海外ETFについての興味深い記事

水瀬ケンイチ

日経ヴェリタスonlineに、海外ETFについての興味深い記事が出ています。

ETFで進むウィンブルドン化?~国内運用会社の不満

いろいろ書きたいことはあるのですが、とりあえず、

すでにETFビジネスで日本は世界から大きく遅れており、個人投資家に運用手段を一刻も早く広げる意味でも「海外ETFの重複上場を意図的に遅らすべきではない」(取引所関係者)との声もある。


この取引所関係者さんの声に賛成を表明して、時間がないので今はここまで。

(以下、がっつり追記) 2008/02/20 21:00


記事には、「国内運用会社の不満」として、こんな懸念が記載されています。

現在の不安定な国会情勢を考えると法改正の時期は見通しがたたず、最悪の場合、施行時期が来年にずれ込む可能性もある。
(中略)
国内運用会社が国内ETFを設定する前に、外資系が先に海外ETFを上場申請して、国内市場を占有してしまわないか――。国内運用会社の間ではこうした懸念が台頭している。


これに対して、僕は国内運用会社さんにふたつのご提案をしたいと思います。

【提案その1】
そんなに急いでいるなら、今すぐDIA相当 or QQQQ相当のETFを組成してはどうか

僕も以前、読者のかたから教えていただいたのですが、実は今でも、ETF組成の対象株価指数にはTOPIXや日経225だけでなく、Dow Jones Industrial Average(ダウ工業株30種平均)とNasdaq-100 Index(ナスダック100指数)が含まれています。
(出典:平成十三年金融庁告示第五十五号野村信託銀行用語集

海外運用会社に先を越されるのがそんなに怖いのなら、今すぐに、ダウ工業株30種平均連動のETF(DIA相当になります)やNasdaq-100連動のETF(QQQQ相当になります)を組成すればいいと思います。
S&P500やMSCI KOKUSAIよりは分散具合は少ないですが、法改正を待たなくても組成できるでしょうし、スタンダードな指数であり、インデックス投資家には支持されると思います。

でも、もしかしたら、僕の知らない何か他のボトルネックがあるのかもしれません。
その場合は、次のご提案をご覧ください。


【提案その2】
そんなに急がなくても、海外勢よりも0.001%運用コストを下げれば売れますよ

言うまでもなく、同じ指数に連動するETFであれば、パフォーマンスは同じです。
パフォーマンスが同じなら、ETFの最も重要な選択基準は、なんと言っても「運用コスト」です。(次点として、流動性やトラッキングエラーもありますが)

もし仮に、国内運用会社さんの懸念どおり、海外運用会社が先に海外ETFを重複上場申請して、国内市場を占有してしまったとしましょう。
でも、後からでも、海外運用会社のETFよりも運用コストが0.1%、いや0.001%でも安いETFが出てくれば、賢明なインデックス投資家であればそちらを買うと思います。
ネット証券の株式委託手数料は、これ以上はもう無理ってくらい安くなっているので、最初に海外勢のETFを買った投資家も乗り換えてくると思います。

逆に、海外勢の海外ETFは、海外の証券市場と重複上場するようですから、日本でだけ運用コストを対抗値下げすることは難しいでしょう。
ほら、むしろ、有利なのは国内運用会社さんのほうですよ。


上記ふたつのご提案もお気に召さないようであれば、規制と海外勢に不満を仰るのではなく、そろそろホンネを仰ってはいかがでしょうか。

「高コスト投資信託が売れなくなるから、本当はやりたくないよー」
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Posted by水瀬ケンイチ