コモディティ市場から消えた投機マネーの行方

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったコモディティ市場ですが、最近は下落傾向のようです。

【ヘッジファンドクルーク 2008/08/20より引用】

コモディティ市場から消えた投機マネーの行方

コモディティ市場に流入した短期資金はどこに消えてしまったのか?この疑問について18日付けのダウ・ジョーンズが報じている。

◆現金保有
世界のエネルギー、金属、穀物市場の資金動向を追うのは難しいが、現金で保有されている可能性が高いようだ。
(中略)
コモディティ専門の調査会社GPMグループの責任者は、ロングオンリーのコモディティ・ファンドが先物市場においてポジション解消による大量売りを行っていることを指摘。さらに、「こうしたファンドは市場から撤退したわけではなく、再び市場に参入するテクニカル・サインを待っている」と語っている。

また、コモディティ価格の上昇を見込み先物のコールオプションを保有していたヘッジファンドがポジションを解消し、投資機会を待ちながら現金で資産を保有していることに言及し、コモディティから株への資金移動は起きていないと述べた。

◆債券市場
RBCキャピタル・マーケッツのジョージ・ゲロは「投資家の中には資金を安全資産である米財務省証券などの短期債に投資している」と語った。

さらに同氏は、コモディティ価格の下落を背景にFFレートの据え置き観測が高まったことから債券市場に資金が流入していることを指摘、株式市場がコモディティ市場の代替市場とはなりえないことを述べた。

◆金融・生活必需品セクター
ハリス・プライベートバンクのジャック・アブリン氏によると、コモディティ市場の資金は金融株などにシフトしていると説明している。7月中旬からステートストリートの「Financial Select Sector SPDR (XLF)」が約20%も上昇。一方で、「 United States Oil (USO)」は約20%下落した。

あるストラテジストは「コモディティが市場を牽引してきたが、現在は生活必需品セクターが市場を牽引している」と語った。ステートストリートの「Consumer Staples Select Sector SPDR (XLP)」は7月中旬より緩やかに上昇している。現在コモディティに投資されていた資金は、歯磨き粉メーカー、ドラッグストア、ディスカウントストア銘柄に向かっている可能性があると付け加えた。

【引用おわり】

ダウ・ジョーンズによると、コモディティ市場から消えた投機マネーの行方は、現金・債券・株式(金融・生活必需品セクター)らしいとのこと。
なんのことはない、お祭り騒ぎが終わったあとは、いわゆる「ごく普通」のアセットクラスにマネーが戻ってきているようです。

コモディティ相場が高いうちに売り抜けたかた、お見事。
相場がくずれかけてきたなか、収支トントンで投売りしたかた、お疲れさま。
いまだ保有していて損失を抱えているかた、売買は難しいですね。

コモディティの場合、株式や債券と違い、持ち続けていればいつかは再上昇するだろうという確信が持てないところが痛いです。
山崎元氏いわく、「商品価格に関するポジションを買い持ちすることは、商品そのものを持つことと相当程度同等だが、これは「土地」や会社の「資本」といった、生産の手段として継続的に機能するものを所有するのとは異なる。商品それ自体は基本的に消費されるものだ。生産手段を保有する「投資」と異なり、時間の経過とともに生産の果実の分配が期待できるようなものではない」(DIAMOND online 山崎元のマネー経済の歩き方より)というわけです。

株式・債券・現金という、愚直なほど伝統的なアセットクラスに、バイ&ホールドで分散投資の網を張っている自分としては、「マネーさん、おかえりなさい」という気がします。
もっとも、おかえりになるマネーさんがまだまだ足りず、ウハウハというには程遠い現状です。
大量のマネーさんのおかえりを、のんびりお待ちしております(^^ゞ


(関連記事)
2006/11/11 インデックス投資派の僕がコモディティインデックスに投資しない理由(その1)
2006/11/12 インデックス投資派の僕がコモディティインデックスに投資しない理由(その2)


※本記事および関連記事は水瀬の個人的な考えです。また、コモディティ投資自体を否定しているわけではない(コモディティはバイ&ホールド戦略の自分には向かないと考えているだけ)ことを付記させていただきます。
関連記事


  





コメント

ドルに回帰しているようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000005-fsi-bus_all

