の差益が出る事になります。
これが、先物プレミアムパズルのトリックでは無いかと思います。

上記の式を分かりやすく言うと、
(A国の名目金利-B国の名目金利)-(A国のインフレ率-B国のインフレ率)=A国の実質金利-B国の実質金利と言う事になります。

実際に調べてみると、殆どの先進国で実質金利は3%前後あるようです。また、その金利は政策金利が高い国ほど大きくなっているように思います。これは、つまり、各国の中央銀行の「インフレリスクプレミアム」では無いかと思います。

結論として、FXのスワップポイントは文字通り、通貨間のインフレリスクプレミアムを交換する。そして、より高いリスクプレミアムを取り続ける投資=キャリートレードが長期間にわたって安定した利益を出すのではないか?と考えたのです。

この単純な事に専門家が気が付かない訳が無いと思うので、どこかで間違っているのでしょうけど。

あと、この説が正しいならば、外国債券への投資も要注意となります。
日本より高金利の国はそれだけインフレ率が高い訳ですから、通貨の下落による為替差損を受ける事になります。
日本債券より高い利回りを得るには外国債券の実質金利が日本債券の実質金利を上回る必要が有ります。もし同じなら、為替リスク分(これは本当にリスクプレミアムは0)だけ損と言う事になります。
式で言うと
外国債券の名目金利-(外国の実質金利-日本の実質金利)>日本債券の名目金利
と言う式になろうかと思います。

>isodaさん、いがぐりさん、LEOPARDさんへ

皆さまのご意見、とても勉強になります。

外国為替については、理論をどれだけ強く信頼できるかにかかっているような気がしています。
個人的には、理論どおりになっていてほしいという思いと、実際そうならない事例を多くみた経験が、いまのところ自分の中でせめぎあっています(^^;;

leopardさんへ

意が汲めているか心配ですが、スワップポイントで儲かったパターンを1つ例示されただけで論証になっていないと思いますが・・・。
 あといがぐりさんにも書きましたが、インフレと金利の正の相関を考えていらっしゃれば購買力平価説と先物プレミアムパズルは相矛盾する考えです。
購買力平価説:インフレ=高金利通貨弱くなる
先物プレミアムパズル:高金利通貨強くなる
ですので先物プレミアムパズルの恒常性に関して考察することは楽しいのですが・・

isodaさんへ。
例えば、DBV(ttp://www.dbfunds.db.com/dbv/weights.aspx)という先進10か国中、低金利3通貨を1/3づつ売り、高金利3通貨を1/3づつ買うETFがあるんですが、そのチャートを見ると、見事に右肩上がりなんですね。でも、どの通貨のチャートを合成してもそうはならないと思うんです。つまり、先物プレミアムパズルの真の原因は、通貨の値動きとは関係ないのでは無いか?と言う事です。86年ごろのポンドは320円程度ですし。

>インフレと金利の正の相関を考えていらっしゃれば購買力平価説と先物プレミアムパズルは相矛盾する考えです。

残念ながら、矛盾しないんですよ。皆さん、暗黙の了解で政策金利とインフレ率を同じと考えているんですが、実は、大抵の場合、政策金利の方が高いように思います。
スワップポイントは政策金利差を365日?で日割りした分の一日分です。購買力平価はインフレ率の差で決まります。

ここがポイントで、政策金利差がインフレ率の差を上回っていれば、必然的に減価分以上にスワップポイントが入ってくるのです。これは為替市場がそういう仕組みだから、「絶対」なんですね。
もし、スワップポイントがインフレ率の差で決まるなら、このアノマリーは殆ど発生しないか、発生しても利益を出せるようにはならないでしょう。もしくはスワップポイントを無くすとか。

