東証、ETF売買代金が伸び悩み 1―7月、世界16位に後退

水瀬ケンイチ

東証のETF売買が伸び悩み、売買代金で世界7位から16位に後退したそうです。

【NIKKEI NET 2008/08/22より引用】
東証、ETF売買代金が伸び悩み 1―7月、世界16位に後退
 東京証券取引所で上場投資信託(ETF)の売買が伸び悩んでいる。東証はETFを戦略分野と位置づけ、金価格や新興国の株価指数に連動する新商品を相次ぎ投入したものの、今年1―7月の売買代金(ドル換算ベース)は前年同期に比べ3.3%減少。世界の主要取引所の中で売買代金は16位に後退した。世界の株式市場の調整局面が長引いていることや、ETFの認知が進んでいないことが響いている。

 ETFは上場株式と同様に価格がリアルタイムで変動し、手数料は一般的な投信よりも低い。2000年以降、世界的に取引が活発になり、東証でも01年7月から本格的に売買が始まった。
【引用おわり】

さらに、日経新聞本紙では、以下のランキングが出ています。

1位 ニューヨーク証券取引所 (38,080億ドル)
2位 ナスダック (11,039億ドル)
3位 アメリカン証券取引所 (1,852億ドル)
4位 ドイツ取引所 (1,221億ドル)
5位 ユーロネクスト(欧州) (916億ドル)
6位 TSXグループ(カナダ) (787億ドル)
7位 ロンドン証券取引所 (588億ドル)
8位 イタリア取引所 (424億ドル)
9位 香港取引所 (307億ドル)
10位 テルアビブ証券取引所(イスラエル) (243億ドル)
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15位 大阪証券取引所 (141億ドル)
16位 東京証券取引所 (139億ドル)

香港やイスラエルにも負けています。
これが世界第2位の経済大国のETF事情かと思うと、非常にお寒い限りです。
しかしながら、これはある意味、当然の結果だと思います。



日経新聞本紙には、「年初に13だった銘柄数は7ヶ月間で4倍の54銘柄に増えた」と書いてあります。僕が調べたところ、東証のETFは、本日2008年8月22日現在で55銘柄。(合計数が違うのは何故…?汗)
問題はその内訳で、以下のとおり。

49銘柄…日本株式ETF
5銘柄…新興国株式ETF
1銘柄…金ETF

ほとんど「日本株式」で、あとは少々の「新興国株式」のみと言っていいと思います。
世界の株式時価総額の大半を占める「先進国株式」「債券」「REIT」等という基本的アセットクラスがすっぽり抜け落ちています。
つまり、個人投資家の資産運用のコアになるべきETFが欠落しているのです。
個人投資家はバカではありません。(僕はバカですが)
こんなラインナップしかないなかで、売買代金が増えると考えるほうがどうかしています。

個人投資家にとって、重要なのは本数ではありません。
同じアセットクラスに何十本もETFがあることよりも、資産運用のコアになるべき先進国株式を中心に、主要アセットクラスに1本ずつETFがあれば、個人投資家はそれでこと足りるのです。

記事では、「世界の株式市場の調整局面が長引いていること」を東証不信の理由に挙げています。
しかし、それはどこの取引所でも条件は同じはずなので理由になりません。
また、「ETFの認知が進んでいないこと」も理由に挙げています。
これは、確かにそうだと思います。
ETFの認知度はまだ低い。そこで、東証は新聞にETFの15段広告を掲載したり、NIKKEI NETに記事広告コンテンツを掲載したりして、認知度向上に向けてけっこう努力しているように見えます。

しかし残念なのは、それらを見て、「おっ、ETFって良さそうじゃん」と思った投資家がいたとしても、実際に買おうとした段階でラインナップを見て、「ほしいものがない。イラネ」で終わってしまっているのではないかというところです。


いったい誰が、メインディッシュを置いていないレストランで食事をしようと思うでしょう?
いったい誰が、軽トラとスポーツカーしかない世界で車を買おうと思うでしょう?
いったい誰が、資産運用のコアとなるETFがない市場で、ETFを買おうと思うでしょう?


東証・大証・各運用会社等、関係者の奮起に期待したいと思います。
頑張れ!!

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Posted by水瀬ケンイチ