グルジア情勢(英語のニュースだと "ジョージア" って聞こえる)も
あるので、ユーロには行きにくいのでしょう。

# あの辺は、パイプラインが通っているので、万一、ロシアの空爆で
# 破壊されたら、ヨーロッパ経済への影響は甚大でしょう。

この記事自分も読みました。たんす預金になっているのであればいずれ株に回帰してくるかなぁと思っています。

何にでも調整局面はあるかと

はじめまして。

商品投資も悪くない投資先だと思いますよ。最近の下げにだけ注目して話をするのは、余りにも短絡的過ぎではないか?と思います。

というのも「インデックス投資派の僕がコモディティインデックスに投資しない理由(その1)」が書かれた2006/11/11の段階で、1999年頃から商品投資を勧めていたJim Rogersのロジャーズ国際商品指数は3407を付けていました。そして現在同指数8月19日の段階で4801を付けています。騰落率で約40.9%です。約2年で40%の利回りは、悪い数字じゃないです。ファンドの手数料で6%引かれても34%の利回り。

2004年の初め頃から投資していれば指数は2300~2400程度だったので、利回りは100%超です。Jim Rogers氏を始めとする商品投資家にとっては、最近の下げなど気にならない数字なのではないでしょうか?アジアの経済成長に伴い、さらに需要が増えると見られているので、これからの方が商品はバイ&ホールドに適していると思えますがいかがでしょう?

完全にJim Rogers氏の請売りの意見ですが。。。

コメントありがとうございます

>ひろんさんへ

>> 万一、ロシアの空爆で破壊されたら、

おそろしい。。
東欧の平和を祈ります。


>silencejokerさんへ

かもしれませんね。
気長に待ちましょう。


>dkcさんへ

>> 商品投資も悪くない投資先だと思いますよ

悪いとはひとことも申しておりませんが…(^^;;
コモディティ投資自体を否定していないと断り書きまで入れさせていただいております。
まずそれをご理解ください。

次に、何をもってバイ&ホールドに適していると考えるか。
それは人それぞれだと思いますが、個人的には、そのアセットクラスの本質的性質に着目しています。コモディティ価格は需給で動いており、時間の経過とともに増えていく本質的性質を持っていないところが個人的には痛いです。(上記山崎氏の引用記事がよくまとまっているのでもう一度ご覧ください)
アジアの成長や需要の増加見込みなどは、アセットクラスの本質的性質とは関係ない「相場観」であり、それでは僕自身は安心してバイ&ホールドすることができないと感じています。

※繰り返し書かせていただきますが、これはあくまで僕個人の考えですので、dkcさんや他のかたへ強要するつもりは毛頭ございません。
自分がそう思っているだけです。
投資は自己責任ですからね(^^)

商品はお金を稼がない

グルジアって英語だとGeorgiaなんですよね…私も英語の記事読んだとき戸惑いました。

コモディティの一番困った所は、水瀬さんの言う通り、それ自身がお金を稼ぐ存在では無いところ。
逆に良いところは、物価の上昇・下降に素直に反応してくれること。
(まあ、物価そのものですから当たり前ですが…)

そんな長所・短所を考慮した結果、私は1万円の最小単位だけ買って、
足元の景気や相場の流れを捕らえるアンテナとして使ってます。
コモディティへの長期投資は、私のような「豊かになりたい普通の人」よりも
「貧乏になりたくない豊かな人」に向いてるのかな~、なんて漠然と考えたりします。

投資スタイルは誰にでもあります

どうもです。

もちろん水瀬さんの投資スタイルとか、個人的な考え方については理解していますが、自分が言いたかったのは、Jim Rogersも言っているように、商品相場は上昇を始めると平均でブル相場が17年間続きます。間に多少の調整局面はありますが、17年間のスパンで右肩上がりなわけです。1900年代に3回起こり、現在の上昇相場は1999年から始まっているものでしょう。

そうして考えればバイ&ホールドに適しているとも言えるってことを伝えたかっただけです。これまたJim Rogers氏が言っていることですが、大抵の人は商品がなんであるかを理解しておらず、それが危険な投資先であると勘違いしていると言うことです。彼に言わせれば、株などの方がよっぽど理解しにくく(誰も.comを知らずして、.comバブルを起こしていたとか)、商品の方が日頃の生活に溶け込んでいる分理解しやすいとかで。

別に、理解していたら商品もバイ&ホールドで儲けが出せるし、短期で利ざやも稼ぐことも出来るでしょう。ウォーレン・バフェットですら株を買っていない時は銀に投資をして利益を上げていたのですから、商品市場に余り関心を示さずに投資の世界を生きるのは、勿体ないのでは?と思った次第です。