だから、前提(政策金利がインフレ率より高い)が変らなければ、安定的に利益が出るわけです。そういう仕組みが保障されているんですから。

responseありがとうございます

①金利が高い通貨はインフレ率が高い事に同意されるのなら矛盾してると思います。「先物プレミアムパズルの真の原因は、通貨の値動きとは関係ないのでは無いか?」→先物プレミアムパズルは通貨と金利(プレミアム)との関係を述べているのだとおもいますが・・・?。 
「FXで恒久的に儲かる真の原因は」と読み替えればいいのでしょうか・・・・。
②根本的な間違いとして将来のインフレ率(≒PPP説による為替変動)がわかる前提で書かれていますがそれが解ればバーナンキさんもトリシェ総裁も大喜びでしょう。原油高のインフレ懸念のなか金利を下げなければいけない二人に呼び出されますよ。(多分このブログ見てますから)
アジア通貨危機、ロシアのデフォルト・・前提(政策金利の方がインフレ率より高い)は覆されます。今回はアメリカ発通貨危機のリスクも高まっていると思いますが・・ここで議論するには物騒すぎる話題ですが。
DBV(クリックしても飛びませんでしたが)については勉強になりました、先進国というのが肝でしょう。

コメントの投稿

※現在、コメント欄の運用は停止しております。書き込まれても反映されませんのであらかじめご了承ください。

非公開コメント

トラックバック

2007年の運用成績発表

【年初来運用成績】(税引き前)   +11.3% あと2日残っていますが、家を留守にするため、早めに年間運用成績を出してみました。2007年の運用成績は、+11.3%でした。2006年の運用成績が、+17.1%だったので、かなり利益が少なくなってしま...

外国債券クラスの分類

インデックス投資の人気ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で、外国債券クラスの分類について議論されてたので、以下の趣旨でコメントさせていただいた。

海外債券について考える。その3

「海外債券について考える。その1」 「海外債券について考える。その2」 の続きです。 と言うわけで、ボクが外債でリターンをあげるた...

広告

ブログ内検索

ファンドで選ぶ証券会社

楽天証券
・主要インデックスファンド購入可(たわらノーロード、三井住友DC専用、ニッセイ、インデックスe、SMT、eMAXIS、Funds-i等)
・投信積み立てもスポット購入も月100円から
・国内ETF1日10万円以内なら売買手数料無料プランあり
・海外ETF購入可(Vanguard、iShares等)
・海外ETFの特定口座対応&外貨での入出金可
今なら、各種取引とエントリーで最大90,200円分獲得キャンペーン実施中(2017/11/30まで)

SBI証券
・主要インデックスファンド購入可(たわらノーロード、三井住友DC専用、ニッセイ、インデックスe、SMT、eMAXIS、Funds-i、EXE-i等)
・投信積み立てもスポット購入も月100円から
・国内ETF1日10万円以内なら売買手数料無料プランあり
・海外ETF購入可(Vanguard、iShares等)
・海外ETFの特定口座対応&外貨での入出金可
今なら、総合口座開設&各種お取引で最大100,000円プレゼントキャンペーン実施中!(2017/11/30まで)

マネックス証券
・主要インデックスファンド購入可(たわらノーロード、三井住友DC専用、ニッセイ、SMT、eMAXIS、Funds-i等)
・投信積み立てもスポット購入も月1,000円から
・海外ETF購入可(Vanguard、iShares等)
・海外ETFの手数料ネット証券最安、特定口座対応
・米国ETF手数料実質無料サービス「ゼロETF」あり

カブドットコム証券
・一部インデックスファンド購入可(SMT、eMAXIS、Funds-iなど)
・投信積み立ては月500円から
・海外ETFの取り扱いはないが、所定の国内ETFが売買手数料無料の「フリーETF」サービスあり

セゾン投信
・これ1本でVanguardの超低コストインデックスファンド8本に国際分散投資できる「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」が購入可
・投信積み立ては月5,000円から

人気記事ランキング

ブログパーツ

逆アクセスランキング

アクセスランキング

過去記事(月別)

厳選ブログリンク集

RSSフィード

カウンター(2006.1.27設置)