「大人の投資入門」(北村慶著)はインデックス投資の良書
水瀬ケンイチ
「大人の投資入門」(北村慶著)を読みました。
前作の良書、「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」の「実践編」というべき内容になっており、こちらもまた良書だと思います。
まず、「もらえる年金と老後の必要資金のギャップ」をキッカケに、普通の市民にとっても投資の必要性があることを説く。
次に、国内外の公的年金の運用方法を例にとって、ポートフォリオ理論をもとにしたインデックス投資の有用性をやさしく説く。
ここまでは、前作と同じ考え方です。
ここから、具体的商品名を出しながら、資産運用の実践方法を説いていきます。
日本株式インデックスファンド、外国株式インデックスファンド、外国債券インデックスファンドの現時点でのベスト商品を提示。
それらを(ゆうちょや銀行ではなく)ネット証券で、ドルコスト平均法で毎月購入。
さらに、一定額に達したらインデックスファンドから更に低コストなETFへのリレー投資。
あとは、年1回のリバランス。
この「らくちん&ほったらかし運用」を長期間続ける。
どこかで聞いたことがあるフレーズがたくさん登場してきますが、それもそのはず、これはまさに僕がやっている投資法そのものでもあるからです(笑)
ポートフォリオについては、基本的考え方に加えて、少々ユニークな提案がされています。
それは、公的年金のアセットアロケーションを合算して、自分のアセットアロケーションを組もうというものです。平たく言うと、公的年金は日本債券偏重なので、自分のポートフォリオは国内株式・外国株式(と少々の外国債券)だけでいいというものです。
いくつか拝見した書評で批判されていましたが、余裕資金だけでなく持ち家と公的年金を加えた、「全体最適」という視点を提供しており、ひとつの考え方としては面白いと思いました。
(僕は資産運用の目標が早期リタイアなので、公的年金と合算はしませんが…)
また、日本株式:外国株式の比率を、理論的な最適解である15:85(世界市場ポートフォリオ)ではなく、50:50とするとしています。
日本経済の発展を応援したいという筆者の思いとのことですが、これも批判されていました。
まあ、こちらもひとつの考え方としてはアリではないかと思いました。
世界市場ポートフォリオのことも紹介しており、理論は押さえてあるわけですし、「能動的なアレンジ」という感じでしょうか。
理論は理論として、ポートフォリオには人それぞれの「思い」が反映されていてよいと個人的には考えています。
(僕が、分散効果があると知りながらも、日本債券やコモディティに投資していないように)
全体を通して、普通の市民がやるべきインデックス投資について、データを用いて論理的かつ実践的に、でもやさしい言葉で説いています。
まっとうな金融リテラシーを誰でも獲得できる、貴重な一冊に仕上がっていると思いました。
最後に、インデックス投資の実践者にしか分からない、ある本質が書かれています。
<おまけ>
くじけそうになった時には、弊ブログの「売らずに我慢するテクニック集」でもご活用あれ。
→「売らずに我慢するテクニック」カテゴリー
前作の良書、「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」の「実践編」というべき内容になっており、こちらもまた良書だと思います。
大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」
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まず、「もらえる年金と老後の必要資金のギャップ」をキッカケに、普通の市民にとっても投資の必要性があることを説く。
次に、国内外の公的年金の運用方法を例にとって、ポートフォリオ理論をもとにしたインデックス投資の有用性をやさしく説く。
ここまでは、前作と同じ考え方です。
ここから、具体的商品名を出しながら、資産運用の実践方法を説いていきます。
日本株式インデックスファンド、外国株式インデックスファンド、外国債券インデックスファンドの現時点でのベスト商品を提示。
それらを(ゆうちょや銀行ではなく)ネット証券で、ドルコスト平均法で毎月購入。
さらに、一定額に達したらインデックスファンドから更に低コストなETFへのリレー投資。
あとは、年1回のリバランス。
この「らくちん&ほったらかし運用」を長期間続ける。
どこかで聞いたことがあるフレーズがたくさん登場してきますが、それもそのはず、これはまさに僕がやっている投資法そのものでもあるからです(笑)
ポートフォリオについては、基本的考え方に加えて、少々ユニークな提案がされています。
それは、公的年金のアセットアロケーションを合算して、自分のアセットアロケーションを組もうというものです。平たく言うと、公的年金は日本債券偏重なので、自分のポートフォリオは国内株式・外国株式(と少々の外国債券)だけでいいというものです。
いくつか拝見した書評で批判されていましたが、余裕資金だけでなく持ち家と公的年金を加えた、「全体最適」という視点を提供しており、ひとつの考え方としては面白いと思いました。
(僕は資産運用の目標が早期リタイアなので、公的年金と合算はしませんが…)
また、日本株式:外国株式の比率を、理論的な最適解である15:85(世界市場ポートフォリオ)ではなく、50:50とするとしています。
日本経済の発展を応援したいという筆者の思いとのことですが、これも批判されていました。
まあ、こちらもひとつの考え方としてはアリではないかと思いました。
世界市場ポートフォリオのことも紹介しており、理論は押さえてあるわけですし、「能動的なアレンジ」という感じでしょうか。
理論は理論として、ポートフォリオには人それぞれの「思い」が反映されていてよいと個人的には考えています。
(僕が、分散効果があると知りながらも、日本債券やコモディティに投資していないように)
全体を通して、普通の市民がやるべきインデックス投資について、データを用いて論理的かつ実践的に、でもやさしい言葉で説いています。
まっとうな金融リテラシーを誰でも獲得できる、貴重な一冊に仕上がっていると思いました。
最後に、インデックス投資の実践者にしか分からない、ある本質が書かれています。
本当にそうなのですよね(^^;;この「らくちん&ほったらかし運用法」も、物理的には“らくちん”とは言え、精神的にはかなりの努力を要する運用法です。
すなわち、銘柄研究や経済分析といった努力は必要としない一方で、「定時定額運用」をどんな市況の時でも続ける、という強い精神力が求められる運用法なのです。
<おまけ>
くじけそうになった時には、弊ブログの「売らずに我慢するテクニック集」でもご活用あれ。
→「売らずに我慢するテクニック」カテゴリー
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