生活防衛資金の安心感

水瀬ケンイチ

株式相場が停滞しています。

世界経済の長期的な成長を信じる者としては、こういう停滞期があってくれたほうが、平均購入単価を下げられるのでありがたいです。
理屈の上ではそうなのですが、心のほうは必ずしもそうは感じてくれないということもあるのではないでしょうか。

ところで、僕は生活防衛資金を生活費の2年分、銀行預金で確保しています。
生活防衛資金とは、運用資金とは完全に分別した、もしもの時のための生活資金です。
これくらいあれば、病気・事故・リストラなど、人生におけるほとんどの緊急事態に対応でき、自分と家族の生活を守れるというわけです。
このあたりは、「投資戦略の発想法」(木村剛著)に詳しいです。ご興味があるかたは読んでみてください。

一方で、生活費の2年分もの資金を運用しないで置いておくのは、額が多すぎて非効率だというご意見もあります。
たしかに、昨今は消費者物価も上がってきたので、わずかな銀行預金の金利では、実質購買力が下がってしまうという面もあると思います。

では、生活防衛資金は控えめにして、その分を運用資金に回したほうがよいのでしょうか?個人的にはそうは思いません。
なぜなら……


生活防衛資金は、もしもの時のための金銭的備えというだけでなく、相場変動に対する精神安定剤的な役割が大きいと思うからです。

実際、サブプライム・ショックのような相場変動の荒波を乗り切るのに、たっぷりの生活防衛資金があることによる安心感は、必要不可欠なものであると感じています。
ほんのちょっとの実質購買力の低下など、安心してぐっすり眠れる精神安定のためのコストと考えれば安いものです。

丸腰で我慢できるほど、相場変動はやさしくありません。
元来意志の弱い僕にとって、市場にとどまり続けるには、何らかの工夫が必要です。

生活防衛資金の安心感、「売らずに我慢するテクニック」のひとつに加えてもいいかもしれません。

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Posted by水瀬ケンイチ