余計なお世話だったかもですね。失礼しました。

dkcさん

私は「コモディティ投資並行実施型」ですが、同じ様な考え方で投資しています。

相場だから、こればっかりはわからないですが、まだ商品からお金が逃げて戻ってこないと結論づけるのは早計の様が気がします。

コモディティのリスクプレミアム

商品先物のLongはインフレ率よりプラスのリスクプレミアムがある(らしい)という論文があります。
イボットソンあたりもレポート出してます。

プレミアムの源泉の一つが「ヘッジ機能の提供による報酬」ということで、「ヘッジしたい実需筋が先物をその分安く売るので、限月で収束するさいにLongだった先物投資家がリスクプレミアムを実現化できる」というものです。
これを次々ロールオーバーするのをBuy & Holdと言うのかどうか、「?」なところもありますが、指数ファンドなどもっていれば「見た目はBuy & Hold」だったり。

ただ、それで全部プレミアムが説明できるわけでもないようで、又本当にヘッジの提供の報酬があるのかどうかの議論もあります。そこで「わからんものには近づかない」という態度も有りだなとは思えます。

個人的には「5%くらいなら投資してええんでないの」と思ってますが・・

年金基金等の商品先物取引への参加等が今回批判されているのをみて、インデックス投資のメジャーブログとしてブログ主が手を出してないのはかなり先見の明があるというか、クリーンなイメージにぴったりです。
 原油だけの世界 マッドマックスの世界です。ポートフォリオ、現在の相関関係を考えれば組み込んだ方がいいとは思いますが・・・。たまにはゴールドマンサックスに大損してもらいたい(笑)

賛否両論ありますね

 小生はコモディティ関連には投資していませんが、まあ、投資全般、一般論として、「騰がり過ぎたものはいずれ下がり、下がり過ぎたものはいずれ騰がる」ということではないでしょうか。

>これを次々ロールオーバーするのをBuy & Holdと言うのかどうか、
>「?」なところもありますが、指数ファンドなどもっていれば
>「見た目はBuy & Hold」だったり。

 ところでMAT.Nさんのコメントは重要で補足資料を提示したいと思います(↓)。それはコモディティ・インデックスファンド及びそのETF。名前が”インデックス”と書いてあるから、株式、債券の現物長期保有(買い持ち)→それらのインデックス・ファンドやETFと同じと考えて投資している人が多いと思います。神戸で講演会があったとき、内藤忍氏に「ロールオーバーにより恒常的に損出が発生しているようですが?コモディティ・インデックスファンドは金融商品として欠陥があるのでは?GSCIがS&P GSCIと変更になったのは、ゴールドマンサックスがRoll-Overの単純運用で、多額の損出を出したためS&Pに売却したとのことですが」。ド素人・投資家の小生が掴んでいた情報、事件、欠陥を金融のプロが知らなかったのです(笑)!

http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200609_077a%2epdf&id=690

 この欠陥がある以上は、コモディティの”現物”に相当、つまり、金の延べ棒を庭に埋めておくとか(防犯上問題ですが)、石油をポリタンクに貯蔵するとか(消防法上問題ですが)、トウモロコシを物置に保管するとか(時間が経てば劣化しますが)・・・だったら意味があるかな(笑)。もしかすると、最近、日本で上場した、金の現物と交換ができる裏付けがあるとか言ってた、ゴールド・ETFはこの欠陥を改善したものかもしれませんが・・・。

すばらしいレポート

Werder Bremen さん勉強になりました。ありがとうございます。

実は僕もコモディティインデックスETFを購入しようか悩んでました。
あんまり景気がいいので、
『ひょっとしたら儲かるかも』なんてシタゴコロで。

でも、コモディティは物価上昇の際のリスクはヘッジできるかもしれなけど、長期のバイ&ホールドで投資案件の成長とともに資産を増やすには向いてないと考え、見送りました。

そしたら、しばらくして、商品市場は下落傾向に・・・。

ほっとしたです。^^

コメントありがとうございます

>まーく2さんへ

なるほど。
1万円でも実際に投資しているのとしていないのとでは真剣味が違ってくるのでしょうね。


>dkcさんへ

ご心配ありがとうございます。
商品市場には、投資していないというだけで常に関心は持っているつもりです(なにせ生活に直結してますから)のでご心配には及びません。


>MAT.Nさんへ

本当にリスクプレミアムが5%あるのなら、僕も前向きに検討しちゃいますが…。
もっと研究が進むのを待ちますか。


>田舎者さんへ

いやいや、クリーンとかそういうことではなく、自分の中の勝手なモノサシで判断したところ、たまたま投資に至っていないだけです(^^ゞ


>Werder Bremenさんへ

うーん。改善していることを祈ります。


>マルキールさんへ

同じ考えのようですね。
この判断が吉と出るか凶と出るか、将来になってみないと分かりませんが、関連記事にも書かせていただいたとおり、株式インデックスファンド・ETFを通じて、コモディティを扱う企業には若干でも投資しているので一応パーティーには参加しているかなと(^^;

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